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権五甲現代重工副会長「来年を勝ち抜けば、また跳躍の機会」

  • 「夜明け前が最も暗いと言うように、来年一年の困難を勝ち抜けば私たちは新たに跳躍できるでしょう」。

    現代重工業は29日、権五甲(クォン・オガプ)現代重工業副会長が「現代重工業の副会長職を辞任して」というタイトルの談話を社内掲示板に上げたと明らかにした。来年から現代重工業グループの持株会社である現代ロボティクス代表取締役(副会長)に異動し、ソウルに出勤することになったクォン副会長が最後に蔚山現代重工業本社に出勤した日、自分の所感を従業員に明らかにしたものだ。

    クォン副会長の痛烈な自己反省からだった。

    クォン副会長は「1983年当時の現代重工業は、サムスン電子、LG、現代自動車よりも売上げ・営業利益の規模ではるかに先んじた韓国第1の会社だった。ところが今はどうだ」とし、「われわれの安逸さによって根を張ったいくつもの不合理な決定、誤った慣行が今日の危機をもたらした。すべてわれわれの責任だ」と語る。

    構造調整の過程に対するくやしさも伝えた。クォン副会長は「残念だが、われわれの先輩らが汗と努力で作った数多くの資産を売却しなければならなかった。われわれが保有していた株式や不動産を売却し、利益を出せない事業も果敢に整理した」とし、「エレクトリック、建設機械、ロボティクスに事業分割も行った。現代重工業の名前の下で同じ釜の飯を食べていた同僚たちが、新しい環境で自分で生存できるよう督励しなければならなかった」と述懐した。クォン副会長は続けて「目標と理由は、まさに社の生存が何よりも重要だということだった」としながらも、「私の在任期間中に胸の痛むことを経験した方々もあった。この場を借りて心から慰労の言葉を申し上げたい」と詫びた。

    鄭夢準(チョン・モンヂュン)峨山財団理事長の最側近とされるクォン副会長はこれまで3年あまりのあいだ、骨を削る構造調整を推進してきた。役員を大挙削減すると同時に、課長級以上の職員などを対象に希望退職を実施した。

    あちこちで不満が爆発したが、クォン副会長は「父が100万ウォン稼いでわが身は60万ウォン稼ぐならば、それに合わせて暮らす」と正面突破を選んだ。この過程で労組との衝突を起こしもした。

    現代重工業は19年連続で無ストライキを続けてきたが、2014~2017年は4年連続のストライキが起きた。このような困難を克服するために、クォン副会長は何よりも自ら模範を示した。クォン会長は2014年11月、「会社が再び利益を出すまで給与の全額を返却する」と宣言した後、年数で4年めを無報酬で働いた。

    クォン副会長はさまざまな困難な状況を迎えた中で、丈人喪(チャンインサン/岳父の葬儀)を静かに執り行って周囲の人々を粛然とさせた。労組と今年の賃金・団体協約交渉の「相見の礼」のために昨年5月、蔚山に下りて行ったときに丈人喪の消息に接したが、すべてのスケジュールを消化して静かに喪を執り行った。外部に知られることを防ぐために、殯所(ピンソ)も現代重工業関係会社であるソウル峨山病院を避けた。

    クォン副会長の熱心さはついに通じた。この日、現代重工業の労使は1年7ヶ月ぶりに、2016年と2017年の2年分の賃金交渉暫定合意案の導出に成功した。競争力回復のための方策も進めている。現代重工業の関係者は、「経営正常化の努力で、会社でも一度やってみようという希望に満ちた雰囲気が強い」とした。

    クォン副会長はこの日、部長以上の役職員500人あまりと朝食をとった後、握手しながら私費で用意したツールセットをプレゼントした。現代重工業の関係者は、「これまでの誤った慣行をなおして緩んだ部分を締めるなど、経営正常化のために一緒に仕事をしてきた人々に、その記憶を忘れずに続けて邁進してくれという意味で工具セットをプレゼントしたわけ」だと語った。
  • [毎日経済_ウ・ヂェユン記者] | 入力 2017-12-29 21:29:16