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現代クレイドルのジョン・ソ所長…自動車の未来を描く

  • ◆ CES 2018 ◆

    「自分の分野に安住すると未来の機会を逃します。コダックやノキアが代表的な事例ですね。革新はコラボレーションで可能です」。

    最近の1~2年、現代自動車グループで最も力点を置く戦略は大革新(オープンイノベーション)だ。自動車産業の枠組みが根本から変わっていくなかで、これによって将来の主導権をにぎるというわけだ。

    昨年11月、米国シリコンバレーに置かれた現代クレイドル(HYUNDAI CRADLE)も、未来のモビリティ(移動用機材)と自律走行や人工知能(AI)などの技術のコラボレーションのために誕生した。

    現代クレイドルを率いるジョン・ソ所長(常務・写真)は7日(現地時間)、米国カリフォルニア州オレンジ郡に位置する現代モーター・アメリカ(HMA)で開かれた記者懇談会で、「シリコンバレーの革新企業を発掘して投資し、これらの技術は現代・起亜自動車の未来の車に採用されるようにしている」と説明した。

    現代自動車グループは昨年、戦略技術本部を設立してオープンイノベーションの大きな見取り図を描いた。これによって、昨年は現代ベンチャーズという名前で運営されていたベンチャー投資会社が現代クレイドルに拡大した。今年の第1四半期には、イスラエルのテルアビブと韓国に新規の革新拠点をオープンする。イスラエルは地元の名門大学であるテクニオン工大と、韓国はKAISTなどとコラボレーションすることになる。韓国の場合は、社内ベンチャー育成投資チームである現代ベンチャープラザを拡大改編する形態だ。

    さらに中国の北京では今年の第2四半期に、独ベルリンは第4四半期にオープンイノベーションセンターを追加する。北京は上海や深センとともに、中国のスタートアップ展開を主導するところで、中国最大のインターネット企業である百度も2000年に北京のスタートアップとして始まった。ベルリンは最近、パリとともにヨーロッパ最大のスタートアップ都市に選ばれている。自動車産業が強いドイツの特性上、未来自動車の技術を研究しているスタートアップが多いことが特徴だ。

    ジョン・ソ所長は、「イスラエルは自律走行、中国は現地企業との新事業発掘、ベルリンはスマートシティに集中する計画」だとし、「韓国とシリコンバレーの現代クレイドルは、これを包括するより大きな概念で動く予定だ」と説明した。

    世界金融危機の後、多くの自動車メーカーがオープンイノベーションに積極的に飛び込んだことを勘案すれば、現代自動車グループの試みはやや遅い感がある。保守的な日本のトヨタでさえもベンチャーキャピタルの機能を越えて、未来車の研究開発(R&D)でハブ機能をするトヨタリサーチ・インスティチュート(TRI)を2016年の初めにシリコンバレーに設立し、自律走行車の核心であるAI技術を研究している。研究員だけでも現在1500人に達し、2021年までに総10億ドルが投資される。最近、現代自動車グループがより積極的な歩みを続けていくのもこのためだ。

    現代自動車は現代クレイドルが投資したAI音声認識会社のサウンドハウンド社と協業し、来年には「インテリジェント個人秘書」機能を車両に搭載する予定だ。各種インフォテインメントシステムの操作は、これからは音声で可能になる見通しだ。また、電気自動車カーのシェアリング会社であるウェーブカーはアイオニックEVモデルを利用して、ロサンゼルス近くのサンタモニカ地域を中心に共同事業を進めているが、今後はこれをさらに拡大する計画だ。

    ジョン・ソ所長は「未来のスタートアップは単純な投資だけでなく、買収・合併(M&A)まで幅広く検討している」とし、「新しい技術や新しいビジネスを創出できる領域に能力全体の大部分を集中している」と強調した。
  • [毎日経済_オレンジカウンティ(カリフォルニア州)=イ・スンフン記者] | 入力 2018-01-08 18:19:17