記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
コラム > オピニオン

[コラム] 王様のように振舞おうとしてカモになる

  • 消費者は王様なのか?それとも*カモか。

    消費者と関連したアンケート調査を見ている時に、過去のお話一つを思い出した。若干、成人向けの雰囲気だが果敢に紹介する。

    清明な秋の日、朝鮮時代に王様の寝室を担当していた大殿別監(テジョンピョルガム)が戸曹判書(ホジョパンソ)を訪ねた。戸曹は国の物資を管理していた部署だ。

    大殿別監は、きまり悪そうに
    「『女は春に寂しくなり男は秋に寂しくなる』と言うじゃないですか…」
    「それがどうかしましたか?」
    「この頃、殿下の共寝が思わしくないようです。それで、できれば海狗腎を準備できないかと思いまして。オットセイのあそこが最高の補薬だと聞きました」
    「内医院(ネイウォン)に聞いてみるのはどうでしょう」
    「内医院には小さなものが、一つしかないそうです」
    「いくつ必要なのですか?」
    「3つか4つくらい欲しいです」
    「確認してみます」
    確認してみるとは言ったが、不安で仕方がなかった。もしかすると官職を辞めさせられるかもしれないという心配で寝られなくなってしまったのだ。
    戸曹判書は、領議政(ヨンウィジョン)の元へに走って行き一部始終を話して、直ちに咸鏡道(ハムギョンド)の観察使に海狗腎を準備して送るように指示してほしいと頼んだ。
    その時、領議政と自分のもの、それぞれ一個ずつ追加して6個を注文した。
    咸鏡道の観察使と村長を経て、咸鏡道の海辺に住む漁師に直ちにオットセイを捕まえて海狗腎を10個、準備しろと厳しく言われた。

    漁村は突然、大騷ぎになった。
    オットセイ?見た人もいないのに一体どこで捕まえればいいのだろうか。うわさを便りに探したあげく遠く離れた島にオットセイを見たという知らせが入ってきた。
    うらさびしい冬の海に船を出して島に行きオットセイを捕まえることはできたが、睾丸がついた雄はたったの一匹。残りの9匹はそもそもどこで探せばいいんだ。漁師は役所に引きずられて行き、鞭で打たれるだろうと心配になり寝込んでしまった。

    男の悩みを解決してくれる人はやはり妻だ。
    頭を抱えて苦しむ漁師を見て妻が「そんなことで、どうして悩むの?」と責め立てた。
    「それじゃ、お前が雄のオットセイを9匹、捕まえてこい!」
    夫が怒鳴ると妻は解決策を話した。
    自分の目にはオットセイのあそこも、その辺の犬のあそこも似ているように見えるというのだ。どうせオットセイをまるごと捧げるわけじゃないから、犬を捕まえて海狗腎だと言い張れば誰にもバレないという意味だ。

    次の日、村をうろついて食べ物を探していた犬がとばっちりを受けた。しかし、犬を捕まえてみたところ、犬とオットセイの生殖器が少し違って見えたのだ。また、いいアイディアを思いついた。犬をもう一匹を捕まえて、10個を統一させたのだ。

    漁師が捧げた偽物の海狗腎は村長、観察使、戸曹判書、大殿別監を経て王様の食卓に出された。順序を踏んで県監、観察使、戸曹判書、領議政も偽物を一つずつ手に入れたことは、言わなくても分かるだろう。

    王様に何が分かりますか?
    「この頃、殿下が少し気力がないように見えたので、私が勝手に準備しました」とう大殿別監の話を聞いて、「そんなことまで気にしなくていいのに」とほほ笑んだだろう。

    王様は何も知りません。
    消費者が王様のように振舞おうとすれば、同じようにとばっちりを受ける可能性が高い。
    王様よりは消費者の権益をしっかり守っているのか目を見開いて見張る官吏にならなければならない。

    * とても単純で利用しやすい人。カモのような消費者はカモ客と称する。
  • Lim, Chul | 入力 2018-12-11 00:00:00