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[コラム] 夢を忘れた小市民が頼る場所
- 名節（秋夕）に思い浮かぶ人がいたので、プレゼントをいくつか買ったら、ショッピングバッグがかなり重い。
両手に分けて持たなければならない状況なので、地下鉄に乗るつもりだったが諦めてタクシー乗り場へ向かった。
エスカレーターに乗って、大通り沿いに出てみたら、目の前に空車のタクシーが一台、止まっていた。
とてもうれしかったので、すぐにドアを開けた。
あれ？タクシーの運転手が乗っていなかったのだ。
トイレに行きたくて、地下鉄の前に車を止めてから近くの建物に入ったのだろうと思って、待つかどうか躊躇していると、近くから声が聞こえた。
「すぐ戻るので、乗っててください」
タクシーの運転手が目の前にいたのだ。
何をしているのかと思い、見たら宝くじを買っていた。Lotto（ロット）のことだ。区役所で庶民のために大通り沿いに設置を許可した宝くじ売り場の前に、人々が並んで立っている姿が見えた。
2分くらい経っただろうか、タクシーの運転手が慌てて戻ってきて、長い間待たせてすまないと丁寧に謝罪した。
「あそこは、明堂（よく当たる場所）のようですね？」
「そうです、1等の当選者が11人も出た場所なんです」
「たくさん、買いましたか？」
「僕は暇つぶしで買ってるだけなので、5000ウォン分だけ買います。たくさん買う人は一度に10万ウォン以上も買うそうです」
「毎週、買うということは、幸運の番号などがあるようですね」
「そんなものありません、機械が選んでくれる通りに買うだけです。だから明堂と言われるんです」
1等2等を合わせて40人近い人に一攫千金の夢を実現させてくれたから、福を与えてくれる店という言葉が過言とは思わない。宝くじの当選者だけだろうか。明堂の主人も恵まれた人だ。1人当たり平均1万ウォン分買っとして購入する人を500人程度で予測すれば、1日の平均売上高は500万ウォンだ。1か月に20日だけ営業をしても売上が1億を超えるだろう。その辺の中小企業よりいい額だ。
どこにあるかって？
蚕室（チャムシル）駅の8番出口。まあ、秘密でもない。宝くじ売り場の主人が「明堂」と噂しているため、秘密にできるはずがない。
蚕室の宝くじ売り場は、宝くじ名所10位圏にも入っていない。
1位は、ソウル蘆原区（ノウォング）上渓洞（サンゲドン）住公10団地総合商店街にある。今年の7月まで1等と2等の当選者をなんと140回も輩出した名所の中の名所だ。
宝くじの名所を訪れる人は、普通の人々だ。
子供をおんぶした若い奥さん、素敵なお嬢さん、コンビニで買ったラーメンの袋を持って列に合流した就活生、退屈しのぎと遠まわしに言って、名所の近くを通るたびに財布から5000ウォンを取り出すタクシーの運転手、近くの駐車場にピカピカと輝くベンツを止めて宝くじ売り場の前をうろつく中小企業の社長、基礎年金を持ってきたおじいさん。
名所で宝くじを買って、どんな夢を見るのだろうか？
大金を手に入れたら、大変な仕事を辞めてハワイに遊びに行くことを想像しているのだろうか？
借金を抱えた会社を救い出し、世界の一流企業に跳躍すると構想している人もいるだろう。
宝くじを買う心の片隅に、そんな夢を抱いているのはいいことだ。
いや、夢を叶えるのに宝くじは必要じゃないだろう。
しかし、仕方がない。この地に住む大半の小市民にとって宝くじは、唯一の夢であり楽しみだからだ。
参考までにソウルの宝くじ売り場の名所を10か所、紹介しよう。通り過ぎることがあれば、暇つぶしに一度、寄ってみてください。
1. ソウル蘆原区上渓洞666-3の住公10団地総合商店街111、スパ
2. ソウル鍾路区（チョンノグ）鍾路5街58番地、平昌ビル1階103号、ジェイ宝くじ売り場
3. ソウル東大門区（トンデムング）典農洞（チョンノンドン）620-69~清凉里駅（チョンヤンリ）4番出口、宝くじ売り場、総合売り場
4. ソウル松坡区（ソンパグ）新川洞（シンチョンドン）7-18、蚕室駅8番出口、宝くじ売り場、蚕室売店
5. ソウル城北区（ソンブクク）下月谷洞（ハウォルゴクドン）37-18、栄光情報通信
6. ソウル瑞草区盤浦洞（バンポドン）19-3、セントラルシティー100号売店、オーケー商事
7. ソウル松坡区風納洞（プンナプドン）の480、トークン販売所
8. ソウル江西区傍花洞（バンファドン）484-23、ミナ食品
9. ソウル鍾路区昌信洞（チャンシンドン）302-5、ノダジ宝くじ売り場
10. ソウル恩平区（ウンピョング）葛峴洞（カルヒョンドン）398-1、波乱万丈宝くじ売り場 - Lim, Chul | 入力 2019-09-10 00:00:00
