ハングル：젠더폭력

ハングル発音：チェンドポンリョク

意味：特定の性に対する嫌悪感を持って行われる身体的、精神的、性的な暴力

解説：女性を攻撃する女性暴力、男性を敵だと考える男性暴力、少数性を持った性的少数者への暴力がある。代表的な形態はセクハラ、性的な嫌がらせ、強姦などの性暴力と家庭内暴力があり、性売買もジェンダー暴力のカテゴリに含まれる。

ずいぶんと前のことだが、こんな事件が起こった。片思いしていた少女（当時17歳）を誘い出し強制的に辱めた青年（17歳）が拘束起訴され1審で懲役を宣告されたものの控訴して高裁に事件が移された。ところが、判事が妙な意見を出した。「何をそんなに騒いでいるんだ。どうせ捨てた体なのだから、2人を結んであげるべきだろう」という意見だった。裁判官は両家の両親を説得して法廷で婚約まで行わせた。

新聞（サンデーソウル1973年5月20日）が、この事件を伝えているが少女も心から婚約を願っていたのかは分からない状態だ。

おそらく今日、裁判官が同じことをしたら「狂ったやつ」と非難されていたことだろう。

ジェンダー暴力は性に対する社会の雰囲気、性別間の関係により直接的な影響を受ける。メディアや国家機関でさえ加害者の側に立つことがある。このためジェンダー暴力の被害者の尊厳がまったく無視される場合もある。

2004年、慶南密陽で高校生に集団暴行を受けた女子中学生は捜査警察官から「お前が故郷の水を濁した」という暴言を聞かなければならなかった。警察は被害者の身元をメディアに露出し、刑事課の事務所で被疑者と被害者を直接対面させる蛮行を犯した。

ジェンダー暴力は1993年にUN総会宣言で最初に言及された。UNはジェンダー暴力を女性に対する暴力と命名して、その年の12月12日に総会で満場一致で「女性に対する暴力撤廃宣言」を採択した。

性少数者や男性もジェンダー暴力の犠牲になるが通常、女性が経験する社会的不合理と苦痛に焦点が合わせられる理由もここにある。ただし、一部の極端なフェミニストたちが単純な女性嫌悪ですらジェンダー暴力と規定しようとするのは無理があるとの指摘もある。