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13年ぶりに外貨建債券の償還を延期 韓国企業の海外資金調達に懸念


レゴランド問題でパニックに陥った韓国の債券市場が辛うじて安定を取り戻そうとする状況のなか、今回は外貨建債券(コリアンペーパー)に非常事態が発生した。興国生命がハイブリッド証券(永久債)の早期償還コールオプションを行使しないことにし、コリアンペーパー市場に「冷水」を浴びせたと評価されている。

興国生命は1日、グローバル投資家を相手に2017年に発行した5億ドル(約7000億ウォン)規模の永久債に対して9日に予定されていた早期償還権(コールオプション)を行使しないことに決めたと公示した。興国生命が先月末、国内外の資金市場の不安により3億ドル規模の永久債の借換え発行計画を延期したことによる後続措置だ。韓国の金融機関が発行した外貨建債券に対して早期償還権を行使しなかったのは2009年2月以来13年ぶりのことだ。金融危機直後だった当時、ウリィ銀行は10年満期の劣後債(4億ドル)に対してコールオプションを行使しなかった。

永久債は文字通り満期が理論上では永久的だ。毎年利子だけきちんと支給すれば無限大に満期を延ばすことができる。債券と資本の中間の性格を持ち、ハイブリッド証券と呼ばれる。

しかし、永久債は通常、発行後5年以内に発行会社がコールオプションを行使し投資家に元金を返す。コールオプションを行使しない場合、発行会社は投資家に既存よりさらに高い金利を提供しなければならないペナルティがある。興国生命は今回の決定で永久債投資家に支給する利子が年4.475%から年6.742%に跳ね上がることになる。

利子支給額の増加よりさらに大きな問題は、投資家の信頼度が落ちるという点だ。韓国の金融機関のある債券担当者は2日「永久債の投資家は満期を「永久」ではなく5年と勘案して該当の債券に投資したもの」とし「投資資金が予想より長く縛られる予想できなかったリスクが発生しただけに、今後、興国生命だけでなく国内金融機関発行の永久債に対して投資家が要求する金利は高くなるだろう」と伝えた。

13年ぶりの「コールオプションリスク」再発により永久債だけでなくコリアンペーパー全般に対する市場の信頼度が大幅に低下するだろうという懸念もある。結局、発行会社の海外調達費用は増加するだろう。ある証券会社の副社長は「主要金融持株会社、銀行、証券会社が海外投資家を対象にしたハイブリッド証券を発行しているため、今回の事件を注視している」として「ステップアップ(金利引き上げ)を選んだのは借換えの道が閉ざされたことの傍証だが、グローバル投資家に国内市場の状況が不安定だと広報するようなもの」と批判した。

これに対して興国生命の関係者は「永久債の借換え発行をせずに自主資金で償還する場合の損害があまりにも大きいため、投資家に追加金利を提供して市場状況が良くなる時までコールオプションの行使を延期したもの」とし「ヨーロッパ金融圏でも先月似たような理由でコールオプション行使を延期した事例があり、資本の健全性には全く問題がない」と説明した。興国生命の今年第2四半期(4月-6月)末基準の支給余力(RBC)比率は、政府勧告値を上回る158%だ。

金融委員会、企画財政部、金融監督院は今回の興国生命の早期未償還件を事前に認知して利害関係者と疎通してきており、今後の市場状況のモニタリングを強化するという立場だ。
  • ハン・ウラム記者、チョ・ユンヒ記者、シン・チャンオク記者
  • 入力 2022-11-02 18:05:00




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