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カルチャー > カルチャー > シャネルの広告を外して「この映像」に…通行人が足を止める自撮りの人気スポットに
昨年より4倍も多い再生回数、82万回。新世界百貨店が先月からソウル市中区の本店で披露しているメディア・ファサード映像の話だ。年末の雰囲気が漂う外観へと生まれ変わった新世界百貨店本店のメディア・ファサードが20代と30代の消費者の間で「自撮りの人気スポット」として旋風的な人気を集めている。
20日、新世界百貨店によると、会社側はこれまで7年間、建物の外壁にLED照明を利用してコンテンツ映像を投射するメディア・ファサードを披露してきた。しかし今年の雰囲気はさらに格別だ。道行く市民たちは建物の外壁に3分ほどの映像が映し出されると誰もが足を止めて撮影するのに忙しくなる。退勤時間には百貨店の噴水の周辺と道を挟んで向かいにある中央郵便局の前に人々が群を成す。
来年1月21日まで披露される「マジカル・ホリデー」というテーマのこの企画はクリスマスと新年など年末の雰囲気をリードする新しいフォトゾーンとして話題を集めている。
今年のメディア・ファサードを企画した新世界百貨店のVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)チーム所属のユ・ナヨン部長は「昨年まで左右に配置していたシャネルなどのブランド広告まですべて外して「サーカス」をコンセプトに華やかな映像を披露して臨場感を高めた」とし「インスタグラムやユーチューブに投稿された写真が多いが、ユーチューブでは昨年に企画したコンテンツより4倍ほどの熱い反応が確認されている」と説明した。
今年のデザインは2017年に公開された映画『グレイテスト・ショーマン』からインスピレーションを得たという。ユ・ナヨン部長は「個人的にサーカスをテーマにしたある映画を見て深く感動し、胸がいっぱいになった。そんな感動を年末に顧客に伝えられたらと考えた」と説明した。サーカス以外にも5つのコンセプト試案を作ったが、最終的に選択されたのがサーカスだった。プロジェクトは1年ものの企画で、コンセプトは2月から悩んだ。7月には試案を最終的に確認してもらい、制作をスタートさせた。ユ部長は「春にはストーリーを練らないといけない。今年はサーカスショーの細かい流れとエンディングまでのストーリーを作り、ストーリーに合うビジュアルシーンを探すもの」と話した。続いてユ部長は「それぞれのシーンの内容が決まったら映像業者を探して絵を描いて、そして映像化するモーション作業をする。この作業が終わったら音楽監督を探して音楽を作る」と説明した。
最後の作業が終わったら実際に外観に映してみて確認する。このとき、通行人が最も少ない時間である真夜中を選択してデモを行ってみるという。ユ部長は「11月にショーを始める2週間前には最終作業を行う。夜12時が過ぎた人のいない時間に最終テストを行いながら映像と音楽が上手く表現されるのか確認する」と話した。新世界百貨店はメディア・ファサードの企画が社会貢献の一環だと話す。基本的に収益モデルではないという話だ。会社側は「ソウルの代表的なトレンドマークとして本店の空間を活用して顧客に温かい年末の雰囲気を届けようというのがメディア・ファサードの企画のメインとなる理由だ」と話した。