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コリアナウ > Korea Now > 香港のオークション市場、韓国の抽象画に注目
イ・ウンノ『人』
香港のオークション市場に「異変」が起きた。しばらくの間、世界の美術市場を揺るがした中国の「四天王」張曉剛、曾梵志、方力鈞、岳敏君 らの作品が11月の香港オークションウィークのイブニングセールで消えた。 2011年5月に香港サザビーズのオークションで張曉剛作品『永遠の愛』が113億ウォンで売れたことに続き、2013年には米サザビーズのオークションで曾梵志の作品『最後の晩餐』が250億ウォンで落札され、中国の4天王はブルーチップ作家として確固たる地位を固めた。しかし世界の人々の幅広い共感を得られず、たんに中国資本の力で育てた価格バブルという批判も少なくなかった。 2014年、中国政府の反腐敗政策で美術品投資が萎縮しつつ、4天王の画の価格もともに下り始めた。 これらの空席を韓国の抽象画が満たしている。今回の香港オークションウィークで、アジアの現代美術作品数のうちで韓国作品の占める割合は65%に達している。金額的には36%を占めている。これまで香港オークションで落札額10億ウォンを超えた韓国作家は金煥基(キム・ファンギ、1913~1974)、李禹煥(イ・ウファン、81)、朴栖甫(パク・ソボ、86)、鄭相和(チョン・サンファ、85)などたった4人に過ぎないほど低評価された側面があり、今回の価値上昇を期待してしている。 クリスティ香港は25日のイブニングセールに、単色画の大家パク・ソボ、ユン・ヒョングン(1928~2007)、チョン・サンファの作品を出品する。 2015年に「10億ウォンクラブ」に加入したパク・ソボの1970年代初期の描法シリーズ『No. 11-78』は今回も10億ウォン以上で落札されると予想される。すべてがろ過され集積された、凝縮の世界を見せてくれる大作だ。 高度の集中力と根気で無数の方形空間を作り出したチョン・サンファの『無題85-8-9』は、推定価格2億8000万ウォンが出るだろう。ダークブラウン(Burnt Umber)と群青(ultra-marine blue)の濃淡の斑点で、大胆さと崇高さを示すユン・ヒョングンの1992年作『ブラントアンバー&ウルトラマリンブルー』の推定価格は1億4000万ウォン以上だ。金煥基『モーニングスター』
フィリップス香港は26日のイブニングセールで李禹煥、チョン・サンファ、「水滴作家」キム・チャンヨル(88)のほか、オ・スファン(71)をデビューさせる。西洋の華やかな色味の使用と東洋的な筆のタッチで「書体的な抽象画」を成し遂げたオ・スファンの『谷神』の推定価格は4300万ウォンだ。 ソウルオークションは総100点、240億ウォン規模の作品を持って香港に行く。 58点の578億ウォン規模の競売に付けるクリスティに続いて2番めだ。ソウルオークションは26日のイブニングセールで金煥基、李禹煥、チョン・サンファ、パク・ソボ、ハ・ジジョンヒョンのほかに、韓国の次世代現代美術作家キム・テクサン、イ・イニョン、チャン・スンテクらの作品を打ち出す。青を基調とし自然素材を配列した金煥基の1964作『モーニングスター』は、香港オークションに初めて出す半抽象画だ。韓国的な抒情主義を西欧モダニズムに接ぎ木した作家は、1964年から1974年までニューヨークに滞在し、抽象を通じて自然との合一を追求した。 李禹煥の風シリーズは推定価格10億~15億ウォン。 1970年代の「点から」「線から」シリーズに続き、1980年代に「風」シリーズに移行したが、垂直構成から抜け出してより自由で力学的な秩序に移行していき始めた。去る3月、香港オークションで風シリーズは最高価格の17億ウォンで取り引きされている。 独創的な手法と素材として注目された、次世代の単色の期待の星キム・テクサン、イ・イニョン、チャン・スンテクなどの作品も出品される。 澄んで透明な色彩が引き立つキム・テクサンの『Rings of Time』のオークション推定価格は3600万~5000万ウォン。絵画の平面的な形態特性を守りながらも、キャンバスフレームの変形を図ったイ・イニョンの『絵画の地層』は推定3400万~5000万ウォン。筆とキャンバスから抜け出して、さまざまな材料の実験を進めてきたチャン・スンテクの出品作『フローティングサークルズ40(set of 4)』は推定価格3000万~4300万ウォンだ。海外美術品としてはシャガールの作品『Le Souvenir Bleu』を出品する。パリの上を飛びながら未知の世界に行くような新郎と新婦の姿が描かれた作品で、推定価格は11億5000万~17億ウォンだ。
毎日経済 チョン・ジヒョン記者 | (C) mk.co.kr
入力 2017-11-16 19:06:33