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テクノロジー > サムスン電子社内ベンチャー、コロナ判読ソリューションを開発
サムスン電子は「コロナ19」迅速診断キッドの分析精度と利便性を大幅に改善する技術を考案し、別途にスタートアップ(新興企業)として分社した。
14日のサムスン電子によると、サムスン電子医療機器事業部の専門家らが集まって設立した「ディアビジョン(DiaVision)」は、スマートフォンのカメラと画像解析技術を活用した「コロナ19迅速診断キット」の読み取りソリューションを開発した。サムスン電子はディアビジョンを含む5つの企業を社内ベンチャー育成プログラムCラボインサイドの下半期優秀課題として選定し、これらの創業を支援する。
これまでコロナ19迅速診断キットは結果がはっきりと表示されず、肉眼で正確に判別するのは難しい点が問題として指摘されてきた。
ディアビジョンはスマートフォンのカメラと、独自に開発した画像解析技術を活用して問題を解決した。デジタル信号処理技術で撮影した画像のウイルス量を数値化し、陽性かどうかを教えてくれる。
ディアビジョンは「専門家の目視判定と、独自ソリューションの間の一致率は98%に達している」とし、「セルフ検査や非専門家の簡易検査よりも精度が大幅に高いため、現場で活用するところに大きな助けとなると期待されている」と明らかにした。
ディアビジョンのソリューションはコロナ19の診断だけでなく、ワクチン接種後の抗体生成の可否を確認する中和抗体診断キットにも適用できる。インフルエンザや代謝性疾患など、迅速診断キットを使用しているすべての検査に拡張が可能であることも利点だ。
今回のソリューションの開発は、昨年4月にサムスン電子のチェ・ユンホ経営支援室長(社長)が主管した「コロナ19克服のための従業員大討論会」で提案されたアイデアのひとつであった。
自社の技術を活用してコロナ19の克服に恩恵をもたらすことができるアイデアを募集したところ、なんと1620件もの企画案があふれ、ディアビジョンのソリューションが最終的に選択された。ディアビジョンはCラボプログラムを通じて、創業支援金と法務・税務などのサービス運営のための実務指導を受けることになる。
サムスン電子はこのようなCラボのスピンオフ(分社)制度を通じて、恐れることなく挑戦する文化を拡散させている。
初期の事業資金と創業支援金を提供することはもちろん、分社後の5年以内に再入社のチャンスを与えている。今回の5つのスタートアップを含め、2015年から現在までに199人が独立して57社のスタートアップを設立した。
これらのスタートアップが外部から価値を認められ、その後に投資を誘致した金額は総1000億ウォンを超える。スタートアップの生存率は、国内の平均レベルをはるかに飛び越える。国内スタートアップの3年目の平均生存率は41.5%だが、Cラボで分社したスタートアップの3年目の生存率は98%に達している。
今回のCラボの課題にはディアビジョンとともに無人スマート売店革新ソリューションの「チーズエイド(Cheeseade)」、動作認識技術をベースにした人工知能(AI)ダンスゲームプラットフォーム「グースラボ(GOOSE LAB)」、ホームブリューイング・ソリューションを作った「ブーズ・アンド・バズ(Booze&Buzz)」、個人特化型足歩行制作ソリューションを開発した「ロゴス・バイオエレクトロニクス(Logos Bioelectronics)」も最終的に選定された。
ブーズ・アンド・バズは自宅で酒を仕込む機器で勝負に乗り出す予定だ。醸造にかかる時間は7日以内で、ビールとマッコリやスパークリングワイン、蜂蜜酒などのさまざまな酒類を作ることができる。材料のキットを一緒に提供するために、専門知識のない一般の人でも簡単に「ホームブリューイング」に挑戦することができるという説明だ。
チーズエイドは店舗内のキオスクや照明に簡単に取り付けることができる可視光通信(LiFi)送信装置を活用して、無人の店舗を運営することが可能になる。消費者が店頭でスマートフォンアプリを動作させると製品情報を確認することができるし、注文も可能だ。
チェ室長は「失敗を恐れず果敢に挑戦することに大きな拍手を送る」とし、「Cラボを足場に将来は私たちの生活を変化させる革新的なスタートアップになることを期待している」と語った。