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テクノロジー > IT・科学 > EVリレー市場が急成長 LSイーモビリティソリューション「2030年売上1兆ウォンが目標」
聴覚が鋭い人であれば電気自動車(EV)を始動させると車体の下のほうから小さく「カチッ」と音がするのを聞くことができる。電気自動車バッテリーの横に設置されたEVリレーが作動する音だ。
EVリレーは電気自動車に使用される継電器で、バッテリーの電流を他の部品に供給・遮断する役割を果たす。運転者が始動させると電気自動車バッテリー管理システム(BMS)がリレーに電源供給の信号を送る。このときリレー内部に形成された磁場が銅素材の小さな金属板(可動接点)を押し上げる。可動接点がリレー上部にある銅素材の固定接点に接しながらバッテリーに蓄えられた電気エネルギーを駆動モータに伝達する。逆に停止させると金属板が金属の接点から離れ、電流が遮断される。バッテリーが電気自動車の「心臓」であるとすれば、リレーは「弁膜」に相当する。
去る3日に訪問したLSイーモビリティソリューション(LS e-Mobility Solutions)清州(チョンジュ)工場のEVリレー生産ラインではリレーの完成品が17秒に1個ずつ生産されていた。コンベヤベルトに沿って組み立て・加工・検査を経てリレーは黒い箱状へと作られる。製品内部には電源が入ったときに磁場を発生させるコイル、可動接点と固定接点が離れると発生するアークプラズマを引き寄せる電磁石、アークプラズマを素早く散らす水素混合ガスなどが入っている。
LSイーモビリティソリューションは4月、LSエレクトリック(LS ELECTRIC)から物的に分割されたEVリレー専門企業だ。LSエレクトリックは2005年、現代自動車と手を組んでリレー開発に着手し、2007年自動車電装組織を新設しながら事業を本格化させた。2009年、現代自動車への納品を開始した後、GM、ルノー、ダイムラー、フォルクスワーゲン、ボルボ、ポルシェなど全世界の完成車メーカーから受注を獲得した。今年は忠清北道の清州にリレー生産工場を竣工してから10年目になる。中国江蘇省無錫市でもリレー生産ラインを稼動している。
毎日経済新聞
電気自動車の普及速度が速まり、リレー市場も急成長している。LSイーモビリティソリューションによると、世界のリレー市場規模は今年の1兆8700億ウォン(約1870億円)から2030年には7兆3100億ウォン(約7310億円)へと年平均18.6%成長すると予想される。昨年、売上608億ウォン(約60億8000万円)を記録したLSイーモビリティソリューションは2030年には年間売上1兆ウォン(約1000億円)を超すという遠大な目標を立てた。
自動車・重装備・電力貯蔵装置(ESS)などバッテリー基盤の製品が増える傾向に合わせてリレーの供給を増やし、バッテリー遮断ユニット(BDU)など高付加価値製品で収益性を高めるという構想だ。BDUはリレーと電流センサー、ヒューズなどを組み合わせた製品で、リレー単品に比べて価格が10倍ほど高い。LSイモビリティソリューションのキム・ウォンイル代表(写真)は「現地化戦略を通じて2030年に売上1兆1000億ウォンを達成する」とし「EVリレー市場が大きくなると新規参入企業が増えて競争が激しくなる可能性もあるが、LSイーモビリティソリューションはスマートBDU 、半導体リレーなど未来の新産業を育成していく」と説明した。