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韓、造船とバッテリー企業に衝撃…露・ウクライナ危機で急騰


世界3位の原油輸出国であり、最大の天然ガス輸出国であるロシアと世界3大穀倉地帯を保有するウクライナ間の戦争勃発の可能性が大きくなり、主要原材料と穀物価格がいっせいに跳ね上がっている。コロナ19パンデミックの余波に打ち勝って、徐々に回復傾向に入ると予想された韓国経済にも、また冷水を浴びせるのではないかという懸念が出ている。企業は短期的なコスト上昇の負担に直面し、事態が長期化すれば消費者物価にまで直接影響をおよぼす可能性を排除できない。

21日の韓国鉱害鉱業公団(KOMIR)の資源情報サービスによると、去る18日の国際原油価格(北海産ブレント油基準)は7年来で最高水準のバレル当たり93.54ドルで取引きされた。これはロシアの大規模兵力が黒海とウクライナ国境地帯に集結したというニュースが出た昨年11月初め(82.74ドル)との比較で13%急騰した水準だ。

今月初めに主要産油国協議体である石油輸出国機構プラス(OPEC+)が、来月にも1日40万バレルずつ原油を増産することに合意したというニュースを発表したが、原油価格の急上昇は止められないでいる。国内の原油導入量のうちでロシア産の輸入比率は4~5%に過ぎないが、国内精油業界では油価と精製マージンの急変可能性に注目している。一部では戦争勃発時には国際原油価格はバレル当たり120ドル以上に跳ね上がるだろうという展望を出しているからだ。

この日、韓国石油公社の油価情報サイト「オーピネット(Opinet)」によると、ソウル地域のガソリン平均価格は油類税引き下げ措置が施行された昨年11月12日以降の14週ぶりに1800ウォンを超えた。

冷暖房燃料として使われるだけでなく、化学製品・ガラス・紙の加工などに使われる天然ガスの価格もやはり跳ね上がっている。オランダのTTF取引所の天然ガス先物価格は、19日の時点でメガワット時(MWh)当たり74.9ユーロを記録した。ロシアが「ヤマル・ヨーロッパパイプライン管(YEP)」を通じたヨーロッパへの天然ガス供給を中断した昨年末と比べると部分的には安定したが、依然として1年前と比べると倍以上も高い価格だ。韓国はカタールと豪州や米国などから主に液化天然ガス(LNG)を輸入しているが、最近は欧州連合(EU)の支援要請で当局が苦心を重ねていることが伝えられた。

鉄鋼やアルミニウムにニッケルなど、主要原材料の価格も高空行進中だ。鉄鉱石の価格は昨年11月上旬の1トン当たり98.11ドルから、今年2月18日には138.05ドルで40%以上も急騰した。同じ期間に二次電池バッテリーの核心素材である陽極材原料のニッケルとアルミの価格もそれぞれ24.6%と22.1%も上昇した。

産業界では鉄鉱石の価格引き上げの余波が、造船業界と完成車業界そして家電業界にまで拡散するかに注目している。実際にポスコや現代製鉄など国内の鉄鋼各企業は、昨年のコスト上昇などを理由に自動車用の鋼板価格を2度引き上げた。高炉を保有した主要鉄鋼企業は鉄鋼石とともに、石炭価格の引き上げも懸念している。昨年の有・無煙炭の導入物量のうちでロシア産が占める割合はそれぞれ16%と41%と集計された。

特に半導体の必須素材であるネオンとパラジウム、二次電池の核心素材であるニッケルとアルミニウムなどもロシア発の原材料ショックから逃れられないと予想される。半導体を作るレーザーの核心素材であるネオンは、ウクライナ産の比重が中国に次いで2位(23%)を占めている。センサーとメモリ半導体を製造する際に使われるパラジウムは輸入の比率は3.4%に過ぎないが、ロシアが世界のパラジウム市場の40%以上を占めており、価格が急騰する可能性が高い。

ニッケルとアルミニウム市場でロシアが占める割合はそれぞれ6.1%(5位)、5.6%(3位)に達する。ニッケルとアルミニウムは、二次電池バッテリーの4つの要素である正極材を製作するのに使われる。バッテリー素材メーカーの関係者は「ニッケルはインドネシアやフィリピン、オーストラリアなどが世界的に埋蔵量が豊富だが、一部の企業が生産を独占しており、取引価格が上がっている」と説明した。

一方、小麦とトウモロコシを主原料として製品を作る製菓・製パンメーカーも事態を鋭意注視している。ウクライナ産の輸入量は微小だが、緊張事態が長期化すれば急激に上昇する穀物価格をさらに押し上げる変数になるからだ。市場調査会社のトレーディングエコノミックスによると今月18日、国際トウモロコシの取引き価格はブシェル(bu)当たり654.5ドルで、昨年11月初めに比べて13.2%増加したと集計された。

SPCサムリプ社の関係者は「今回の事態の影響を受ける可能性のある原料群を分析した後、十分な供給量を確保したり、代替栽培地を確保するために注視している」とした。三養(サミャン)食品の関係者は「クリミア半島の事態による直接的な影響は2~3ヶ月後から現れると見込まれる」とし、「サミャン食品は米国と豪州の穀物を使用しているが、特異事項の発生時には価格の急騰や在庫確保に困難が発生する可能性があり、見守っている」と語った。 CJ第一製糖の関係者は「ウクライナから直接輸入する穀物類はほとんどないと把握され、すぐの打撃は大きくないと見られる」としながらも、「世界の穀物価格の変動状況に触覚をとがらせている」と説明した。
  • 毎日経済 | パク・ユング記者/チン・ヨンファ記者
  • 入力 2022-02-22 09:40:34




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