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コラム > 韓カカオ金範洙氏、議長職から退く…海外攻略の前面に登壇
金範洙(キム・ボムス)カカオ理事会議長が議長職から退く。 2007年にカカオの前身であるアイウィラボ(IWILAB)を創業した後、ずっと理事会議長を務めて14年ぶりだ。カカオの最優先課題である海外事業に集中するという破格の変身だ。日本市場を前進基地とし、既存の国内中心事業を海外向きに再編し、メタバースとブロックチェーンそして代替不可トークンの「M・B・N」による新事業を前面に出し、海外領土を本格的に広げるという青写真も出した。李海珍(イ・ヘヂン)ネイバーグローバル投資責任者(GIO)に続き、キム議長までが海外市場にオールインしながら、国内の二大プラットフォーム企業の世界化が今年から加速する見通しだ。
キム議長は14日、役職員に送ったメッセージで「今後はナム・グンフン代表内定者がビヨンド・モバイルのためにメタバースなど新たな領域を開拓する作業を主導し、私はカカオ理事会議長から降りて、ビヨンド・コリアのためのカカオ共同体のグローバル拡張に業務の中心を移動することにした」と明らかにした。
海外攻略の核心的な橋頭保は日本とした。日本はウェブトゥーン市場の後発ランナーだったカカオピッコマがネイバーと現地の競合他社をすべて抜き、毎年売上げを2倍以上増やして1位を獲得した国だ。ピッコマは余勢を駆って東南アジアに進出し、欧州と米国市場の攻略も秒読みに入った。情報技術(IT)業界では国内テック企業の海外進出成功モデルにあげられる。
カカオの関係者は「キム議長が2017年からカカオピッコマの社内取締役を務め、韓国と日本を行き来して事業に参与してきた」とし、「これまで個別戦略の下で海外市場を攻略してきたが、今後はキム議長がカカオピッコマを筆頭に指揮し、他の事業とシナジー効果を出すという戦略だ」と説明した。日本はキム議長が2000年にハンゲームジャパンを設立した経験があり、おなじみの国でもある。
もう一つの主要な海外攻略の地はシンガポールだ。キム議長は昨年からシンガポールを拠点としたブロックチェーン事業の構想を立ててきた。クラストとグランドXを通じてブロックチェーンとNFTを集中して事業化する計画だ。メタバースと人工知能(AI)をはじめ、グループの有望事業の発掘と収益化も構想している。 IT業界の関係者は「キム議長が1年以上もブロックチェーンを含む新事業を準備してきた」とし、「キム議長の議長職辞任はこれまで描いてきた大きな絵を本格的に具体化するということだ」と語った。
国内市場中心の既存事業も大々的に再編し、海外事業は「グローバル」をさらに強化する。カカオエンターテイメントは2024年までに世界の取引き額を3倍まで成長させる計画だ。オンライン動画サービス(OTT)からテレビとスクリーンまで、すべてのプラットフォームを合わせる制作競争力を確保し、世界を狙ったスーパー知識財産権(IP)による企画制作に注力する。カカオゲームズもさまざまなジャンルの新作ゲームを開発し、海外進出を推進する。国内で大きな成功を収めたモバイルゲーム「オーディン(ODIN)」は、今年は台湾などに正式リリースする予定だ。
カカオの各事業はキム議長の右腕であるナムグン内定者が、海外進出に容易な構造に再構成する方針だ。カカオがネイバーのように海外進出を速度をあげながら、ウェブトゥーンをはじめ両社の事業領域が重なるだけに、日本などの海外で熾烈な真っ向勝負になる見通しだ。
キム議長は「皆さんがカカオで試した実験と成功の結果がすぐさまグローバルサービスに移植され、グローバルで収められた成功の結果もカカオにつながる、そのような日を想像してみよう」と明らかにした。
キム議長は未来イニシアチブセンター長の役割は維持し、カカオ全体の未来成長ビジョンを提示し続ける計画だ。キム議長の議長職辞任は来る29日に予定された株主総会で確定される。
一方、カカオはこの日に臨時理事会を開き、ホン・ウンテク カカオアライメントセンター長を新規社内取締役に内定した。キム・ソンスとホン・ウンテク センター長は持続可能な成長の観点から、カカオ共同体の社会的責任と戦略方向を調整し、カカオの「ビヨンド・コリア、ビヨンド・モバイル」の歩みを支援する計画だ。