トップ > コラム > 韓自動車企業、生産に支障…中国のコロナ拡散で

韓自動車企業、生産に支障…中国のコロナ拡散で


  • 韓自動車企業、生産に支障…中国のコロナ拡散で

  • キア自動車華城工場で従業員が車両の状態を点検している。[写真提供=キア自動車]


国内の完成車業界は今回の「ワイアリングハーネス(電線束)」不足事態が長期化するのではないかと懸念している。 2020年2月のコロナ19の拡散初期に、ワイヤーハーネス不足で国内工場の扉を一時閉じた経験があった。当時、1カ月間で現代自動車は8万台の、キア自動車は4万台の生産支障を生み出した。

こんかい一番最初に打撃を受けたのはキア自動車の華城工場だ。キアのスポーツユーティリティ車両(SUV)の「ソレント」と「モハベ」は、18日からワイヤーハーネスの在庫分が消尽したと伝えられた。ソレントは昨年だけで6万9934台が売れた、キア自動車の人気車種だ。ドンヒオート(DONGHEE AUTO)を通じて委託生産される小型レジャー用車両(RV)「レイ」も、この日からワイヤーハーネスの在庫分が底をつくことが分かった。モハベとレイは昨年、それぞれ1万869台と3万5956台が売れた。

ワイヤリングハーネスは電線とコネクタ、電源分配装置を接続する電線束だ。簡単に言えば「自動車のニューラルネットワーク」で、核心部品にあげられる。国内部品会社であるユーラコーポレーションと京神、THNなどが中国山東省地域の工場で製品を生産した後、国内に持ち込んで完成車メーカーに供給する。

キアの他の工場も状況を鋭意注視している。最近、半導体の需給難ですでに減産を行っている状況であることから、ワイヤリングハーネスで「泣き面に蜂」になるかを注視している。光州第1・2工場はすでに一部工場のコンベアベルトを組み立て車両なしで稼動する「空ピッチ」方式で運営している。光州第3工場も毎日、部品の需給状況を把握して対応していることが伝えられた。

光州工場で生産する人気車種の一つである「スポーテージ」も、23日からワイヤーハーネスの在庫が底をつくことが分かった。すでにワイヤリングハーネスの在庫分が尽きた「K8」と「ボンゴ」は、在庫が確保されるまで少量が生産されている。キア自動車の状況をよく知るある関係者は、「とつぜんの中国の封鎖でワイヤーハーネスの供給に支障が生じた」とし、「中国の封鎖が長期的に続くと華城工場はもちろん、光明と光州工場まで被害をこうむるしかない」と雰囲気を伝えた。

現代自動車も今週から減産に入った。蔚山第2工場で生産するジェネシス「GV60」「GV70」「GV80」などは、いずれも約30%ずつ減産を始めた。現代自動車の事情をよく知る業界関係者は「パリセードとアバンテやポーターなど、ほぼすべての車種が今週から追加減産を行った」と語った。ワイヤーハーネスはかさばり、在庫を積み重ねておくことも難しく、一週間ほどの在庫分だけを確保しておくという。

現代自動車グループはロシア・ウクライナ戦争に続いて部品不足で車生産に支障をきたし、営業への打撃は避けられない見通しだ。現代自動車は去る1日から、露サンクトペテルブルク工場の運営を暫定中断した状況だ。現代自動車証券(HYUNDAI MOTOR SECURITIES)は、現代自動車ロシア生産法人とキア自動車ロシア販売法人が損益分岐点水準の利益急減を経験した場合、4400億ウォン台の損失が発生すると分析した。

2020年2月の当時にも現代自動車の内需販売は前年同期よりも26.4%減った3万9290台を、キア自動車は13.7%減った2万8681台を記録した。今回はコロナ19事態の初期ほど深刻な状況ではないが、中国の封鎖が長期化すれば被害は大きくなりうる。

山東省にある中国工場からワイヤーハーネスを調達する双龍(サンヨン)自動車も状況を注目している。サンヨン自動車の関係者は「一部地域が閉鎖され、物流調達に困難をきたしているが、まったく動けないわけではない」としながらも、「来週まで生産可能な部品は準備されており、状況を見守らなければならないようだ」と話した。ルノーコリア自動車と韓国GMは中国以外の地域からワイヤリングハーネスを受給しており、余裕がある方だ。

ただし2020年のように、すべての車種での生産中断はないだろうというのが業界の予想だ。一回めの「予防注射」を打って、供給網の多様化に努めたおかげだ。ワイヤーハーネスを製作するA社の関係者は、「国内で代替ラインを作って職員を投入して部品を作っている」とし、「2020年の時のように全ての生産ラインが止まる緊急状況は起きないだろう」と語った。現代自動車の関係者は「ワイアリングハーネスの需給の影響は大きくない」とし、「東南アジア側では部品の需給ができており、状況は深刻ではない」と語った。

ワイヤーハーネスの供給に苦しむのは、国内の完成車企業だけではない。BMWやフォルクスワーゲンなどドイツの完成車メーカーは最近、ロシア・ウクライナ戦争のせいで需給に警告灯が灯った。英フィナンシャルタイムズ(FT)によると、ウクライナにあった40ヶ所あまりの車両用部品工場が稼動を止めたことで、BMWやフォルクスワーゲンなども生産に困難をきたしている。
  • 毎日経済 | イ・セハ記者/ソン・グァンソプ記者
  • 入力 2022-03-18 23:04:06




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア