トップ >
コラム > 中国の経済首都、上海が止まった…韓国企業564社「非常」
中国の「経済首都」である上海がコロナ19の急激な拡散のため、順次都市封鎖に突入した。金融ハブであり、世界最大の貿易港が位置する上海が事実上は都市の全面封鎖に入ることにともない、中国はもちろん世界経済に短期的な衝撃は避けられない見通しだ。一部では今回の上海封鎖をきっかけに、中国の「ゼロコロナ」政策がけっきょく手術台に上がるだろうという展望も出ている。
28日の新華社通信によると、上海市は前日の夜にソーシャルメディアを通じて、28日から来月5日まで都市を段階的に封鎖すると明らかにした。上海を南北に流れる黄浦江を境に、浦東新区などの川の東側と南側地域は28日から翌月1日まで、黄浦区などの川の西側地域は来月1日から5日まで封鎖される。連日コロナ19の確定者が2千人を越えるやいなや、けっきょく都市封鎖のカードを取り出したわけだ。 BBCは「コロナ19の発病後、歴代で最大規模の都市が全面封鎖に入った」と伝えた。
封鎖期間の前に住民を対象に、2回の核酸検査(PCR検査)を実施する。この期間に住民は外出が禁止され、バスや地下鉄あるいはタクシーなどの公共交通機関も運行が中断される。また封鎖区域内の企業は水と電気や燃料、ガス、通信などの公共サービスを除き、すべて操業を中断したり、在宅勤務をしなければならない。空港と鉄道などは最小限で運営されるが、必ずしも必要な場合でなければ利用できないというのが上海市の説明だ。上海はこれまで経済被害を最小限に抑えるために、確定者や密接接触者が発見された住宅地域を中心に、さまざまな場所を市松模様のように細かく分けて封鎖する方式をとったが、感染者が急増すると最終的に段階的な全面封鎖方式に急旋回した。
2500万人が常住する上海市が段階的に封鎖され、経済的にも巨大な爆風が予想される。
上海で工場を運営している米国の電気自動車企業テスラが28日に生産を中断したと、米ブルームバーグが報じた。テスラ上海工場は市政府が28日から来月1日まで封鎖措置を取った黄浦江東地域に位置する。
テスラ上海工場(ギガファクトリー)は今月初めにも上海地域のコロナ19拡散で操業を中断し、去る18日に再開した。しかし都市封鎖のために一週間あまりでまた生産ラインを止めてわけだ。ブルームバーグは「中国はテスラにとって世界2位の市場であり、上海工場はヨーロッパとアジアの他地域に輸出する自動車を生産する」と伝えた。
ほかの企業の被害も大きくなる可能性が高い。上海は以前に都市封鎖を断行していた他の中国都市に比べて規模がはるかに大きく、製造施設の密集度も高い。中国最大の鉄鋼会社である中国宝鋼集団(バオスチール)と国有三大自動車企業である上海自動車(SAIC)、中国最大の製薬会社である上海製薬グループが上海に本社を置いている。
半導体供給網も影響を受ける可能性がある。 「上海のシリコンバレー」と呼ばれる場長地域には、ファウンドリ世界6位の企業である華虹半導体が製造工場を運営する。中国最大の半導体メーカーであるSMIC(中芯国際集成電路製造)は、本社と生産施設の一部が上海にある。
物流ハブである羊山コンテナ港と浦東国際空港の運営の可否も注目される。上海は昨年の輸出入は4兆元(約766兆ウォン)で、中国全体の輸出入39兆1千億元(約7490兆ウォン)の10.2%を占め、上海港はコンテナ物量を基準に世界1位の座を12年目で守っている。
上海当局は浦東空港と羊山港を閉鎖するかどうかを明らかにしなかった。ただし市政府は浦東に基盤を置くすべての企業が「閉鎖ループ」または「在宅勤務」方式で運営できると明らかにし、物量は大幅に減る可能性があるという分析が出ている。
今回の都市封鎖で上海金融市場も注目されている。いちおう上海証券取引所は28日、正常に運営された。
韓国企業も今回の事態を鋭意注視している。 KOTRAと韓国貿易協会などによると、上海現地に進出した韓国企業は総564社で、このうち製造企業は167社に達する。
上海近くの江蘇省無錫市でメモリ半導体工場を運営しているSKハイニックスも非常勤体制に突入した。上海封鎖が長期化すると物流に大きな支障が発生するだけでなく、無錫封鎖の可能性も徐々に高まっているからだ。SKハイニックスの関係者は「万が一の事態に備え、駐在員と労働者の相当数が工場で寝泊まりしている」と語った。無錫工場はSKハイニックスのDRAM生産量の半分を占める核心製造施設であり、世界のDRAM生産の15%を担当している。