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ロッテケミカル、親環境事業に拍車…水素からバッテリーまで


    「親環境事業は急ぐほど良い。すぐにスピードを出して欲しい。」

    辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長は最近、ロッテケミカルの役員にこのような内容を強く要求した。グループの重要な軸を担当する化学部門が、親環境(環境にやさしい)事業の覇権を集めなければならないということを強調した発言だ。

    ロッテケミカルは電気自動車や水素自動車などの親環境モビリティ分野で双方向への投資を加速する。本来の化学事業の競争力から来る水素生産性を基盤に水素経済の供給を担当し、尖端化学技術力でバッテリーの核心素材事業に飛び込んで、バッテリー市場の競争力も強化するという計画だ。

    ロッテケミカルは20日、エア・リキード・コリア(Air Liquide Koorea)とソウル市蚕室のロッテワールドタワーで水素モビリティ市場参入のための業務協約(MOU)を締結したと発表した。ロッテケミカルが提供する副生水素を活用し、モビリティ用水素を供給するという目標だ。副生水素は石油化学の工程や鉄鋼などを製造する過程で付随して発生する水素だ。

    ロッテケミカルは水素専門企業のエア・リキードと協業し、水素モビリティ市場ですばやく影響力を拡大することを期待している。エア・リキードは過去50年の間に、水素エネルギーの生産と貯蔵から流通まで、水素サプライチェーン全体での専門知識を構築してきた企業だ。現在までに全世界で120以上の水素ステーションを設計・構築した。

    これにロッテケミカルの化学事業の競争力から来る水素の生産能力が加わる。ロッテケミカルは現在麗水・大山・蔚山など国内3ヶ所の生産拠点で総6万8000トンの低炭素副生水素を生産している。

    麗水工場では炭素捕集・活用(CCU)技術を適用した設備を構築し、低炭素基盤の製品生産技術を開発している。水素1トンで現代自動車「ネッソ(NEXO)」を目安に約200台の充填が可能であることを勘案すれば、ロッテケミカルが提供する副生水素がすべてモビリティ用に移行すると、総1360万台の水素自動車を充填することができる。

    両社は高圧水素出荷センターと水素ステーションの構築に共同投資し、首都圏をはじめ全国に渡って水素モビリティのインフラ開発を拡大する計画だ。液化水素の製造設備への投資で酸化炭素を回収・利用し、高圧水素タンク技術などの分野で協業も進めている。

    ロッテケミカルはこの日、バッテリー素材分野の投資も決議した。ロッテケミカルは理事会を開催し、2100億ウォンを投資して2023年下半期の完成を目標に大山工場内の電気自動車用バッテリーの電解液の有機溶媒であるエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の生産施設を建設すると発表した。

    これによってロッテケミカルはバッテリーの陽極に使用されるアルミ極薄膜に続いて電解液の有機溶媒まで、バッテリーの4大核心素材である陽極・陰極・分離膜・電解液のうちで3種の素材を生産することになった。バッテリー電解液は、陽極と陰極の間のリチウムイオンの移動を可能にするリチウム塩をよく溶解させて、リチウムが円滑に移動できるように助ける役割を果たす。ロッテケミカルは今回の投資を通じて、既存の保有した高純度酸化エチレン(HPEO)設備を基盤に、今後は高い需要が期待される電解液の有機溶媒事業に乗り出す予定だ。
  • 毎日経済 | チェ・グンド記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2021-05-20 19:11:44