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現代ロテム、親環境「水素ロテム」開発

水素モビリティ市場をリード 


    汚染物質を排出せずに走りながら清浄空気を作り出す、究極のエコ公共交通機関「水素電気トラム」が早ければ2023年に韓国に導入される。架線や変電所もなく、埋込み型のレールのみ敷けばどこでも運行することができ、ヨーロッパのように乗用車とトラムが一緒に道路を走る光景に韓国でも出会えることができる見通しだ。

    現代ロテムは16日、釜山BEXCOで開幕した「釜山国際鉄道技術産業展」に参加し、水素電気トラムのコンセプト車両と水素統合管制システム、水素統合充填所・水素抽出機の小型モデルなどを公開し、水素社会構築のためのビジョンを提示した。

    最近、韓国自動車研究院と韓国鉄道技術研究院、蔚山広域市とコンソーシアムを構成した現代ロテムは、今月末に産業通商資源部の国策課題「海外輸出用の水素トラム実証事業」にも志願する計画だ。

    18日、現代ロテムの展示館で見た水素電気トラムのコンセプト車は、ヨーロッパや日本の旅行で出会ったトラムとは全く違った。トラムの上には車体に電力を供給する架線がなく、車軸の間から減速機とモータなどの主要部品を抜き取った低床台車構造で、側面からは車輪が見えなかった。前面部のデザインは大きな窓とディスプレイで「H」字の形を形象化したが、現代自動車の水素専用大型トラックコンセプトカー「ネプチューン」を思い出させるようだ。

    水素電気トラムの全長は3つのモジュールともに基準は21メートルであり、全幅は一般バス(2.4メートル)よりも少し広い2.65メートルに達した。最大で150人を収容できるほど広い内部空間を誇り、車体の床の高さは350ミリに過ぎず、高齢者や障害者なども不便なく利用できるようにした。室内の天井にはムード灯などをあしらってあり、これを包むようにループ状の「サラウンドLEDディスプレイ」を配置して感覚的でありながら、未来的なデザインを演出した。

    現代ロテムの水素電気トラムは、現代自動車「NEXO(ネッソ)」に搭載された水素燃料電池と水素貯蔵タンク、電気バッテリーを搭載してハイブリッド方式で駆動する。水を排出するだけで公害物質の排出は全くなく、駆動の過程で都心の空気浄化効果を出すことができる。現代ロテムによると、水素電気トラム1編成を1時間ほど運行すると、約800マイクログラムの微細粉塵を浄化することができ、成人107人が1時間のあいだ呼吸できる107.6キログラムほどの清浄な空気を生成する。

    また水素電気トラムは運行時に排出される水を、ホイールとレールの間に分散させて騒音低減効果までを期待できる。 15分で水素を完全充填することができ、1回の充填で最大走行距離は150キロメートルで最高速度は時速80㎞だ。

    現代ロテムのイ・ウォンサン研究開発室長(常務)は、「世界的に二酸化炭素の排出規制が強化され、2040年にはディーゼル機関車が消えるだろう」とし、「水素電気トラムは初期費用は高いが、インフラの構築と維持・保守コストが低く、都心の美観を損なわないという点で世界各国で注目されている」と述べた。

    現代ロテムの水素電気トラムのコンセプト車は、すでに昌原一帯で試験運行を成功裏に終えた。このことから、現代ロテムは産業部の国策課題選定時である2023年末までに、水素電気トラムを量産する計画だ。トラムに続き、2024年からは水素電車を開発し、2030年までに水素電気機関車や水素高速鉄道を具現化するための中長期事業計画を立てた。

    一方、現代ロテムはネイバークラウドとともに設計したビッグデータ分析プラットフォーム、水素統合管制システム、水素抽出モデルなどを公開して「水素電気トラム統合プラットフォーム化」の可能性を見せた。水素充填からトラムの運営、維持・補修までひとつにパッケージ化し、グローバルな水素モビリティ市場をリードしていくという布石だ。

  • 毎日経済 | 釜山=パク・ユング記者 | 入力 2021-06-18 19:17:20