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現代オイルとロッテ化学、2兆7千億の新事業

    • 現代オイルバンクとロッテケミカルが9日、ソウル市小公洞(ソゴンドン)のロッテホテルで投資合意書の締結後、記念撮影をしている。左から文鍾博(ムン・ヂョンバク)現代オイルバンク社長、許壽永(ホ・スヨン)ロッテグループ副会長(化学BU長)、権五甲(クォン・オガプ)現代重工業支柱副会長、そしてロッテケミカルのキム・ギョヒョン社長。 写真提供=ロッテケミカル



    現代オイルバンク(Hyundai Oilbank)はロッテケミカル(LOTTE Chemical)と手を握り、2兆7000億ウォン規模の石油化学新事業を共同で推進する。現代オイルバンクの石油原料にロッテケミカルの技術力を加味し、両社の合弁会社である現代ケミカル(HYUNDAI CHEMACAL)社のシナジー効果を最大化するという戦略だ。

    両社は9日、ソウル市小公洞(ソゴンドン)のロッテホテルで両社の代表が参加したなかで、石油化学製品を生産するHPC(Heavy Feed Petrochemical Complex)の新設に関する投資合意書に署名した。この日の合意に基づいて、現代ケミカルは2021年末の商業稼働を目指し、今年の下半期に工場設計に着手する。

    両社は忠南瑞山市の現代オイルバンク大山工場内で、約50万平方メートルの面積の敷地に工場を建設する。新工場は原油かすである重質油(残渣油)を主原料として使用する。ナフサを使用する既存の石油化学プラントに比べ、コストを改善できる高度化設備だ。この工場では年間75万トンのエチレンが生産される。これを基盤に年間、ポリエチレンを75万トンとポリプロピレン40万トンを生産する予定だ。

    これらの石油化学製品はほとんど海外に販売される予定で、年間3兆8000億ウォンの輸出増大効果と6000億ウォンの営業利益が予想される。工場のある忠清南道瑞山(ソサン)地域では、設備の稼働後に1500人以上の直接・間接雇用が創出されるものと思われる。

    現代オイルバンクは、ロッテケミカルと既存の合弁会社である現代ケミカルに追加出資する方法を選んだ。 2016年に稼動を開始した現代ケミカルは昨年、営業利益2851億ウォンを記録した。今回の増資は合弁会社の留保金をそのまま活用できる方案だ。工場が稼動すると、現代ケミカルは年間2000億ウォンの収益性改善効果を出すという見通しだ。

    現代ケミカルは石油を精製して得るナフサを最小に投入し、価格の安い脱硫重質油・副生ガス・LPGなどの石油精製所の副産物を60%以上投入してコストを下げる。

    両社は既存の現代ケミカルの脱硫重質油など、副産物の投入比率を80%まで引き上げる計画だ。ナフサよりの20%以上も安価な脱硫重質油は、現代オイルバンクをはじめ世界で3つの石油会社が生産する希少価値の高い原料だ。不純物が少ない方であることから、稼働段階で安定性も確保できるというのが会社側の説明だ。文鍾博(ムン・ヂョンバク)現代オイルバンク社長は「今回のプロジェクトで事業の多角化を通じた総合エネルギー企業ビジョンを達成するつもり」だとし、「現代オイルバンクの非精油部門の営業利益の割合は、昨年の33%から2022年には45%以上に拡大するだろう」と予想した。昨年に1兆2605億ウォンの営業利益を記録した現代オイルバンクは、石油化学事業の拡大などにより、2022年には連結ベースでの営業利益2兆2000億ウォンを目標にしている。

    ロッテケミカルは世界市場で、すでに石油化学事業の能力が検証された企業だ。今年末の時点で世界7位のエチレン生産能力を備えることになる。特に新興開発途上国の東南アジアをはじめ、全世界に法人と支社の販売ネットワークを持っており、合弁会社の生産製品を安定して市場に送り出すことができる。ロッテケミカルのキム・ギョヒョン社長は、「現代オイルバンクとロッテケミカルは現代ケミカル社の成功DNAを共有している」とし、「精油企業と化学企業の長所を結合し、国内初の製油所・石油化学合弁の成功事例を作っていく」と語った。

    最近、シェールガスの副産物であるエタンを分解してエチレンを作る技術が米国で開発され、低価格の原料ベースの石油化学施設が積極的に増設される傾向にある。精油会社も長期的に乗用車用ガソリンの需要は減少する一方で、石油化学原料用の需要は堅調な成長を予想しつつ、石油化学分野に投資を集中している。エスオイル(S-OIL)社は蔚山市の蔚州郡に4兆8000億ウォンをかけて完成した110万平方メートル規模の工場で、今年の秋から商業生産を開始する。 GSカルテックスは2021年までに2兆ウォンを投資して、全羅南道麗水第2工場近くの43万平方メートルでエチレンなどを生産する予定だ。精油業界の関係者は、「精油事業は変動が大きく平均収益は低いが、石油化学事業は安定して良好な収益性を記録している」とし、「精油会社がポートフォリオ構成のレベルで、石油化学分野に積極的に進出している」と分析した。
  • 毎日経済_イ・ドンイ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2018-05-09 19:21:17