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サムスン、ファウンドリー1位TSMC追撃の「切り札」
- サムスン電子は世界初の3ナノメートルプロセスを採用した、半導体受託生産（ファウンドリ／Foundry）技術のロードマップを公開した。これは競合社でありシェア1位の台湾TSMC社に比べて9カ月以上も先行する技術で、DRAM半導体の成功の秘訣である「超格差戦略」をファウンドリに適用し、新しいキャッシュカウにするというものだ。
サムスン電子は米国サンタクララ市のマリオットホテルで22日（現地時間）、顧客やアナリストなど約500人が参加した中で開催された「サムスンファウンドリフォーラム2018」で、来年から第3世代技術である「ゲートオールアラウンド（GAA）」技術を活用した3ナノメートルプロセスを導入し、2021年から本格的な量産に突入すると宣言した。サムスンはこの15年間にわたって開発された「ゲートオールアラウンド（GAA）」3ナノメートルプロセスは、次世代の半導体製造技術だと紹介した。サムスンファウンドリ事業部チョン・ウンスン部長
サムスンファウンドリ事業部のチョン・ウンスン部長（社長・写真）は基調講演で、「昨年5月にファウンドリ事業部が独立した後、業界の信頼を築くために努力してきた」とし、「次世代プロセス技術を迅速に採用して、技術的なリーダーシップをリードするだけでなく、スマート機器間の接続を強化する新しい時代を開いていく」と語った。
全世界の半導体業界で3ナノメートル（1ナノメートルは10億分の1メートル）プロセスの導入を明らかにしたのは今回が初めてだ。半導体回路を構成するトランジスタ素子の線幅（ゲート幅）を細くするプロセスルールは半導体技術の核心で、これを3ナノメートルまで細くしたものだ。ライバルであるTSMCは4月、7ナノメートルプロセスを採用した製品を量産すると発表した。
新たに発表された4次元（GAA）製造方式も、サムスン電子のファウンドリ技術の革新としてあげられる。 10ナノメートル級以下の極微細プロセスでは、トランジスタのサイズを微細化しても素子間の間隔が狭くなり、素子間の接続のためのメタル抵抗（RC delay）が大きくなって発熱問題も発生した。天文学的な費用を投入して半導体の微細化をさらに進めても、革新的な機能向上を担保することができない段階に達した。
限界を突破するための方式がGAAのような4次元技術だ。
GAAプロセスは、現在の主力である3次元（FinFET）7ナノメートルに比較して性能は10％以上向上し、同等の性能であるときに約50％近く改善された電力効率を提供する。 3次元FinFETプロセスは3つの面から電流が流れるが、4次元GAA方式は円筒を囲んで電流を流すことから、そのぶん性能が向上するわけだ。
GAAプロセスは特に「低消費電力」に大きな強みがあり、サムスンの3ナノメートルプロセスファウンドリでは、アップル（Aシリーズ）、クアルコム（スナップドラゴン）、サムスン（エクシノス）の次世代スマートフォンチップ（AP）を受託生産することができる。
最近の半導体産業の流れが処理速度を向上させることよりも、チップとチップを接続させて消費電力を下げるところに方向を向けている流れとも一脈相通じる。これまでは携帯電話を「電話」用途に使用したが、いまやスマートフォンではインターネットを主に使用するため、消費電力を下げることが半導体業界に最大の話題として浮上した。ファウンドリ市場のシェア
今回の開発で、TSMCとサムスン電子のあいだの競争もよりいっそう加熱する見通しだ。サムスン電子はファウンドリにおけるシェアは6.72％で、1位のTSMC（50.4％）に比べて大きく遅れている状況だ。アップルがサムスン電子からTSMCにファウンドリを移したことに続いて、米国のクアルコムも7ナノメートルプロセスでTSMCと手を握り、サムスン電子のファウンドリ事業は危機に陥ることもあった。
しかしクアルコムが2月、サムスンファウンドリと7ナノプロセス基盤の5Gモデムチップの生産契約を結んでひと息ついた状態だ。
サムスンファウンドリの技術はすでにTSMCに追いついたという評価もあり、携帯電話でノキアに追いついて1位に跳躍したように、ファウンドリもTSMCを猛追できるだろうという見通しも出ている。 TSMCは次世代露光装置のEUVを採用し、7ナノメートル製品の量産に突入するのは来年初めだが、サムスンは今年の下半期に予定しているうえに、今回で3ナノメートルプロセスで先行することになり、業界の関心を得ることが予想される。 - 毎日経済シリコンバレー＿ソン・ヂェグォン特派員 | (C) mk.co.kr | 入力 2018-05-23 17:54:24
