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「ポスト半導体」発掘…サムスン電子のスピード経営

  • サムスン電子は「最高革新責任者(CIO)」の役職を新設し、デビッド・ウン(David Eun)サムスンネクスト社長を任命した。人工知能(AI)などの第4次産業革命と関連し、スタートアップへの投資と人材のスカウトに速度を加えるようだ。

    5日のサムスン電子によると、先月末に新設されたCIO職にはウン社長が任命され、家電とスマートフォンなどのセット部門のスタートアップ発掘と、投資拡大戦略を確立するために拍車をかけている。

    サムスン電子が最高経営責任者(CEO)と最高財務責任者(CFO)のほか、正式に任命されたCレベルの高位級幹部はCSOとCIOのふたつだけだ。サムスン電子がCSOに続きCIOを異例で新設したことは、ディスプレイやスマートフォンと半導体に続く、新成長動力の発掘に速度を加えるという意志が込められたものと解釈される。

    李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が2月の釈放以来、三ヶ月の間に欧州・北米・中国・香港などを見て回った後、AIなどの第4次産業革命にうまく対処できないと、既存のコアビジネスも保証できないと感じた危機感が反映されたというものだ。最近、英国・露・加にAIセンターを相次いで開設し、CSOに続いてCIOを新設したのはたぶんにシリコンバレー式の革新をすばやく推進するための意図だ。

    財界の関係者は5日、「サムスン電子は最高の実績をあげているが、メモリ半導体への依存度があまりにも高い反面で、AIなどの第4次産業革命がこの1~2年、いろいろな理由で遅滞するあいだに既に中国や米国に遅れたという危機感が相当ある」とし、「これらに追いつくためにはシリコンバレー式の革新と投資が必要だと見て、力を加えたものと見られる」とした。

    デビッド・ウン社長はサムスン電子にスカウトされた後、6年半のあいだサムスンネクスト組織を担当し、家電やスマートフォンなどのセット事業を補完する新しいソフトウェアやサービスのスタートアップの発掘と投資を担当してきた。

    ウン社長は特にスタートアップへの投資拡大と、サムスン電子のオープンイノベーションを移植するための作業に力を注ぐことが期待される。ウン社長はホームページを通じて、「サムスンのような考えを持つ組織、大学、ビジネスリーダーとのコラボレーションと関係をより強固にしたい」とし、「外部のパートナーや顧客を接続する、サムスン大使の役割を果たすようになるだろう」と強調した。

    ウン社長と同じ時期の2012年にスカウトされたソン・ヨングォンCSO(社長)と歩調を合わせ、サムスン電子の技術革新の発掘を主導するとみられる。サムスン電子の最大の買収・合併(M&A)であるハーマン社の買収を主導したソン社長は、昨年末に新設されたCSO職を務め、部品関連の新技術への投資と協力を進めている。

    ウン社長とソン社長は、特に第4次産業革命の中核となりうる人材の勧誘に総力を傾けることが期待される。

    ウン社長が務めているサムスンネクストは最近、独BMWの車載用内部ディスプレイのデザインを担当していたデーン・ハワードをデザイン製品担当グローバル責任者にスカウトしており、昨年は車両共有サービスプロバイダであるウーバー出身のトラヴィス・ボガードを製品担当責任者としてスカウトした。また、半導体とスマートフォンなどのキャッシュカウの役割をしている既存事業との意見の相違が浮き彫りになることがあり、これを調整することがカギだという分析だ。電子業界の関係者は「イ・ジェヨン副会長が完全に新しいビジネスよりも、半導体やスマートフォンなど、すでにうまくやっている事業で新たな成長エンジンを見つけることに関心が大きと聞いている」とし、「彼らの役割もこれに焦点を合わすだろう」と予想した。

    ウン社長もインタビューで、「私は真空状態で仕事をするのではなく、同僚たちと密接に協業を進めていくことになるだろう」と強調した。
  • 毎日経済_ファン・ヒョンギュ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2018-06-05 21:00:07