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イス化学、高付加価値プラスチック添加剤を開発

  • 梨樹化学(イス化学/代表リュ・スンホ)は、高付加価値プラスチック製品の生産に不可欠な添加剤を世界で3番目に開発した。これによって世界的な化学企業が掌握している添加剤市場に進出する。

    イス化学は来年末までに、蔚州郡(ウルヂュぐん)に位置する温山工場に、約300億ウォンを投資して年産5000トン規模の生産設備を完成し、量産に入る計画だ。 22日のイス化学によると今回、独自に開発した添加剤は「ノルマル‐オクチルメルカプタン(NOM)」と「ノルマルドデシルメルカプタン(NDM)」だ。

    NOMとNDMは発光ダイオード(LED)や自動車用ランプなどに使われるポリメチルメタクリレート(PMMA)の添加剤だ。また、一般的なプラスチックよりも衝撃や熱に強い家庭用電化製品や、自動車の表面素材などに使用されているアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)の調整剤として用いられる。最近は家電用ABSの用途拡大とLED市場の成長などにより、需要市場が大きくなっている。また合成ゴムの酸化防止剤の原料としても利用されるが、従来の酸化防止剤に比べて人体有害性が小さく性能が優れているうえに経済性に優れていると言われており、次世代の化学原料として脚光を浴びている。最近、環境問題が大きく台頭しているタイヤ市場でも、既存の製品を代替していく傾向にある。

    開発を総括したイス化学のオ・インチョル事業開発本部長(専務)は、「NOMとNDMの世界市場の規模は約1億ドルであり、年間10%ずつ成長している」とし、「高付加価値プラスチック製品の使用増加にともなう添加剤市場の急速な成長性に注目して、2015年から3年のあいだ研究開発(R&D)費として約40億ウォンを投資して、3月に自社開発に成功した」と説明した。

    イス化学が今回の独自開発がグローバル市場で持つ象徴的な意味も相当のものだ。これまでNOMとNDM市場は世界的な化学メーカーであり、それぞれの売上げが11兆ウォンと10兆ウォンを上げているアルケマ(Arkema)社とシェブロン・フィリップス・ケミカル(Chevron Phillips Chemical)社が二分してきた。事実上、世界の化学企業の戦場に韓国の中堅企業イス化学が飛び込んだわけだ。オ・インチョル専務は「両社は第二次世界大戦当時に戦争物資でタイヤを作ったが、添加剤を開発しただけに歴史のある企業」だとし、「添加剤の特性上、使用量が少ないので価格競争力では勝負しにくく、けっきょく製品の品質と顧客の信頼で販路を確保しなければならず、参入障壁は高い」と語る。

    イス化学の挑戦は今回が初めてではない。先だって1997年当時、国内で全量を輸入に依存していた合成ゴムの分子量調節剤のt-ドデシルメルカプタン(TDM)も、世界で3番目に独自開発に成功している。 TDMの世界市場の規模は約2億ドルで、年間5%ほど成長しており、イス化学の世界市場でのシェアは今年は30%に迫り、世界の3大TDMメーカーとして確実に定着する見通しだ。イス化学はLG化学、ロッテケミカルなどの国内化学メーカーだけでなく、中国の3大石油企業であるペトロチャイナ、日本のJSRなどに供給している。

    オ・インチョル専務は「来年1月に創業50周年を迎え、特別な精密化学メーカーに変貌する方針」だと明らかにした。
  • 毎日経済_アン・ビョンヂュン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2018-10-22 17:36:23