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現代自動車「危機をチャンスに」…東南アジアで積極攻勢


    現代自動車は中国・インド・インドネシアなどのアジア・太平洋3カ国に積極的な戦略で乗り出して、自動車業界の関心が集まっている。まず危機に陥った中国市場では、撤退の代わりに収益性の強化で」正面突破する道を選んだ。

    今年に入って急激に萎縮したインド市場では、小型スポーツ多目的車(SUV)で勝負をかけている。 2億6000万人に達する人口大国のインドネシアでは、トヨタやホンダなど日本車の牙城を崩す計画を構想している。

    アジア・太平洋地域での「三匹のウサギ」を同時につかまえる戦略だが、自動車業界では懸念と期待が交差するようすだ。

    2日の現代自動車によると、今年上半期の中国での販売台数は27万2212台で、昨年の同じ期間(38万98台)に比べて28.3%減少した。上半期だけで販売量が10万台以上減ったわけだ。「サード(THAAD/高高度ミサイル防衛システム)」の後遺症に、中国の内需市場の低迷が加わって現れた結果だ。中国自動車工業協会(CAAM)によると、今年に入って6月までに中国内で売れた車は1232万3000台で、昨年同期比で12.4%急減した。

    市場全体が凍りついており、中国工場の正常化には時間がかかるが、現代自動車は中国から撤退するよりも正面突破を選択した。今年の販売目標も86万台に設定した。今年よりも状況がよかった昨年の販売台数が80万台だったという点を勘案すれば、実現不可能という指摘が多いが、挑戦的な目標を設定して雰囲気の反転を狙うという戦略だ。これに対して現代自動車は先月22日、第2四半期の業績発表カンファレンスコールで、「今年の中国での販売目標である86万台達成はやや難しく思われる」とし、「無理な販売目標を達成するよりも、中・長期的な目で再跳躍のための基盤を整えることが優先」だと明らかにした。中国市場での収益性を高めるために、現代自動車はディーラー網の体質改善と、「ソナタ」などの新車発売に期待をかけている。ただし、さらなる工場の稼動中断と構造調整の可能性もなくはないことが分かった。販売が画期的に増えないかぎり、人件費などの固定費を削減して、市場環境が良くなるまで耐えるという戦略だ。

    現代自動車は中国で経験した困難を、インドで挽回しようとする。昨年、現代自動車はインドで55万台を販売し、史上最大の実績を収めた。しかし今年に入ってインド市場の雰囲気が変わり、現代自動車は苦戦している。今年の上半期、現代自動車のインドでの国内販売は25万9777台で、昨年の同じ期間(27万5136台)より4.3%減少した。現代自動車はもちろん起亜自動車まで加勢して、インド市場の比重を大きくする元年である今年の市場がくずれ始めたのだ。起亜自動車は近いうちに年産30万台規模のアナンタフール工場を竣工し、「セルトス」などの新車生産に入る予定だ。

    これに加えて、現代自動車は「コナエレクトリック」や「ベニュ」などのエコカーと小型SUVで危機を突破するという計画を立てた。インド市場までもが崩れると、現代自動車は総体的危機に陥る可能性があるために、販売に総力を尽くしている様子だ。キム・ソンソプ現代自動車インド圏域本部長は最近、インド現地メディアのインタビューで「この15日間で120台のコナ電気自動車(EV)の事前契約が行われた。コナは隙間市場のための車両であり、最初の反応は肯定的だ」と評価し、「3~ 4年以内に普及型の電気自動車モデルを出荷する」と述べた。

    鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車副とインドネシアのジョコ・ウィドド大統領の間の議論をきっかけに、現代自動車のインドネシア完成車工場の建設も秒読みに入ったようすだ。これと関連して先月26日(現地時間)、ルフト空サル板泥炭海洋調整部長官は、「現代自動車が約10億ドル(1兆1845億ウォン)を投資することを望んで、カラワンに土地を確保した」とし、「11月にソウルで契約が締結されるだろう」と地元メディアに語ったと伝えられた。来る11月25~26日、釜山で開かれる韓アセアン特別首脳会議に合わせてジョコ・ウィドド大統領が訪韓した際に、ムン・ジェイン大統領まで出席した中で最終契約が締結されるという説明だ。これに対して、現代自動車は「インドネシアの工場設立は多角的に検討しているが、決定されたことはない」と慎重な反応を見せた。

    自動車業界ではインドネシア工場を新たに建設するのは既成事実だが、投資規模とインドネシア政府の詳細な支援策などの協議が最終的に仕上げされていないものと見ている。

    現代自動車がインドネシア工場の設立をめぐって最も大きく苦心している部分は、成長の可能性だ。インドネシアは人口が2億6000万人にのぼる。潜在需要が豊富なインドネシアの自動車内需市場は、毎年着実に成長する姿を見せている。インドネシア自動車製造協会(GAIKINDO)によると、国内販売は2015年の101万3000台から、2016年106万1000台、2017年107万9000台、2018年115万1000台に成長している。

    ただし今年に入ってインドネシア市場も停滞しており、現代自動車の最終的な投資決定に影響を及ぼしているという分析だ。GAIKINDOによると今年の上半期、インドネシアの国内販売は48万1000台で、昨年同期(55万3000台)に比べて13%減少した。今年に投資決定がなされれば工場は2021年ごろから稼働に入る見込みだが、今年は市場が縮小する変曲点になりうるという懸念が出ている。トヨタ、ホンダ、三菱などの日本車が市場を掌握していることも挑戦要因としてあげられる。

    チェ・ビョンチョル現代自動車財経本部長(副社長)は先月22日のカンファレンスコールで、「成長の可能性が高い市場では供給能力を拡充していくなど、拠点ごとに需要と連携した最適の生産体制を構築する」とし、「成長性が期待されるアセアン市場で成功裏に出するために、工場の建設などを積極的に検討している」と述べた。
  • 毎日経済_ムン・ヂウン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-08-02 19:42:41