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SK、抗体新薬に投資...革新的技術の先取りか


    投資型持株会社SK(株)(社長チャン・ドンヒョン、写真)は、「コロナ19」の余波による景気萎縮にもかかわらず、バイオベンチャー投資を継続している。抗体医薬品と人工知能(AI)新薬開発会社などに相次いで投資を行い、革新的な技術を先取りするという意志とみられる。

    SK(株)は11日、シンガポールに拠点を置いているバイオベンチャー企業のHummingbird Bioscience,(ハミングバードバイオサイエンス)社に投資した。ハミングバード社は多国籍製薬・バイオ企業の仏Sanofi(サノフィ)社出身の専門家らが、抗体新薬開発のために2015年に設立したベンチャー企業だ。米国ヒューストンとサンフランシスコなどに臨床開発センターと研究室を置いている。

    同社は2015年の設立以来、現在までに2度の投資を受けたが、SK(株)は第二の投資の延長で行われた。第二のファンディングに投資家が集まり、SK(株)をはじめとする2つの投資会社が追加で投資した総投資規模は80億ウォンだ。 SK(株)は正確な投資規模を明らかにしなかったが、今回の投資の大部分をSK(株)が担当したことが分かった。 SK(株)とともに参加した2つのファンド(ヘリタスキャピタルとシーズキャピタル)はともにシンガポールの国家スタートアップ支援ファンドの一種で、すでに最初の投資の時からハミングバードへ投資してきたが、今回の追加投資にも参加したものだ。今回の追加資金調達を含めて、ハミングバードは計6500万ドル(約800億ウォン)の資金調達を受けた。

    ハミングバードがこのように市場から資金を集めている理由は、抗体新薬技術を保有しているからだ。抗体医薬品とは、疾患を誘発するタンパク質に選択的に結合し、抗原の作用を妨害する体内の免疫タンパク質で、代表的な次世代のバイオ医薬品だ。副作用が少なくて薬効が優れており、大手の製薬会社が先を争って開発している高付加価値医薬品にあげられる。既存の抗体の開発は、抗原を動物に注入して最適の抗体を見つける方法で行われるが、この方法では抗原の特定部位のみ選別的に結合する抗体を短時間で作成することは難しかった。ハミングバードはタンパク質の構造を予測して抗体が結合する最良の部位を選別し、選定された部位のみに結合する独自の抗体発掘技術を持っている。

    SK(株)は昨年10月にも中国に似たような概念の投資をした経験がある。中国の抗体新薬会社であるHarbour BioMed(ハーバー・バイオメド)社に投資し、シンガポール投資庁(GIC)などの大規模な準政府ファンドと共同で参加した。ハーバー・バイオメドは仏サノフィと米ジョンソン&ジョンソンなど、世界的な製薬会社とハーバード大学医学部出身の専門家が2016年に設立したバイオベンチャーで、抗がんと免疫疾患治療のための抗体医薬品を開発する会社だ。 SK(株)がシンガポール投資庁やレジェンドキャピタル(Legend Capital)などと共同で投資した資金は900億ウォン規模だった。グローバルな新薬開発投資で遅れをとらず、同時にリスクを軽減するために、大手の投資家と手を握って投資に参加する。

    投資型持株会社を標榜しているSK(株)は、コロナ19で投資家が萎縮しているが価値ある投資については見逃さないという意志を見せている。特に下半期に子会社のSKバイオファーム(SK Biopharmaceuticals)の企業公開(IPO)を控えている状況では、このような動きは国内外の投資家に加算点として作用する見通しだ。

    SKバイオファームはグローバル市場をターゲットに革新的な新薬開発で率先してきたうえに、今後は新薬候補物質の探索から発売後のマーケティングまで、グローバルな総合製薬会社に跳躍するという目標を持っている。このために親会社であるSK(株)がグローバルなバイオ投資を継続しているということは、投資家にとってはSKバイオファームの今後の事業拡大のための方向性として読むことができる。
  • 毎日経済_ハン・エギョン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2020-05-11 19:25:03