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LG、 完成車事業に進出か…加マグナ社とのシナジー期待

  • LG電子と加マグナ・インターナショナル(Magna International)の合弁会社設立のニュースで、LGグループが生活家電と携帯電話や通信分野をこえて、完成車事業にまで進出するのではないかという観測が出ている。電気自動車用のパワートレインやバッテリー、ディスプレイ、内・外装材、通信モジュールなどの事業を展開しているLGグループは、タイヤと窓だけを除外して作れない部品がないと言われるマグナ・インターナショナルと手を組むことで、事実上は完成車の受託生産(EMS)市場への道が開かれたという評価が出てくる。

    去る23日、LG電子VS本部の関係者は国内外の証券会社のアナリストや機関投資家を対象にコンファレンスコールを実施して、マグナ社との合弁会社設立の背景や期待される効果などについて明らかにした。この日、関係者らはLG電子がマグナのように完成車の委託生産事業に参加するのかという質問に、「両社のコラボレーションと関連してはまだ具体化していない」とし、「ただしモータとインバータはLG電子製の部品が優先的に搭載されるのは明確だ」と答えた。

    LGグループは数年前から完成車を直接製造することはないと強調してきただけに、自動車を直接に生産・販売する可能性は高くない。あくまでもグローバルな自動車メーカーと協力し、独ロバート・ボッシュ(Robert Bosch)や日デンソー(DENSO)のような世界の超一流の車両部品・電装企業に成長するという戦略を展開するものと予想される。 LG電子は2013年のVC事業部(現VS事業本部)の発足当時、完成車市場への進出の噂を鎮めるために国内証券各社のアナリストらに生産現場を公開した。

    しかし業界ではLGグループがマグナとともに外部から完成車の委託生産注文を受けたり、現代自動車の「E-GMP」のような電気自動車専用プラットフォームを販売する可能性に注目している。電気モーターとインバーター、バッテリー管理システム(BMS)の開発能力を備えたLG電子を筆頭に、LGエネルギーソリューション(電気自動車用バッテリー)、LGディスプレイ(ディスプレイ装置)、LGイノテック(車両通信モジュール)、LGハウシス(車両内・外装材)、 LG CNS(電気自動車充電インフラ)、LGユープラス(自律走行通信)など、主力の系列各社が自動車の各分野で成果を出しているからだ。

    一般的に自動車は2万点以上の部品で組立生産するが、大きく分けると人が乗ったり貨物を載せる「ボディ」と、自動車の骨格に当たる「シャーシ」に区分される。 LGグループは電気モーターとバッテリーなど電動化車両のシャーシ部門での競争力を持つ反面、マグナは内燃機関車のシャーシとボディ部門で世界的に認められており、両社間のシナジー創出が期待される。マグナはエンジンとトランスミッションを含むパワートレインとステアリングやサスペンション、制動装置、電子機器、その他の機器などを生産している。

    ハイ投資証券リサーチセンターのコ・テボン センター長は、「LGグループが持っているバッテリーとモーター、インバーター技術などを活用して完成車を製造するには総合的な設計能力が必要だが、この分野ではマグナが世界最高水準の企業としてあげられる」とし、「LGとマグナが動力生成系統と動力伝達系統を分けて引き受けて、これらを組み合わせると電気自動車向けのプラットフォームにつながる可能性がある」と語った。

    LGグループと手を組んだマグナは世界でほぼ唯一の、自動車生産の総合ソリューションを持つ部品メーカーだ。海外の自動車メーカーからの注文を受けて多様な部品を生産するだけでなく、完成車の部品も受託生産している。この20年間はドイツやオーストリア、スロベニア、中国などで自動車工場を運営しながら、独メルセデス・ベンツや独BMW、独アウディなどの自動車企業の29車種を累積で370万台あまり生産した。

    マグナは最近はLG電子だけでなく、さまざまなグローバル企業との協力を強化している。今年は世界最大の家電博覧展示会である「CES 2020」で、日ソニー(Sony)とともに電気自動車のコンセプトカー「VISION-S(ビジョンエス)」を公開したし、昨年は中国の北京自動車と電気自動車の合弁ブランド「VARCFOX(アークフォックス)」を設立した。最近では米国の電気自動車スタートアップ「Fisker (フィスカー)」と委託生産契約を締結した。

    またLGグループは、欧州の環境規制の強化によって浮上している電動パワートレイン市場でも成果を出すことができるものと期待される。業界によると、2025年ごろに電動化パワートレイン市場は36兆ウォンに成長する見込みで、このうち自動車メーカーを除外した部品メーカー対象の市場は20兆ウォンに達すると予想される。

    韓国自動車研究院(KATECH/Korea Automotive Technology Institute)のイ・ハング委員は、「最近ウーバーのようなモビリティ共有企業が車両委託生産を行うと発表したことで、米クライスラーまでが入札に飛び込んだ」とし、「LGグループは完成車事業への進出前に、ビジネスの持続可能性と生産効率を綿密に確かめてみて、海外の事例を検討しなければならないだろう」と診断した。
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  • 毎日経済_パク・ユング記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2020-12-24 22:50:08