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Kポップのジレンマ…「韓日葛藤」と「香港デモ」


    • 防弾少年団(BTS)が先月、日本の大阪ヤンマースタジアムで公演している様子。 BTSは「LOVE YOURSELF: SPEAK YOURSELF'- JAPAN EDITION」というタイトルでくり広げた4回のコンサートで計21万人のファンと会った。 [写真提供=BIGHIIT]



    巨大音楽市場である中国と日本を相手にするKポップ企画会社の悩みが大きくなっている。香港のデモ以来、中国政府の人権弾圧が問題となり、韓・日間の葛藤で反日感情が大きくなっている。敏感な時期には2つの市場攻略を避けろというファンの声も小さくなく、各エンター社のそろばん勘定は複雑になっている。

    ツイッターには「#日本のファンミーティング_取り消し」というハッシュタグ「#」を付けたアーミー(ARMY・防弾少年団ファンクラブ)の記事が広がっている。

    最近、防弾少年団の所属事務所BIGHITエンターテインメントが日本公式ファンクラブのホームページに日本ファンミーティングのニュースを伝えた直後からだ。公知によると、今回のファンミーティングは11月23日と24日、日本の千葉マリンスタジアムをはじめとして計4回にわたって行われる。

    一部のファンがこれに反対する理由は、防弾少年団のイメージが損なわれるという懸念だ。彼らは「韓・日関係が悪化している時点で、日本イベントを進めることになれば国民から大きな非難を受けることになるだろう」という趣旨の記事を上げて、また共有しながら、BIGHITエンターのフィードバックを求めている。日本公演は外貨を稼ぐ輸出なので批判される点はないという反論も少なくないが、ファンミーティングに反対する主張は容易におさまらない。


    • 防弾少年団の日本公式ファンクラブマガジンの表紙。



    以前にもBIGHIITエンターの日本市場戦略については、国内ファンのあいだで批判が続いてきた。一部では日本ツアーの公演回数が韓国より多いことに対し「逆差別」だという話が出てきたし、日本語のアルバムを発表することに対する指摘もある。

    パン・シヒョクBIGHIITエンターの代表が「言語が違うだけでメッセージは同じなので、韓国語にしたがって音楽を続けていく」と強調しながらも、日本語の歌を作り続けることが矛盾だというものだ。

    国内ファンたちの反発を買いながらも日本市場への特化戦略を駆使するのは、無視できないその市場規模からだ。音楽評論家のファン・ソノプ氏は「防弾少年団は日本でドームコンサートを行うが、年間で50万人以上が観覧する」とし、「韓国では高尺スカイドームで3~4回やっても10万人程度」だと述べた。

    韓流初期から日本市場を攻略してきたあるエンター社の代表は、「日本では公演需要が韓国と比較することもできない大きさであることから、事実上はKポップの第1市場」だとし、「コンサートを何度も繰り返して見るファンがどの国よりも多い」とした。IFPI「グローバルミュージックレポート」によると、日本の2015年の音楽産業の規模は26億ドルで、1位の米(77億ドル)に次いで世界2位だ。

    BIGHIITエンター以外の芸能事務所も梗塞した韓・日関係に苦労している。日本でのイベントを行っても、大衆の批判を懸念して公開していないだろう。 来る10月にEXOの日本コンサートが「宮城セキスイハイムスーパーアリーナ」で開かれるという知らせを聞いたファンは、キャンセル要求を吐き出した。このコンサート場は福島原発事故の発生場所と近いので、メンバーの健康が心配されるという理由だった。

    CJ ENMは「エムネットアジアンミュージックアワード(MAMA)」開催地をまだ発表していない。 2017年から毎年11~12月に日本を共同開催地に選んだが、今年は日本でのイベントを開催すると、ともすれば反日世論の逆風を迎える可能性が高いからだ。

    韓・日葛藤で生じた日本マーケットのジレンマに加え、最近は中国市場でもK-POP企画会社の頭を煩わせている。送還法に反対する香港のデモ隊と警察の摩擦により、Kポップアイドルのコンサートを次々と延期している。去る16日、GOT7の所属事務所であるJYPエンターテイメントは、今月31日から9月1日までに予定されたばかりのセブンワールドツアー「KEEP SPINNING」香港の公演を 「安全上の理由から」延期すると伝えた。先立って13日、カン・ダニエルも香港ファンミーティングを延期すると述べている。

    今回のデモの問題と関連して、韓国芸能企画社に存在するより大きなリスクはKポップスターたちの中国メンバーの問題だ。香港や台湾など中華圏出身のKポップスターたちは中華圏のソーシャルネットワークサービス(SNS)を介して、次々と「中国政府」と「香港警察」を支持するメッセージを表明した後、「世界的なスターが無責任な態度を見せた」と非難を受けているのだ。


    • SEVENTEENのJUN (ムン・ジュンヒ)が中国のウェイボに「五星紅旗守護者は14億人だ。私も国旗の守護者だ」という中国中央放送(CCTV)の記事を共有した。 [写真出処=ムン・ジュンヒのウェイボからキャプチャ]



    SEVENTEENの中国出身メンバーであるTHE 8 とJUN、f(x)のビクトリアとPRISTIN出身のギョルギョンなどの中華圏出身のアイドルは最近、いっせいに「一つの中国」支持の意思を明らかにした。五星紅旗イメージを投稿して「香港は永遠に中国の一部」「香港が恥ずかしい」などのメッセージを中国語と英語で掲載した。これに対しては大衆の批判に加え、ファン層内でも彼らの脱退を要求する動きまで起こっている。「反人権的」意識をあらわにした一部の中華圏メンバーを脱退させて、チーム全体に迷惑をかけないないようにするべきだというものだ。

    しかし各芸能事務所は中国市場攻略のキーである中華圏メンバーをはずすことはできない立場にある。韓国芸能人の大型公演を禁止した「限韓令」が2年以上も解けない状況では、中国メンバーは「ソロ」または「ユニット」で現地で安定した収益を上げている。これに加えて香港やマカオ、シンガポールで開催されるK-POPコンサートを見に来る中国ファンも少なくないので、依然として新人グループを構成するときに中華圏のメンバーを選ばなければならないのが実情だ。

    両国を取りまく問題は容易に解決される兆しが見えず、Kポップ企画会社の顔色をうかがう戦いは続く見通しだ。

    ファン・ソノプ評論家は、「中華圏のメンバーが中国支持のメッセージを表明したのは、純粋に自発的と見るのは難しい」とし、「中国で活動しながらなぜ中国を支持しないのかと問う大衆の圧力を感じたものであり、このために企画会社の次元でメッセージを出させた可能性も排除できない」と解釈した。

    両国と関係する政治問題が文化の消費に過度に影響を与えることを懸念する声も少なくない。大衆文化評論家のキム・ホンシク氏は「中国大陸進出のためには中国政府の肩を持つのが有利だろうが、香港のデモ鎮圧を擁護するとワールドスターのイメージに打撃を与えるだろう」と批判した。
  • 毎日経済_パク・チャンヨン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-08-31 15:16:27