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Q.チャ・ジュンファン選手:平昌五輪出場の韓国フィギュアスケート選手を紹介①
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A.キム・ヨナが登場する前、韓国のフィギュアスケート選手がオリンピックの舞台を輝かせるなど想像もできませんでした。ただ、ロシアや東ヨーロッパ、そして羨ましくも日本の選手たちが繰り広げる神業に近い滑りを見て感嘆するばかりでした。
キム・ヨナが引退をした今、誰に期待をかければ良いのでしょうか。
実際にはオリンピックの舞台に立つという事実自体に感謝するべきなのかもしれません。
女子ゴルフでパク・セリのUS女子オープン優勝をきっかけに多くのパく・セリキッズがLPGAに進出したように、キム・ヨナも彼女の後を追うキッズを世に送り出しました。彼らに期待をかけてみましょう。まだオリンピックのメダル圏に入るには力不足という見通しが支配的ではありますが、もしかしたら男子フィギュアでは韓国史上初めてジュニアグランプリファイナルで銅メダルを取ったチャ・ジュンファンが何かしでかすかもしれません。今年16歳のチャ・ジュンファン(2001.10.21)はオリンピックの舞台に立つこと自体が奇跡でした。
韓国代表を選ぶ選抜でイ・ジュンヒョン(22)に何と27.54点差で負けていたんです。実際にイ・ジュンヒョンがいなかったら韓国の男子フィギュアは平昌に行くことができませんでした。
オリンピックの出場権がかかった世界選手権大会に出場したキム・ジンソがショートプログラムで26位にとどまり、出場権を得ることができませんでした。そのときイ・ジュンヒョンが火急の問題を処理しました。1次選抜戦で1位となった資格で出場したネーベルホルン・トロフィーで5位となり、お茶の間で他の国の選手たちを見なくてはいけない悲惨な境遇を逃れることができました。
しかし、命運がかかった最後の選抜でプレッシャーからかミスを連発、2.13点差でチャ・ジュンファンに出場権を奪われました。
試合が終わった後、大粒の涙をこぼしたイ・ジュンヒョンは再起の第一歩としてチャ・ジュンファンに「おめでとう。頑張ろう」というメッセージを送ったそうです。
終盤に逆転劇を繰り広げたチャ・ジュンファンは韓国フィギュア界にある日突然登場した選手ではありません。小学校時代から期待を集める有望株でした。さらに、数本のCMにも顔を出したことのある子役俳優でもあります。2007年、オリオンのチョコパイのCMに出演したチャ・ジュンファン
小学校時代に既にトリプル(3回転)ジャンプ5種(サルコウ、トウループ、ループ、フリップ、ルッツ)のすべてをマスターしました。彼の可能性は2015-16シーズンから注目され始めました。
2015年10月、カナダで開かれたオータムクラシックインターナショナルで男子シングルジュニア部優勝に輝き、2カ月後に全国大会で韓国男子シングル歴代最高点(220.40点)を記録して、先輩たちを抜いて1位になりました。
2016年には世界の舞台でも自分の名前を記憶させたのですが、ISU(国際氷上競技連盟)ジュニアグランプリ第3戦でクワッドラッフル(4回転)サルコウジャンプを前面に出して歴代ジュニア男子シングル最高点(39.47点)を記録して優勝しました。そしてジュニアグランプリファイナルで2位になって韓国男子スケート選手としては初めてメダルを取りました。
キム・ヨナの後にメダルを獲得した選手はチャ・ジュンファンが初めてでした。だから「男子キム・ヨナ」というニックネームももらいました。
しかし、チャ・ジュンファンに悪材料が襲い掛かります。クワッドラッフルジャンプを訓練中に股関節と足首に痛みが生じ、以降の大会で自分の技量を思う存分発揮することができませんでした。怪我がなかったならば終盤の逆転などが生じていなかったかもしれません。
アジアントロフィー12-13シーズン 1位
メラノカップ14-15シーズン 1位
オータムクラシック15-16シーズン 1位
世界ジュニア選手権15-16シーズン 7位
ユースオリンピック15-16シーズン 5位
JGP日本16-17シーズン 1位
JGPドイツ16-17シーズン 1位
JGPファイナル16-17シーズン 3位
世界ジュニア選手権16-17シーズン 5位
持って生まれた才能がある上、非常に見栄えの良い体型を持っているのが利点です。大衆の前に立つことを恐れないため大きな舞台に強いという点もチャ・ジュンファンの魅力の一つです。一言でキム・ヨナのように氷の上で自然な演技を見せることができるという話です。
チャ・ジュンファンは平昌である程度の成績を収めることができるでしょうか。
コーチであるブライアン・オーサー(Brian Oser)は慎重にメダルにまで期待をかけているようでもあります。
しかし、国内の専門家でさえ「まだではないか」と疑問視する方です。男子フィギュアの舞台を支配する羽生結弦やジャンプモンスターと呼ばれるネイサン・チェン、宇野昌磨、ハビエル・フェルナンデスなどは300点以上の総合スコアを記録しているのでISU公認最高記録が242.45点であるチャ・ジュンファンとしてはずいぶん遅れをとっています。
トップクラスの選手たちがショートとフリーで合わせて5~7回行うクワッドラッフルジャンプもチャ・ジュンファンは3次国家代表選抜戦で1度試みただけです。
このため、チャ・ジュンファンを大切に思うファンたちはあまりにも無理をして負傷せずに、経験を積むことに満足することを望んでいます。まだ発展の可能性が無限であるため遠い将来を見据えてみようという願いです。次のオリンピックでは「男子キム・ヨナ」という修飾語を取り外して、自分の時代を開いて欲しいものです。
- O2CNI Lim, Chul | 入力 2018-02-01 18:51:53.813000000
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