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[コラム]「独り言」を言う世の中
- 3月28日に放送されたMBCバラエティ番組の『ハッピートゥゲザー』に出演した外国人は韓国人が習慣的に話す「独り言」が理解できないと首を左右に振った。
母国語であるロシア語の他に英語、イタリア語、セルビア語、ここに韓国語まで5カ国語を駆使する放送人アンジェリーナ・ダニロヴァ(Angelina Danilova)は、そばで「ああ、お腹が空いた」という独り言を聞いた時、少し慌てたという経験談を話した。
韓国の女性と結婚したロバート・ハリーは、トイレに行く妻が「ああ、お腹が痛い」と言ったせいで死ぬかと思ったという話をした。そこから話題が広がっていった。アメリカやヨーロッパでは、珍しい独り言を言う人が増えてきた。
一人でご飯を食べて、一人で映画館に行って、大自然に一人で立つからだ。話をせずにご飯を食べて、黙黙と景色を鑑賞しても生きていくうえで何の支障もないだろう。しかし誰も聞いてくれる人がいなくても、ぐつぐつと煮えるチゲを見て「ああ、おいしい」と笑ったり、水平線の向こう側に消える夕焼けを見て「ああ、素晴らしい」という賛嘆を言ったりしても、頭がおかしいわけじゃない。
西洋人からすれば、精神異常者に見えるかもしれないが。
ホンパプ族が増えれば、その分独り言も多くなるだろう。
頭の中に浮かんだ考えを整理するために、自分に勇気を与えたり自分を慰めるために、あるいは一歩遅れて押し寄せる罪悪感から抜け出すために、独り言を繰り返す。
聞いてくれる人がいなくても、お前、頭がおかしくなったのかと声をかける人もいないのに、勝手に独り言を話しながら過ごしている。
「もしもという純粋な気持ちのせいで
君の手紙も捨てることができない私
今まで、本当に感謝していると
伝えられなかった言葉を一人で繰り返す」
キム・ジャンフンは『独り言』という歌で、当時人気絶頂だったガールズグループ、S.E.Sの『Show Me Your Love』に勝って地上波で1位になった。
まだ誰にも分からないだろう。
独り言がこの世のホンパプ族の大きな嘆きになるかもしれない。 - Lim, Chul | 入力 2019-04-04 00:00:00