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安倍の読み違い…日企業が韓企業の「脱日本」憂慮


    夏休みを迎えた9日、仁川国際空港から日本行きの飛行機搭乗手続きの時間。チェックインカウンターが閑散としている。日本の韓国に対する輸出規制措置に触発されて日本旅行の拒否運動が広がり、日本の旅行商品をキャンセルする顧客が増えている。 [イ・チュンウ記者]

    韓国企業の脱日本の可能性を心配した日本の半導体輸出企業が、第3国などを通じた迂回輸出の方案を用意して注目される。

    日本企業を通じた信頼性の高い素材調達に対する韓国政府と韓国企業の不安感が大きくなる状況で、日本企業の即時的な対応のない場合には、ややもすると韓国の顧客を失う危険性があると判断したわけだ。また、日本政府の輸出規制が長期化する可能性が高いという認識も、ともに基盤にあると評価される。

    日本の輸出各企業が迂回輸出に乗り出せば、わが国の半導体各企業は素材を調達するためにひと息つけるものと期待される。

    ただし、日本政府が迂回輸出などを防ぐ手段を持っているという点で、迂回輸出の持続可能性にはまだ疑問が残るのが現状だ。いまのところ日本企業が検討する案は、第3国や韓国内の工場で生産した製品を韓国の顧客企業に販売する方式だ。海外工場で生産しているが、関連設備や原材料などは日本から調達するのが一般的だ。先だって日本政府は先月4日から、高純度フッ化水素と極紫外線(EUV)用フォトレジスト、フッ素ポリイミドなど3品目の韓国への輸出を、契約ごとに許可が必要な個別許可に切り替えながら但し書きをつけた。個々の許可条件に設備や原材料もまた含めておいた。事実上は第3国などを通じた迂回輸出の可能性を考慮した措置だというのが一般的な評価だ。けっきょくのところ、輸出規制を触発した原因である「強制徴用賠償」に対する解決策が用意されない場合は、いつでも調達に支障が発生する可能性があるわけだ。

    輸出規制による日本の関連企業の困難を端的に示すのが、中国工場の生産を通じた韓国への輸出などを推進して乗り出した森田化学だ。森田化学は輸出規制の対象である高純度フッ化水素を含む化学製品を生産する企業だ。

    2018会計年度(6月決算)の森田化学の売上げ(単独ベース)は117億円(約1337億ウォン)だ。この会社の売上げで半導体用フッ化水素の割合は36.2%に達している。同じく高純度フッ化水素を生産するステラケミファ(昨年の売上高279億円)に比べて規模が小さく依存度も高い。それだけ今回の規制によって直撃を受けたわけだ。

    森田化学の関係者は毎日新聞とのインタビューで、「(規制後)書類審査が厳格になり、いつ輸出が可能になるのかわからない状況で、私たちもまな板の上の鯉の身の上だ」と述べた。まな板の上の鯉とは、生死にかかわる時点でできることが何もないという表現だ。

    韓国の工場増設に乗り出すTOKは、「来年の第4四半期まで増設を完了する計画」であり、「顧客の注文に応じて品目や生産量は異なる可能性がある」と説明した。必要であれば韓国の工場の増生産能力を、すべてEUV用のフォトレジスト生産に投入するかもしれないということだ。 TOK側は「ただし増設自体はすでに2月に発表したものだ」とし、輸出規制による決定ではないと一線を引いた。

    半導体業界では、全世界の半導体サプライチェーンに亀裂が発生した場合、日本政府も主要国の反発に耐えられないだけに、今後の素材供給に大きな困難はないと見ている。一部では日本企業が迂回輸出に言及できるのも、日本政府の暗黙的な許可があるからだという評価がある。

    また、製造業の生産が世界にわたって行われる時代であることから、韓国内での生産が難しければ最悪の場合は関連するラインを海外に移す式の対応も可能だ。日本政府が輸出規制1ヶ月で許可を出したのも、このような脈絡で解釈される。

    日本政府が思っていた以上に韓国の反発が大きい点も、影響を及ぼしただろうとの指摘が出ている。毎日新聞は、「韓国の不買運動や民間交流の縮小などが予想以上に大きくなり、日本政府関係者の間でも誤算を認めている」と伝えた。輸出規制による韓国民の抵抗がこれほど強まるものと予想していなかったということだ。毎日新聞は続いて「日本政府が輸出許可等を許したのも、強制徴用賠償などの問題の核心に集中しようという意志を促したもの」と伝えた。

    日本政府は公式には強制徴用と輸出規制の間の関連性を否定しているが、これをありのままに受け入れるのは容易ではない。日本の外務省の関係者は、「歴史問題と輸出管理の見直しは関係がない」と言いながらも、「慰安婦和解治癒財団の解散をはじめ、強制徴用判決など複数の事件が重なり、韓国に対する不信感が高まったためだ」と指摘した。続いて「韓国側から解決策を提示しなければならない」という従来の立場を繰り返した。

    この関係者は「日本の立場では労働者(強制徴用被害者)問題は越えることのできない線」だとし、「この部分を韓国政府と社会は知ってほしい」と付け加えた。

    強制徴用被害者に対する日本企業の賠償は絶対受け入れることができず、今後発生する可能性のある訴訟に起因する問題を防ぐための対策は、韓国政府が出さなければならないということだ。
  • 毎日経済_東京=チョン・ウク特派員 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-08-09 19:46:36