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韓国はいま30年前の日本…長期不況懸念たかまる

    • 韓・日の実質GDP成長率


    「経済成長率の継続的な低下、マイナスの物価上昇率、急速な高齢化にともなう人口構造の変化」。1990年代に入ってバブル経済が崩壊した後、日本経済が「失われた20年」と呼ばれる長期低迷に陥った要因だ。 30年あまり前の日本経済をどん底に陥れたこのような要因が、わが国の経済にもちらほらと現実に現れている。わが国の経済が日本式長期不況に陥るのではないかという懸念が高まる背景だ。

    まず韓国と日本の国内総生産(GDP)成長率は、30年の時差を置いて同様の減少傾向を示している。

    日本経済が長期不況の入り口に入った1990年代の日本は、経済の基礎体力を示す潜在成長率が持続して下落した。日本銀行によると、日本経済の潜在成長率は1985~1989年は4.2%水準だったが、その後は2.8%(1990~1996年)、0.3%(1997~2003年)に落ちた。韓国も似ている。韓国銀行によると、潜在成長率は2000年代初頭は5%水準だったが、2010年代に入って3.4~3.7%に落ちたし、2016年以降は2.8%の水準にまで低下した。

    両国の経済成長率も約2%ポイントの差があるものの、30年の時差を置いて同様の減少傾向を描いた。日本の実質GDP成長率は、1970~1980年代の平均4.5%から失われた20年が始まった1990年代1.3%台に下落した後、2000年代には0.7%台、2010年代には1.0%台を記録した。このようなパターンは、最近になって韓国で同様の繰り返しになる兆しを見せており、2010年と2011年はそれぞれ6.8%と3.7%を記録した後、2012年(2.4%)になって最初の2%台に進入し、昨年は2.7%を記録した。今年の成長率は2%を超えるのが難しいという見通しも多数出ている。この場合、成長率が1%台にとどまる低成長が固着するという見通しが出ている。

    • 韓・日の人口増加率


    日本の経済活力を急速に落とした人口構造の変化も、そっくり同じ流れを示している。むしろわが国がより深刻だ。日本は1970年の高齢化社会(65歳以上の割合は7%)から、1994年に高齢社会(65歳以上の割合14%)に入った。以後の1999年、経済活動人口の割合が減少し始めた。韓国開発研究院(KDI)によると、韓国の生産年齢人口(15~64歳)の割合は2012年ピークに達した後、続けて下落している。

    さらに韓国は日本に比べても、高齢化の速度がより速い。高齢化社会から高齢社会に入るのに日本は24年かかったが、韓国は17年めの2017年高齢社会に入った。

    経済成長動力が落ちた状況で、物価まで低くなる状況が重なったことも尋常ではない点だ。日本の物価上昇率は1992年に直前の年(3.4%)に比べて急落した1.5%を記録し、1%台に入った。以後3年後の1995年にマイナス物価(年-0.1%)を経験した。韓国も今年に入って8カ月連続で0%台の物価上昇率を記録し、先月には1965年の統計作成以来で初めて、マイナス物価上昇率(-0.04%)を記録した。

    輸出競争力の低下も良くないシグナルだ。韓国の輸出は昨年12月から、9カ月連続で減少した。仁荷大学のチョン・インギョ教授は「日本の失われた20年は、1985年のプラザ合意以降に貿易が力を失って生じたもので、韓国もいま輸出がくずれているという点で似ている」と述べた。

    このように韓国の各種指標が20年前の日本と似ているだけに、早急な対応が必要だという声が高まっている。ソウル市立大のユン・チャンヒョン教授は「2010年代の初めに日本化の兆しが見えたが、現在はより強くなって速くなっている」とし、「日本の失われた20年は景気変動を超えた次元の現象で、不況と同時に複数の成長動力が消えて発生した現象だ。基本的には力が抜けてそうなったわけだが、韓国も似たような状況に向かっている」と述べた。

    パク・サンジュン早稲田大教授も「日本のように強いバブル崩壊を通じた景気後退ではないという違いがあるが、個人的にはすでに韓国が日本式不況に入ったと判断している」と指摘した。続いてパク教授は「日本式不況を依然として未来のことのように話をして対応策を整えようとする傾向があるが、現在進行形で考えてすぐさま対応策に取り組まなければならない」と強調した。日本は長期不況の入り口で空前絶後の状況を経験したことから、1998年までは一時的な状況だと判断して対応が遅くなり、長期不況の谷を抜け出すにもより多くの努力が必要だったという説明だ。
  • 毎日経済_東京=チョン・ウク特派員/ソウル=キム・テジュン記者/キム・ヨンジュ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2019-09-09 10:00:30