A. | 韓国の嶺南(ヨンナム)地域には有名な薬水が3か所あります。青松郡(チョンソングン)の達基薬水と奉化郡(ポンファグン)の吾田薬水、そして海に離れて位置する鬱陵島(ウルルンド)*の道洞薬水です。 *行政区域上は慶尙北道(キョンサンプクト)に属します。 達基薬水は慶尚北道青松郡青松邑(チョンソンウプ)富谷里(プゴクリ)の渓谷にあります。 邑から東北に3キロ離れた所にあります。
薬水が出てくる達基という地名は「月が出る所」という意味です。朝鮮時代の第25代王哲宗(チョルジョン)時代、禁府都事、今で言うと検事並みの官職を務めたクォン・ソンハ(権成夏)という人物が都落ちし村人と水路工事をしている途中、岩の間から湧き出る薬水を発見したそうです。 達基薬水は、達基の薬物とも呼ばれていて水を飲むとすぐゲップが出るそうです。いくら日照りが続いても1日に湧き出る量が減らず、いくら寒くても凍らないというので、それ自体が神秘的です。谷間に沿って上湯(サンタン)、中湯(ジュンタン)、下湯(ハタン)、神湯(シンタン)があり最近では薬水の出る穴がいくつか空いているそうです。 胃腸が悪い人たちに効能が高く、その他にも貧血や関節炎、神経疾患、婦人病に特効があると全国から駆けつける人が後を絶ちません。 慶北奉化の吾田薬水は朝鮮時代の成宗(ソンジョン)の時、全国薬水大会で1等に選ばれた薬水です。16世紀の儒学者チュ・セボン(周世鵬)は薬水を飲んだ後「心の病気を治す良き師と肩を並べるに値する」という感想を残しました。薬水のそばの岩にはチュ・セボンの揮毫がまだ残っています。 薬水が発見された伝説も不思議です。市場を行き来しながら商売をしていた行商人がある日、よもぎ畑で眠ってしまったのですが夢に山霊が現れてこう言ったそうです。「君のそばには万病を治す薬水がある」目が覚めた商人が横を見ると、薬水が出てきて水を飲んで皮膚病がすっかり治ったというのです。 一緒に心も洗い流します。 吾田薬水は炭酸成分が多くピリッとした味が絶品でマンガン、マグネシウム、重炭酸、鉄分成分が含まれているため胃腸病や皮膚病に効果があると言われています。 道洞薬水のある鬱陵島の中央には海抜984メートルの聖人峰がそびえています。新生代3期末から4期初めに起きた火山活動によってできた島である鬱陵島には雨が降ると、すぐに地中に染み込みます。河川はすべて乾川(コンチョン)です。 地中に染み込んだ水は海岸から再び湧き出ますが、湧き水が多いため鬱陵島(ウルルンド)では、これを利用して水力発電所を作りました。鬱陵島の羅里盆地に集まった水が地中に染み込むと盆地の底が水をいっぱい含んだスポンジのようになると言います。長靴を履いて行って踏んでみたら面白いでしょう。 道洞薬水は旅客船ターミナルから徒歩15分ほどのところにあるので鬱陵島を訪れたなら簡単に立ち寄ることができます。 薬水には鉄分とカルシウム。 マグネシウムが多く貧血や女性の生理障害、湿疹など皮膚病に効果が高いです。 |