解説 | ハングル:바선생 ハングル発音:バソンセン 意味:ゴキブリ 解説: 「ゴキブリ先生(バッキボルレソンセン、바퀴벌레 선생)」の略語。ゴキブリを純化(?)して呼ぶ言葉。 数年前、SNSを炎上させた投稿がある。 ある人は「百億ではなく千億をくれると言っても嫌だ」と首を横に振るだろうが、意外とかなり多くの人がゴキブリとの同居を選んだ。 映画『ヒットマンズ・ボディガード』(The Hitman's Bodyguard)ではソニア(Salma Hayek)が殺しの屋の夫ダリウス・キンケイド(Samuel L. Jackson)を「私の愛のゴキブリ」と呼ぶのを見ると文化によってはバソンセンに親しみを感じているようだ。 『ヒットマンズ・ボディガード』の後続編は2021年に封切られたが、当時、ジャクソンの年齢が72歳だったことを考慮すると「ゴキブリ」というニックネームがぴったりだという気もする。 ゴキブリは地球上のどの生命体よりも粘り強い生命力を誇る。 2億年前、地球に姿を現したゴキブリはK-Pgの絶滅や氷河期を耐え忍んだ。「ナデズダ(надежда、希望)」という名のロシアのゴキブリは急激な温度変化、宇宙放射能、無重力という悪条件を乗り越えて地球外で子を産むのに成功した。 デマではあるが核戦争が起きれば世界で生き残る生命体はゴキブリだけという説まである。 そんな言葉が出るほど「生き残ろう」というゴキブリの意志はすごい。頭が切れても1週間は軽く生き残る。栄養失調で死ぬそうだが、人為的に栄養を供給すると、1か月は命が続くという研究結果もある。ゴキブリの寿命が180日ほどであることを考えると…。 世界で最も多く種子を産んでいる米国のゴキブリは何も食べなくても2~3週間、水が飲めれば90日はあっという間に耐えられる。人生の半分を水だけ飲んで生きることができるという話だ。 他はともかく、この粘り強い命への渇望は学ぶに値する気もする。もしかしたら、だから「バソンセン」という言葉も出たかもしれない。 |