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SKシルトロン、SiCウェハー事業に大規模投資


  • SKシルトロン、SiCウェハー事業に大規模投資

国内唯一の半導体基板(ウエハ)製造企業であるSKシルトロン(SK Siltron)は、シリコンカーバイド(SiC)ウェハー事業に大規模な投資を断行する。 SiCウェハーで生産するSiCパワー半導体は、窒化カリウム(GaN)パワー半導体とともに「第3世代の半導体」にあげられている。素材の特性から高熱と高圧に強くて電子の移動速度も速く、電気自動車や第5世代(5G)通信機器などの分野での需要が大きくなるとの見通しだ。

18日の半導体業界によると市場調査会社のトレンドフォース(TrendForce)は最近、今年のSiCパワー半導体の売上げは前年比で32%増の6億8000万ドル(約7680億ウォン)に達すると予想した。また別の市場調査会社のヨエルディベロップメント(Yole Développement)も、SiCパワー半導体の市場規模は2022年の1兆1000億ウォンから、2030年には12兆2800億ウォン水準まで急成長すると予想した。

SiCパワー半導体は電気自動車への導入が本格化し、利用率が急増するものと分析される。電気自動車には電圧と電流を制御して駆動を最適化するパワー半導体が使用されるが、SiC素材で製造された半導体は従来のシリコン半導体に比べて電圧と熱に強く、半導体チップの大きさも小さくすることができる。 SiC半導体は従来の半導体よりも10倍高い電圧に耐えることができ、175度までしか耐えられないシリコン半導体とは異なり400度でも動作する。強度が高く、かつ体積を10分の1の水準に減らすことができる。

SKシルトロンはSiCパワー半導体用ウエハーを次世代有望事業に選定し、昨年は果敢な投資を断行した。SKシルトロンは昨年2月、米デュポン社のSiCウェハー部門を4億5000万ドル(約5400億ウォン)で買収した。

SKシルトロンの投資の確かさは1年めで証明された。最近、世界各国が内燃機関の新車販売中止方針を発表し、SiCパワー半導体への関心はますます高まっている。 SKシルトロンは市場の先取りのために5年以内に全社の力を集中した大規模な投資を断行し、本格的な増設に乗り出す計画だ。

昨年まで赤字を記録したSiCウェハー事業も、今年は初めて純利益を出す見通しだ。

ヨエルディベロップメントはSiCウェハの市場規模は、2025年には8911億ウォンに達すると予想している。 2025年までの市場規模は1兆ウォンに満たないが、電気自動車の普及が本格化すると成長が加速するものと思われる。業界では2030年以後はSiCウェハ市場の規模は6兆ウォンをはるかに超えるものと期待している。

証券業界によると、米国のクリー(Cree)が40%で、米ツーシックス(Ⅱ-Ⅵ)が約35%の市場シェアを記録している。国内唯一のSiCウエハメーカーであるSKシルトロンは市場シェアで3位だ。 SKシルトロンの関係者は「SiCウェハ市場は一回の受注でシェア順位が揺れ動く、初期形成段階」だとし、「市場シェア増大のための、大規模な投資時期を見計らっている」と説明した。
  • 毎日経済 | パク・チェヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2021-03-18 17:32:27




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