サムスン電子の「秘密兵器」…「平澤P3」着工


サムスン電子の京畿道平澤(ぴょんてく)の「第3キャンパス(平澤P3)」着工が迫った。サムスン電子は早ければ来年4月までに外観の工事を終え、半導体製造装置を搬入する計画を検討中だ。「平澤P3」は2023年初めから本格量産に突入するものと期待される。まず確定した製品は7世代積層(V)NAND型フラッシュメモリと極紫外線(EUV)露光装置を基盤にした10ナノメートル(?・1?は10億分の1m)級のDRAMだ。

半導体業界によると、サムスン電子はこのような内容のP3投資計画を有力に検討している。半導体業界のある関係者は「今月あるいは遅くとも来月には建物の着工が始まる」とし、「来年の4~5月には建物をすべて立ち上げて装置を搬入するだろう」とした。この関係者はまた「最近のサムスン電子の内部では、建設工期を最大限に短縮して時期を早めようという声も出ている」と語った。

  • サムスン電子平澤キャンパスの全景。左から順に平澤1キャンパス(P1)、2キャンパス(P2)が位置している。写真の右側は3キャンパス(P3)が建設される予定だ。 /写真提供=サムスン電子



平澤P3は昨年9月から基礎工事と上部の骨組み工事を行っている。厳密に言えば、工事はすでに始まっている。しかしサムスン電子は基礎工事を終えて、建物を建設し始める時点を着工と規定する。

平澤の3番目の半導体工場であるP3ラインは、少なくとも30兆ウォンから最大で50兆ウォンが投資されるものと業界は期待する。名実ともに国内最大の半導体生産基地だ。 P3の本稼動時期は2023年初だ。これと関連し、来年の下半期から試験生産も本格化するものと予想される。

P3は10ナノメートル級のEUV DRAMと176段以上の第7世代V NAND型メモリを量産する、最尖端のメモリ基地として優先的に計画中だ。しかし大規模取引き先との契約が成立すると、システム半導体の受託生産(ファウンドリー)ラインに一部を転換する可能性もある。

サムスン電子はP3事業を担当するプロジェクト性の組織である「P3-1」を数十人規模で運用することが分かった。半導体業界のまた別の関係者は「P3はNAND型とDRAMの生産が確定し、ファウンドリはまだ具体的な生産計画はない」と説明した。概してサムスン電子のファウンドリラインに対する投資は、大型顧客との新規契約を結んだ時に進められてきた。

平澤はサムスン電子半導体事業の中核生産拠点とされるところだ。サムスン電子は2012年、平澤市などと平澤高徳工業団地の投資契約を締結した。続いて2015年に第1キャンパス(P1)の工事を始めて2017年に竣工し、2018年にはP2も商業運転を開始した。

2015年から造成された平澤キャンパスは総289万平方メートル(約87万4000坪)の敷地を備えている。 P1はメモリー半導体を主に生産するラインが、P2はEUV DRAMと第6世代のV NAND型メモリ、5ナノメートル級のEUV基盤の超微細ファウンドリ製品まで量産する複合生産ラインだ。特にP2は延べ面積12万8900平方メートルで、サッカー場16面の大きさに達する世界最大規模の半導体工場だ。

P1とP2はそれぞれ30兆ウォン以上の大規模な投資が執行された。 P2で直接雇用する人力は約4000人であり、協力社の人力と建設労働者を含めると約3万人以上の雇用創出が発生した。

P2のファウンドリラインとNAND型ラインは、もともとは今年の下半期に本稼動する予定だった。しかしサムスン電子は稼働日程を最大限に前倒しにして、上半期中に完全な量産を開始することに最近方針を変えた。

平澤P2ラインの早期稼動は世界的な「半導体供給大乱」と半導体スーパーサイクルに対応するための措置だ。今年の第1四半期、サムスン電子の米テキサス州オースティンのファウンドリ工場が歴代級の寒波と大雪で1カ月半ほど稼働停止し、世界のスマートフォンメーカーに赤信号が灯った。

ただでさえモバイル・アプリケーションプロセッサ(AP)の供給不足に苦しんでいたスマートフォンメーカーは、オースティン工場から供給されるディスプレイ駆動半導体(DDI)、無線周波数集積回路(RFIC)にまで品薄状態を経験するやいなや、新型スマートフォンの減産を推進したり、発売スケジュールを先送りしている。サムスン電子も今年のギャラクシーノートの新製品発表をスキップし、来年に新型モデルを出すことにした。サムスン電子はP2を早期稼動するだけでなく旧型の半導体ラインまでフル稼働し、顧客社のニーズに対応することにした。

  • サムスン電子が京畿道平澤2キャンパス(P2)で量産している10ナノメートル級のモバイルDRAM



サムスン電子がP3の着工を急ぐのは、競合他社の猛追からでもある。米マイクロンは昨年、176段の第7世代V NAND型メモリを世界で初めて量産すると発表し、サムスン電子を緊張させた。 SKハイニックスも最近、利村のM16新工場を竣工して下半期からEUV DRAMを生産する計画だ。

サムスン電子は平澤に、長期的に3基の工場をさらに建設する計画だ。 2025年までに3つの工場を着工するという目標だ。追加の工場をすべて建設するために投入される資金は総100兆ウォン以上と推定される。これに関連して昨年、サムスン電子は平澤市にP4~6工場の建設に備えて工業用水を追加で確保してほしいと要求した状態だ。半導体業界ではP4~6ラインが尖端メモリだけでなく、3ナノメートル級以下の超微細ファウンドリ製品までを量産する拠点となるものとみなす。

  • イ・ヂェヨン サムスン電子副会長(右から3人目)、キム・ギナム サムスン電子デバイスソリューション(DS)部門長(副会長)などがサムスン電子の半導体の社長団と協力社の代表者と一緒に1月4日、京畿道平澤事業場で半導体装置の搬入式を進行している。写真提供=サムスン電子



李在鎔(イ・ヂェヨン)サムスン電子副会長は、平澤をグローバル半導体クラスターとして集中的に育成してきた。同氏は父親の故李健煕(イ・ゴニ)サムスン会長が病床に入った2014年から、平澤半導体団地を直接管掌した。

李副会長は今年、最初の外部日程として去る1月4日に平澤基地を訪れた。同氏はこの日、P2ラインのファウンドリ装置の搬入式を主管して、半導体事業部の社長団および協力社の代表者らと中・長期戦略を議論した。続いてP3の建設現場も視察した。

サムスン電子は現在まで、別途のP3着工イベントを計画していないことが伝えられた。サムスン電子は当初P3着工イベントを準備して、大規模な投資計画も発表する予定だったが、李副会長が去る1月18日に国政壟断裁判破棄差し戻し審で実刑が確定して計画は霧散した。
  • 毎日経済 | イ・ジョンヒョク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2021-05-08 11:35:08