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現代オイルバンク、水素市場へ進出…「脱精油」を加速


  • 現代オイルバンク、水素市場へ進出…「脱精油」を加速

現代オイルバンクの「脱精油」の速度が速くなっている。精油事業の売上げの割合を現在の85%から2030年には40%台に減らし、水素事業の比重を拡大するという計画を立てた現代オイルバンクは最近、相次いで関連企業との協力を発表して親環境(環境にやさしい)水素企業に生まれ変わるための足場固めに乗り出している。

現代オイルバンクは10日、韓国南東発電と「再生可能エネルギー事業共同開発協力のための覚書(MOU)」を最近締結したと明らかにした。両社は水素燃料電池を活用した再生可能エネルギー発電事業の共同推進を検討していく予定だ。

現代オイルバンクは水素を生産して供給し、韓国南東発電はこれまで培ってきた燃料電池発電所の運営ノウハウを提供し、電気を生産する合弁会社設立も推進することにした。合弁会社で生産する電気は「水素発展義務化制度」に基づいて選定される義務購買者に供給・販売する方針だ。政府の計画によると、2040年までに国内の水素燃料電池での発電容量は現在の650メガワットの約12倍の水準である8ギガワットに増え、年間の市場規模は約7兆ウォンに達する見通しだ。

現代オイルバンクは、原油精製の副産物と天然ガスなどを原料に年間に水素10万トンを生産して輸送・発電燃料として供給し、その過程で生成される炭素を建築材料やドライアイスと肥料などに変える持続可能な「ブルー水素(二酸化炭素を捕集して生産する水素)生態系」の構築を準備している。

韓国南東発電は2006年、国内発電会社では初めて水素を原料として活用する燃料電池発電を導入しており、太陽光発電と風力発電やエネルギー貯蔵装置(ESS)などの豊富な再生可能エネルギー事業に関する経験も有している。

現代オイルバンクの関係者は、「製油工場の運営で蓄積された現代オイルバンクの水素製造能力と、韓国南東発電が保有している親環境発電技術が接ぎ木できれば、効率性と価格競争力を同時に高めることができて相乗効果が期待される」とし、「両社は今回のMOUをはじめとし、今後の再生可能エネルギー分野でさまざまな事業協力を模索する計画だ」と明らかにした。

先だって現代オイルバンクはグローバル1位の水素製造企業である米エアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社と覚書を締結し、水素技術の高度化にも取り組んでいる。現代オイルバンクの親会社である現代重工業グループは去る3月、陸上と海上で水素生産から輸送・保管・活用に至る水素バリューチェーンを構築するというグループの水素事業ビジョン「水素ドリーム2030ロードマップ」を発表した。現代オイルバンクはホワイトバイオおよび親環境化学物質とともに、ブルー水素を3大環境未来事業に選定した。ブルー水素はグリーン水素(製造過程で二酸化炭素が発生しない水素)と比較したときに製造単価が低くて生産効率も高く、現在は最も経済性が高い水素の親環境生産方式としてあげられる。

現代オイルバンクは海外から液化石油ガス(LPG)を輸入した後、ブルー水素を生成し、これを車両・発電用燃料として販売していくことにした。2024年までに設立する予定である液化天然ガス(LNG)ボイラーの燃料として「高純度アンモニア」も一部活用する方針だ。アンモニアを発電所の燃料として活用することで、二酸化炭素の排出量を大幅に削減することができる。
  • 毎日経済 | ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2021-05-10 19:09:27




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