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斗山重工、脱原発の突破口を風力発電に見出す


  • 斗山重工、脱原発の突破口を風力発電に見出す

斗山重工業は国内で最大規模の海上風力発電団地に資材を供給する。政府の脱原発政策の影響で深刻な経営難を経験した斗山重工業は最近、風力・水素などの再生可能エネルギー事業を前面に出し、「親環境(環境にやさしい)エネルギー企業」として急速に変身している。

斗山重工業は7日、韓国電力技術と100メガワット規模の済州翰林(ハンリム)洋上風力発電資材供給契約を締結したと発表した。今回の契約にもとづいて、斗山重工業は5.56メガワット級の洋上風力発電機18基を供給する。契約金額は1900億ウォンに達する。竣工後の風力発電機の長期保守契約は別途に締結する計画だ。

済州翰林洋上風力発電事業は、済州市北西部の翰林港近くの海上に造成される。事業主は韓国電力と韓国中部発電や現代建設および韓国電力技術などで構成された済州翰林洋上風力(株)だ。設計・調達・施工(EPC)は現代建設・韓国電力技術・韓国エネルギー総合技術などが共同で行う。斗山重工業は風力発電機の製作・納品とメンテナンスサービスを提供する。竣工予定日は2024年4月だ。

斗山重工業が今回供給する5.56メガワット洋上風力発電機は、ブレード(翼)の長さだけでも68メートルに及ぶ大型製品だ。最大で風速70メートルの強い台風に耐えられるように設計された。実際、済州の金寧(きむにょん)に設置された試作品は、2016年に最大風速56.5メートルを記録した台風チバにも正常に稼動した。 5.56メガワット海上用モデルは2019年、国際認証機関ULで国際形式の認証を受けた。パク・インウォン斗山重工業EPC BG副社長は「政府の再生可能エネルギー3020政策の発表後に行われた最初の洋上風力団地であり、国内最大規模の済州翰林洋上風力発電に参加することになって意味深い」とし、「韓国洋上風力発電産業の競争力を立証する先例になるように最善を尽くし、国内の風力産業の生態系活性化にも力を尽くす」と語った。

斗山重工業は2016年にも、国内初の商用海上風力発電所である済州耽羅(タムラ)洋上風力発電所に1500億ウォン規模の機材を供給する契約を締結した。これに先だって2015年には1400億ウォン規模の西南海洋上風力発電所への機材供給件を獲得したりもした。今年初めには昌原本社に風力第2工場を竣工して人材を拡充し、成長性の大きい洋上風力発電市場に備えている。斗山重工業が保有している洋上風力発電機モデルは3メガワット級と5.5メガワット級だ。 2022年からは8メガワット級モデルを商用化する予定だ。

斗山重工業は洋上風力発電と水素事業にも速度を出している。現在、2022年の完工を目標に昌原工場用地に水素液化プラントを建設中だ。水素液化プラントが完成すれば、高効率の二酸化炭素回収・活用・保存技術を適用して、ブルー水素を生産する計画だ。水素は二酸化炭素の発生量に応じてグレー水素、ブルー水素、グリーン水素などに分けられる。生産過程で二酸化炭素が生じるグレー水素に比べ、ブルー水素は炭素排出が少ない水素だ。風力発電を利用したグリーン水素の製造も準備している。

水素ガスタービンの開発にも集中している。斗山重工業は今月初め、韓国中部発電と国内水素ガスタービン活性化のための業務協約を締結した。去る3日にも蔚山広域市と韓国東西発電、SKガスなどとともに水素ガスタービンの実証事業推進のための業務協約を結んだ。水素を燃料として使用する発電所は、既存の液化天然ガス(LNG)ガス複合発電所に比べて汚染物質の排出が少ないことが特徴だ。韓国機械研究院によると、水素を30%混焼するLNG発電所に比べて二酸化炭素の排出は10.4%削減される。 50%混焼時には21.4%まで削減することができる。水素全焼発電所は二酸化炭素の排出がない。

水素は炭素中立(カーボンニュートラル)のための解決策の一つとして注目されている。このため、米・独・日などの主要企業は各国政策と連携し、水素ガスタービン事業に積極的に乗り出している。
  • 毎日経済 | ソン・グァンソプ記者
  • 入力 2021-06-07 17:23:41




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