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ハンファ、グリーン水素の輸送・貯蔵システムを構築


ハンファグループは親環境(環境にやさしい)エネルギーとして水素を生産する、「グリーン水素」バリューチェーンの構築に速度を出している。最近は輸送用水素タンクの開発で成果を出すなどの成果も相次いでいる。ハンファグループは今後、水素ステーションの必須設備である高圧コンプレッサーとグリーン水素製造のための水電解技術などの能力を確保し、事業領域を拡大する計画だ。

ハンファソリューション先端素材部門は30日、車両用水素燃料タンクの欧州認証を受けた。年初にはドローン用水素燃料タンクに対する国内認証を終えた。ハンファソリューションは国内の大企業が生産するドローンへの納品を推進する計画だ。水素高圧タンクのスタートアップ米Cimarron(シマロン)を買収してから6か月ぶりだ。ハンファソリューションはチューブトレーラーなどを通じた水素輸送用燃料タンクの認証も準備中だ。

ハンファソリューションが水素バリューチェーンのなかでも特に輸送と保存などの技術開発に速度を出すのは、水素の利点を生かすためには生産と活用以上に、保存と普及に関連する技術が重要だからだ。水素は700バール(bar/1バールは1気圧)以上の高圧で圧縮すると輸送効率が高くなるので、一般的な燃料タンクの技術では限界がある。

実際に、現在の水素輸送手段として使用されるチューブトレーラーは、平均的な水素自動車50台分の水素のみを輸送できることが現実だ。似たような大きさのタンクローリーが乗用車400台分のガソリンを積んで走ることと対照的だ。

昨年にハンファソリューションが米シマロンを買収した理由も、水素貯蔵能力を保持するためだ。シマロンは2008年にアメリカ航空宇宙局(NASA)の内部ベンチャーとしてスタートした企業だ。シマロンは世界で最も高い圧力(517バール)で水素を保存することができる。

ハンファソリューションは先だって2019年には、テグァンフージキンから水素タンク事業を買収した。ハンファソリューションは今後、チューブトレーラー技術などを活用して、水素充填所用の貯蔵ソリューション事業と水素運搬ソリューション事業などにも進出する計画だ。ハンファグループはハンファソリューションの水素タンク技術基盤が確保されたなら、バリューチェーンの構築に速度を出す予定だ。ハンファソリューションが保有する太陽光発電の力量を通じて、親環境エネルギーとして生産したグリーン水素バリューチェーンを構築することが核心だ。

業界ではこのような理由で、ハンファグループが今年の初めに発足した宇宙「スペースハブ」のように、水素タスクフォースを立ち上げる可能性も提起される。ハンファグループはすでにグリーン水素の製造から供給までの全サイクルにわたって、水素事業の力量を大きくしているからだ。ハンファソリューション内のハンファQセル部門が再生可能エネルギーを、ケミカル部門は水素の生産を、尖端素材部門は水素貯蔵を担当するという式だ。さらにハンファパワーシステムが充填ビジネスを、ハンファエネルギーとハンファ総合化学が水素燃料電池の活用事業などを推進している。

ハンファソリューションは6月、高速道路のサービスエリアなどに水素充電網を構築している現代グロービスに、車両燃料用水素を供給すると明らかにした。 8月から2年間で総48トンの水素を供給する予定だ。まだ事業初期段階であることから契約規模は大きくはないが、今後ハンファソリューションは車載用水素の充填インフラが拡大するにつれて供給を増やしていく計画だ。

グリーン水素を通じた燃料電池発電も技術開発を加速している。ハンファソリューションは燃料電池に使用される分離膜を開発している。業界ではハンファソリューションが2025年ごろには分離膜の商用化が可能だろうと見通した。ハンファパワーシステムは昨年、コンプレッサーと高圧容器や冷却装置などの機材をコンテナ内に設置するパッケージ型水素充填システムを開発して韓国ガス公社に供給した。このパッケージシステムはこれまでの方法と比較したとき、設置面積と期間や構築費用などを削減することができる。ハンファパワーシステムは国内初で天然ガス供給管理所を基盤にした水素ステーションに適用される水素充填システムの実績も確保することになった。
  • 毎日経済 | チェ・グンド記者
  • 入力 2021-06-30 21:37:21




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