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ロッテケミカル、エチレン生産のLPG投入量増やす

親環境事業を推進 

  • ロッテケミカル、エチレン生産のLPG投入量増やす

ロッテケミカルはエチレン生産工場の原料としてナフサの比重を減らし、液化石油ガス(LPG)の使用量を大幅に増やす。ナフサと比べて安価な原料を投入することによってコアビジネスの競争力を高めつつ二酸化炭素の排出量を削減するという、2匹のウサギを一度に捕まえるという戦略だ。

ロッテケミカルは5日、麗水・大山工場のエチレン生産原料であるナフサを減らし、LPGの使用量を増やすための原料設備効率化に約1400億ウォンを投資すると明らかにした。大山工場は5月中旬から簡易補修を通じて、設備追加のための事前工事を終えた状況だ。麗水・大山工場はLPG設備のほか、大気汚染排出削減のための工事を追加で進め、環境に影響を与える排出物の削減にも乗り出す。

現在、ロッテケミカルの国内エチレン生産設備のLPG使用量は20%水準だ。ロッテケミカルはこれを2022年末までに40%に引き上げ、今後はエチレン設備の能力に応じて最大50%まで拡大し、原料の多様化に乗り出す計画だ。

ロッテケミカルの今回の投資は、原料の多様化で原油価格の変動にともなうリスクを軽減し、コストを削減するためだ。昨年はコロナ19の拡散による原油価格の下落でLPG価格が上がったことがあるが、一般的にLPGの価格はナフサとの比較で80~90%に過ぎない。

暖房用によく使われるLPGは夏に価格が低下する傾向があるだけに、この時に生産工程にLPGの導入を増やせば原料費を削減することができる。 LPG価格が原油価格と大きく連動しない限り、原油価格の変動が激しい時期にLPGを使用すると、予測可能性を高めることができる点もメリットとしてあげられる。またLPGは同じ量のナフサ比より多くのエチレンを製造することができるし、二酸化炭素の排出量も相対的に少ない。業界によると、LPGを原料として使用すると、ナフサとの比較で炭素排出量は約8%減少したという。

ロッテケミカルのLPG投入は辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長が強調したコア事業の競争力強化と結びつく。シン会長は1日に開催されたロッテグループVCM会議で、「実績は改善される傾向だが、私と最高経営責任者(CEO)らは変化と革新のためにさらに率先しなければならない」とし、「新事業の発掘とコア事業の競争力強化のために努力して、量的に意味のある事業よりは高付加価値事業を優先的に考慮する必要がある」と強調している。

1日、ロッテケミカルが売上げ規模878億ウォンの発泡ポリスチレン(EPS)の生産を中断し、高付加合成樹脂(ABS)の生産拡大に乗り出した理由も、シン会長が強調したコア事業の競争力強化のための戦略だった。

ロッテケミカル基礎素材事業のファン・ジング代表は「変化する事業環境に合わせて、競争力のある設備投資を適時に進行することが重要だ」とし、「低炭素原料への転換と炭素排出削減など、ESG経営の観点から具体的な実践を続けていきたい」と語った。

エチレンは石油化学の「米」と呼ばれる。石油や天然ガスから精製して得られるエチレンプラスチック、ビニール、接着剤、合成ゴムなどの日常生活に必要なさまざまな製品を作ることができる。ロッテケミカルは国内の麗水と大山で約230万トンのエチレンを生産しており、米国およびマレーシアなどの国外生産拠点を合わせると計450万トンのエチレン生産量を保有し、国内1位と世界7位レベルのエチレン生産量を記録している。
  • 毎日経済 | ウォン・ホソプ記者
  • 入力 2021-07-05 20:11:39




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