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韓ヒュビス社、生分解ポリエチレン繊維を本格量産

親環境パラダイムに合致 

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韓国化学繊維の企業ヒュビス(Huvis)は「生分解繊維」の大量生産に乗り出す。地面に埋めたときに自然分解されて消える繊維が国内で初めて発売されるだけに、まだ市場自体が形成されていない分野だ。ヒュビスは生分解繊維分野の「ファーストムーバー(先導者)」として親環境(環境にやさしい)市場を開拓し、環境・責任・透明経営(ESG)中心の事業ポートフォリオを強化していく戦略だ。

15日の業界によると、ヒュビスは国内の化学企業で初めて生分解ポリエチレンテレフタラート(PET)繊維である「エコエン」の商業生産を本格的に開始した。リサイクル繊維である「エコエバー」もまた、最近は注文が拡大して生産量を拡大した。ヒュビスの関係者は「どちらの製品も過去に研究開発(R&D)に成功した製品だが、最近になって親環境パラダイムとかみ合って注文が増えている」と述べた。

ヒュビスが国内で初めて開発したエコエンは、埋め立てたときに生分解されるPET繊維だ。合成繊維はプラスチックと同様に原油から抽出した原料で作られる高分子物質で、数百年経っても腐らない。多くの企業が生分解されるプラスチックを利用して生分解繊維の製造に乗り出したが、耐熱性や耐久性が弱く、ほとんどが失敗した。プラスチックを火のそばに置くと形が変わるように、プラスチック製の繊維はアイロンがけが不可能だっただけでなく、服がすぐに破れる欠点があった。ヒュビスの研究陣は生分解性高分子物質にPETを混ぜ、熱によく耐えながらも生分解される繊維を作ることに成功した。

ヒュビスは生分解繊維を2011年に開発したが、当時は市場も形成されておらず、何よりも大量生産が難しいことから商業化に失敗した。 2019年には世界的な化学企業の米デュポン社も生分解繊維の生産に乗り出したが、収支が合わず事業から撤退した。しかし昨年、ESG経営が話題に浮上したことで生分解繊維に対する関心が高まるやいなや、ヒュビスは特殊な反応器を作って国内初の生分解PET繊維の大量生産に成功した。生分解繊維はアイロンも可能なだけでなく、5年以上も着ることができるほど丈夫だ。埋め立て時には3年以内に生分解される。

ヒュビスは今年の150トンを手始めに、来年からは年間3500トンを生産・販売する計画だ。ヒュビスの関係者は「市場はまだ大きく形成されていないが、環境に配慮する流れに乗って売り上げがますます拡大している」と語った。ヒュビスはエコエンをアウトドアブランドだけでなく、フィルターと衛生材(おむつ)などに用途を拡大し、市場を形成していくという戦略だ。

廃棄されたPETボトルをリサイクルした繊維「エコエバー」は2009年に開発し、サッカー国家代表チームのユニフォーム用に生産した。しかしエコエンと同様に、親環境市場が成熟していなかったことから販売は芳しくなかった。やはり最近になって廃プラスチックのリサイクル市場が大きくない、エコーエバーを要求する企業が増えている。ヒュビスは今年の3月、国内で回収されたPETボトルで高純度のリサイクル用原料を生産する独自の設備を備え、リサイクル原糸まで一括生産体制を構築した。

ESG経営が話題になったことでSK総合化学やロッテケミカルをはじめ、国内の化学企業が廃プラスチックのリサイクル事業に乗り出している。

ヒュビスはSKケミカルとともに、今年の第3四半期に国内初の化学的リサイクル方式の繊維である「エコエバーCR」を出荷することにした。このためにSKケミカルは廃プラスチックと廃衣類などを化学反応を利用して分解したポリマーを供給し、ヒュビスはこれを活用して繊維を作る計画だ。ヒュビスの関係者は「さまざまなリサイクル繊維を作ることにとどまらず、独自に保有する生分解技術を組み合わせていく」と語った。
  • 毎日経済 | ウォン・ホソプ記者
  • 入力 2021-07-15 19:14:38




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