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カカオモビリティの「無限疾走」…相次ぐ新規領域の拡張


  • カカオモビリティの「無限疾走」…相次ぐ新規領域の拡張

国内最大のモビリティプラットフォームであるカカオモビリティ(Kakao Mobility)は、相次いで新規領域を拡張している。今年に入って航空券の予約や電動キックボードのような多様な交通手段だけでなく、最近ではバイク便や宅配便などの物流領域にも目を向ける姿だ。今後はティーマップモビリティ(TMAP MOBILITY)が最初に進出したミドルマイル(貨物)の領域まで連結する可能性が高い。また長期的には車両整備だけでなく、さまざまなサービスをオンライン(アプリ)基盤でコールするサービスで力量も強化する見通しだ。

23日の業界によると、カカオモビリティは「貨物マン」をはじめとする、多数のミドルマイル物流企業との協力・投資関連の議論を進めている。ベンチャー投資(VC)業界では、カカオモビリティが去る5月にティーマップモビリティに買収されたミドルマイル物流スタートアップのYLPにも関心を見せたことが分かった。カカオモビリティの関係者は、「現在はクィックサービス(バイク便)と宅配便のような小貨物中心のラストマイルサービスをさらに強固にしていくことに集中している」とし、「ミドルマイルの分野にも事業的なチャンスがあるか関心を持って見ているが、長期的な観点で接近している」と語った。同氏は「現時点としては直接市場事業者になるよりは、カカオTプラットフォームを介して各企業とのシナジーを出すことができる方向で接近している」と説明した。

カカオモビリティは今年に入って、さまざまな交通手段を網羅するにとどまらず、物流を含む新事業の拡大にもスピードを出している。去る1月には韓国鉄道と連携した「カカオT列車」をリリースし、アプリを通じて接続できる交通手段のラインナップを拡大した。カカオT列車は列車の切符の前売り・発券・路線案内までをカカオTアプリですべて行うことができるサービスだ。

3月には洗車・整備業者と手を組んで、カカオTアプリ内で訪問型サービスを受けることができる「私の車管理」サービスをオープンした。同月にはペット専用タクシー「ペットミーアップ」とレンタカーサービス「ディルカー」の買収契約を締結し、それらの事業に領域を広げた。 6月にはカカオTクイック・宅配試験サービスを開始し、小貨物中心の物流領域に事業を拡大した。航空券の予約「カカオT航空」サービスを開始し、フライトの検索から予約発券までをカカオTアプリで可能にした。今月はカカオTクイックを全国に拡大し、韓進と宅配サービス高度化のための了解覚書(MOU)を締結するなど、事業拡大を予告している。

昨年は加盟タクシー「カカオTブルー」の提携を大幅に拡大するなど、タクシー関連の力量に力を注いだならば、今年は既存の事業領域ではなく、プラットフォームを活用した新事業に重みをのせる形だ。

カカオモビリティは総合交通プラットフォームサービス型モビリティ(MaaS)にとどまらず、「人の移動」「事物の移動」「サービスの移動」という3つの軸で事業を推進している。航空と列車が人の移動に属する事業拡大であれば、各種の物流サービスは事物の移動、訪問洗車とメンテナンスはサービスの移動側に属する新事業だ。

カカオモビリティの関係者は、「タクシーの呼び出しだけでなく、さまざまな交通手段を接続することは基本で、消費者がアクセスしにくかった宅配などの物流サービスをオンラインで簡単に接続し、オンラインビジネス能力が必要なさまざまなサービス事業者もプラットフォームを介して消費者と接することが事業の方向」だとし、「現在は洗車やメンテナンスなどの車両関連サービスのオンラインへの移行を支援しているが、今後は分野に限定されず、移動サービスに適した事業者であれば誰でも加入できるよう事業を拡大する計画だ」と説明した。

カカオモビリティの積極的な拡張はプラットフォームの競争力強化だけでなく、投資誘致と上場を念頭に置いた措置だろうという分析も出ている。カカオモビリティは継続する投資誘致の過程で、企業価値を大幅に上げた。またカカオペイ、カカオバンク、カカオエンターテイメントに続いて上場を推進するカカオの子会社にあげられている。

カカオモビリティは2017年、世界的なプライベートエクイティ運用会社のテキサス・パシフィック・グループ(TPG)コンソーシアムから5000億ウォン規模の投資を誘致した後、数年のあいだ投資誘致がなかった。しかし今年に入って積極的に資金を引き込んでいる。 2月にはカーライル・グループから2200億ウォンの投資を受けたし、3月にはグーグルから565億ウォンに相当する投資を誘致した。 6月には再びTPGコンソーシアムとカーライルから、それぞれ1307億ウォン、と92億ウォンを受けた。今月に入ってもLGから資金1000億ウォンを輸血した。

カカオモビリティは相次ぐ投資を通じて、4兆ウォンを超える企業価値を認められたことが分かった。投資銀行業界(IB)の関係者は、「カカオモビリティが投資誘致と上場に成功するためには、売上げと企業価値を引き上げることが必須」だと分析した。
  • 毎日経済 | オ・デソク記者
  • 入力 2021-07-23 22:01:47




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