これに先立ってポスコは去る1月、タンザニアのマヘンジ(Mahenge)黒鉛鉱山を保有しているブラックロックマイニング(BlackRock World Mining)社の株式の買い入れも発表している。このような投資はポスコケミカルの黒鉛鉱権から中間原料と素材生産に至る陰極材事業バリューチェーン全体を完成させて、事業の競争力を大幅に高めたという評価だ。
ポスコケミカルが陰極材原料への投資に積極的に乗り出すのは、国内で唯一の黒鉛陰極材企業として、事業の生態系を直接構築する必要性が切実だからだろうと分析される。リチウムイオン電池の専門市場調査機関であるベンチマークミネラルインテリジェンス(Benchmark Mineral Intelligence/BMI)の最近の発表によると、全世界に105社の陰極材企業がある。中国の82社と日本の10社そして米国6社などだが、韓国はポスコケミカルが唯一だ。 2010年に天然黒鉛陰極材事業に進出したポスコケミカルは、10年ぶりに国産化という成果を超え、2020年には世界シェア11%と世界4位を記録した。