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ポスコケミカル、陽極材に続き陰極材にも積極投資


  • ポスコケミカル、陽極材に続き陰極材にも積極投資

  • ポスコケミカルが段階的に増設している世宗陰極材工場の全景。 [写真提供=ポスコケミカル]



ポスコケミカルは陰極の材原料である黒鉛を安定的に確保するなど、原料の採掘から中間原料そして素材生産に至る陰極材事業の全部門にわたるバリューチェーンの構築に拍車をかけている。陰極材は電気自動車用バッテリーの4大核心素材(陽極材、陰極材、電解質、分離膜)のうちで、国内の産業基盤が脆弱な素材としてあげられる。

26日の業界によると、国内唯一の陽極・陰極材同時生産企業であるポスコケミカルは、陰極材の原料から素材までのバリューチェーン構築に速度を出している。最近、中国の球状黒鉛の原料企業である青島重石の持分13%を買収すると発表したことが代表的だ。球状黒鉛は陰極材の中間原料で、黒鉛鉱石の不純物を除去して丸みを帯びた粒子状に加工し、エネルギー容量と寿命性能を向上させる役割を果たす。

国内バッテリー3社はもちろん、米国のUltium Cells(アルティウム・セルズ)などを顧客に確保しているポスコケミカルが急増する受注に対応するために、中国内で最大のグラファイト加工企業とパートナーシップを結んで安定した黒鉛原料の確保に乗り出したわけだ。

ポスコケミカルは去る8月に陰極材のコーティングに必要なピッチの国産化のための投資にも乗り出した。ピッチは石油を蒸留して製造する炭素素材で、子会社であるピーアンドオーケミカル(P&O Chemical)が年1万5000トンを生産する計画だ。これはこれまでコーティングに使用された原料と比較して性能を大幅に高めた製品で、グローバルな二次電池の素材企業へも販売も推進する計画だ。業界では2030年までにピッチの需要は約27万トンに達すると予想する。

これに先立ってポスコは去る1月、タンザニアのマヘンジ(Mahenge)黒鉛鉱山を保有しているブラックロックマイニング(BlackRock World Mining)社の株式の買い入れも発表している。このような投資はポスコケミカルの黒鉛鉱権から中間原料と素材生産に至る陰極材事業バリューチェーン全体を完成させて、事業の競争力を大幅に高めたという評価だ。

ポスコケミカルが陰極材原料への投資に積極的に乗り出すのは、国内で唯一の黒鉛陰極材企業として、事業の生態系を直接構築する必要性が切実だからだろうと分析される。リチウムイオン電池の専門市場調査機関であるベンチマークミネラルインテリジェンス(Benchmark Mineral Intelligence/BMI)の最近の発表によると、全世界に105社の陰極材企業がある。中国の82社と日本の10社そして米国6社などだが、韓国はポスコケミカルが唯一だ。 2010年に天然黒鉛陰極材事業に進出したポスコケミカルは、10年ぶりに国産化という成果を超え、2020年には世界シェア11%と世界4位を記録した。

ポスコケミカルは今後、天然黒鉛の陰極材に続き、電気自動車用バッテリーに主に活用される低膨張陰極材と人造黒鉛陰極材やシリコン陰極材などでポートフォリオを多様化する計画だ。

ポスコケミカルが国産化を推進する人造黒鉛陰極材も、すでに原料の確保を終えた状態だ。人造黒鉛陰極材の原料はポスコケミカルの子会社であるピーエムシーテック(PMCTECH)で生産する針状コークスを活用する。ポスコケミカルは陰極材量産能力を今年の4万4000トンから2025年に17万2000トン、2030年には26万トンにまで拡張し、世界シェアを高めていく計画だ。
  • 毎日経済 | イ・ユンジェ記者
  • 入力 2021-09-26 20:19:14




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