ポスコ、「溶鉱炉」2050年に消える…水素還元製鉄へ移行


国内最大の温室効果ガス排出企業から親環境(環境にやさしい)リーダー企業への変身を図っているポスコは、炭素中立(カーボンニュートラル)ビジョンの核心と言える水素還元製鉄技術を2040年までに開発するという青写真を出した。

ポスコ産業ガス・水素事業部のユ・ビョンオク部長(副社長)は29日、ソウル市江南区のポスコセンターで記者懇談会を開き、「単一事業で国内最大の需要先となる水素還元製鉄は、2040年の技術開発完了を目指して国策研究を進行中」だと語った。

水素還元製鉄とは鉄鉱石から鉄を生産する際に、石炭の代わりに水素を活用する技術だ。鉄鉱石(Fe2O3)で酸素を分離(還元)すると鉄になる。これまでは石炭から生じるガスが還元剤としての機能を果たし、この過程で二酸化炭素が発生した。

ユ・ビョンオク副社長はまた、「2050年までに現在の高炉(溶鉱炉)方式を、段階的に水素還元製鉄方式に切り替えていく計画だ」と語った。水素還元製鉄技術が導入されると高炉で石炭と鉄鉱石を一つに溶かす工程がなくなるため、最終的には製鉄所で高炉を見ることができなくなる。その空席は「水素流動還元で」が満たすことになる。

これと関連し、ポスコは来月6~7日にソウルグランドインターコンチネンタルパルナスホテルで世界初の「国際水素還元製鉄フォーラム(HyIS 2021)」を開催する。このフォーラムは、水素還元製鉄技術の早期商用化のために鉄鋼企業間の共同協力を強調した崔正友(チェ・ヂョンウ)ポスコグループ会長の提案で開かれる。ポスコ鉄鋼部門のキム・ハクトン部門長(代表取締役社長)は、「水素還元製鉄技術は個々の企業が開発するには莫大な費用と時間がかかる」とし、「現実化を前倒しにするためには、世界の鉄鋼企業間の共同協力が切実な状況だ」と語った。

ポスコ事業のまた別の軸である発電分野にも水素が投入される。ユ副社長は「ポスコのグループ社が運営している液化天然ガス(LNG)発電で混焼発電の割合を徐々に高めていく計画」だとし、「最終的には100%水素で発電する水素タービン発電事業を推進する」と語った。このほかに鉄鋼物流用トラックを水素車に転換し、このために浦項と光陽製鉄所の近くに水素ステーションを構築することにした。これらのポスコビジョンが現実のものとなるためには、革新的な技術開発と信頼性の高い水素の供給が重要だ。ポスコ計算によると、100%の水素還元で年300万トン、発電設備の完全水素稼働では年間200万トンを超える水素が必要だ。

ポスコは2050年に水素500万トンを供給し、国内市場シェア30%を達成するという目標を設定した状態だ。

高炉の廃止をはじめとする、水素還元製鉄にかかる費用は30兆~40兆ウォン規模に達すると推算した。キム・ハクトン社長は「ポスコだけをみたとき、高炉埋没に5兆~10兆ウォン、新規投資に20兆~30兆ウォンがかかると予想する」とし、「ただし一時に投入されるのではなく、工程の変換および設備交換時に合わせて投入されるだろう」と説明した。これとともに同氏は「政府レベルでは金融・税制支援や研究開発(R&D)の支援などが必要ではないかと思う」と付け加えた。
  • 毎日経済 | イ・ユソプ記者
  • 入力 2021-09-30 07:24:34