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DRAM価格の下落が本格化…DDR5が「ゲームチェンジャー」になるか


  • DRAM価格の下落が本格化…DDR5が「ゲームチェンジャー」になるか

今年に入って上昇傾向を続けてきたDRAM半導体の価格が先月初めて下落し、市場ではメモリ半導体の下落サイクルが現実化したという診断が出ている。一部の市場調査機関では、来年のDRAM価格は最大で20%まで下がるだろうという見通しまで出した状態だ。

しかしメモリ半導体市場に対する悲観論が過度に浮き彫りになっているという声もある。特に来年半ばに本格的に市場が開かれると見られる「DDR5」規格のDRAM半導体が、雰囲気を反転させる「ゲームチェンジャー」になるだろうという期待感が高まっている。

2日の業界によると、米Intel(インテル)はDDR5を支援する最初のPC用中央処理装置(CPU)である「Alder Lake(アルダーレイク)」を4日に出荷する。来年の上半期にはアルダーレイクに続き、DDR5を支援するサーバー用CPU「Sapphire Rapids(サファイアラピッズ)」も発売する予定だ。

DDR5 DRAMはいま現在PCとサーバーに使われているDDR4よりも、転送速度と容量は2倍ほど速い製品だ。最近、人工知能(AI)や機械学習などのデータを利用する方式が高度化し、データセンターやスーパーコンピュータあるいは企業向けサーバー市場などで高性能のDDR5に対する需要が持続して大きくなっている。

国際半導体標準協議機構(JEDEC)が発表した規格によると、DDR5は最大伝送速度6400Mbps(メガビット秒)でDDR4(3200Mbps)に比べて2倍速い。サムスン電子製品はこれよりも速い7200Mbpsの伝送速度を出す製品を量産している。また動作電圧は1.2Vから1.1Vに低くなり、消費電力は20%減少します。

半導体業界ではメモリ半導体の業況悪化を既定事実として受け入れる雰囲気だ。近年、世界的にCPUなどのシステム半導体の品薄現象が発生し、モバイル機器から完成車に至るまでの完成品全般に生産支障が発生しており、このような現象がシステム半導体とともに搭載されるメモリ半導体に対する需要の減少につながっているという分析だ。これに加えて「コロナ19」事態で好況を迎えた情報技術(IT)製品全般に対する需要が萎縮し、メモリ半導体の市況はさらに悪化するだろうという展望まで出ている。世界的な部品供給網の問題は、市場の不確実性をさらに拡大させる要因だ。

さらに今年に入って初めてDRAM半導体の固定取引き価格が下落傾向に転じ、市場ではメモリダウンサイクルが現実化したという懸念が出ている。市場調査機関のDRAMエクスチェンジによると先月29日、10月のPC向け汎用DRAM製品(DDR4/8Gb 1G×8 2133MHz)の平均固定取引き価格は前月比で9.51%下落した3.71ドルを記録した。該当する製品の平均固定取引き価格は、昨年11月以来は上昇または維持を継続してきた。去る8~9月には二ヶ月連続で価格維持を記録した後、今月初めて下落傾向に転換したものだ。

このようにDRAM半導体の価格が下落局面に進入した状況だが、業界は7年ぶりに登場した新製品であるDDR5に対する期待感は大きい。既存のDDR4を置き換えて市場の主力製品として定着する過程で、DRAM市場全体の価格を再び引き上げるだろうという見方だ。

業界ではDDR5メモリ価格は同じ容量のDDR4メモリ製品に比べ、最大で2倍のレベルの価格を形成すると予想している。

特に来年からは主要需要先であるデータセンターや、サーバー市場でもDDR5への交換需要が本格的に発生すると予想される。サーバー市場はポストコロナ時代にも持続的な成長が予想されている。速度と性能だけでなく、低消費電力もDRAMの交換需要を促進するようだ。データセンターとサーバーは大容量の半導体を24時間稼動しなければならず、電力使用量が大きいことから省電力に対する需要が多い。

供給側でもメモリメーカーがDDR4生産施設をDDR5に転換し、DDR4の生産量が減少して価格が小幅に反騰するだろうという見通しも出ている。半導体業界の関係者は「これまでメモリ半導体市場の主力製品が交換される過渡期には、旧製品の価格が反騰する姿を見せた」とし、「7年ぶりに登場したDRAMの新製品に対するメモリメーカーの期待は大きい」と説明した。

市場調査会社のオムディアによると、DRAM市場におけるDDR5の出荷量の割合は今年の0.1%から2022年に4.7%、2023年は20.1%に急増し、2025年には40.5%にまで増えると推算される。一方、DDR4は来年に49.5%で頂点を記録した後は減少し、2025年には8.5%に減る見通しだ。

一方、半導体業界ではメモリ半導体市場に対する見通しが否定的すぎるという指摘もある。業界の関係者は「PC向けの汎用製品とは異なり、国内企業の主力製品であるモバイルとサーバー用DRAMは堅調な価格推移が続く雰囲気」だと説明した。

DDR5市場もサムスン電子とSKハイニックスが主導するものと見られる。サムスン電子は最近、14ナノメートルプロセスに極紫外線(EUV)を適用したDDR5の量産を始めた。 SKハイニックスもDDR5を生産中だ。 DRAM市場3位のメーカーである米マイクロンも先月27日、DDR5の新製品を出荷して競争に飛び込んだ。
  • 毎日経済 | パク・チェヨン記者
  • 入力 2021-11-02 17:38:27




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