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SKガス「2040年に水素事業で売上げ5兆めざす」


国内の液化石油ガス(LPG)業界1位のSKガスは、最近開かれたSKグループの最高経営者(CEO)セミナーで、2040年の水素売上げ5兆ウォンという目標を盛り込んだ「ファイナンシャルストーリー」を公開したことが確認された。市場シェア20%を占めて、国内水素事業者「ビッグ3」に進入するという積極的な目標だ。ファイナンシャルストーリーとは、SK系列会社の未来目標と成長戦略を指す。

  • SKガス「2040年に水素事業で売上げ5兆めざす」

ユン・ビョンソクSKガス代表(写真)は京畿道板橋(ぱんぎょ)に位置するSKガス本社で毎日経済と会い、「SKガスはLPG・液化天然ガス(LNG)を利用して水素時代に向かう橋を築く中」だとし、「産業用・発電用・車両用など、水素生態系のあちこちでコアプレイヤーになる基盤を素早く構築している」と語った。 2019年にSKガスの代表理事に昇進したユン代表は最近、事業モデルを急速に転換している。

これまでSKガスは庶民用のプロパンや車両用燃料などでLPGを販売することが主な事業だったならば、最近はLNGに事業を拡大した後、LPGは抽出水素・混素発電燃料などに用途と使用法を拡大している。抽出水素とはLPG・LNGなどの天然ガスを高温・高圧の水蒸気と反応させて生産するものだ。

ユン代表は今回のCEOセミナーで、今後は水素事業を2段階で進めるという青写真を明らかにして注目を集めた。第1段階はすでに公開された蔚山水素複合団地の建設であれば、第2段階は水素事業をブルー・グリーン・ターコイズ水素などに拡張し、アンモニアを石炭混焼発電などに積極的に活用する形態だ。第1~2段階はすべて水素の導入・生産、貯蔵、運搬と需要に至るバリューチェーンの構築が基本だ。 CEOセミナーで初めて公開された第2段階水素事業は、2・3年以内に検討を終えて事業化に突入する予定だ。

現在、ユン代表は車両用よりも産業用・発電用部門で使用される水素に注目する。同氏は「世界的にネットゼロ(炭素中立)に対する要求が高い」とし、「今後は脱硫設備の水素も二酸化炭素低減のためにグレー水素からブルーあるいはグリーン水素に転換されるだろうし、石炭を使用する製鉄設備も水素還元の製鉄技術の導入が続き、産業用水素の需要は急増するだろう」と説明した。続いて「各発電所は既存の化石燃料に水素を混合する水素混素方式を導入するだろうから、発電用水素の需要も増えるしかない」と付け加えた。

SKガスは蔚山水素複合団地の建設が完工する2025年に、水素事業で売上げ3000億ウォンをあげる計画だ。続いて2030年は2兆ウォンで、2040年には5兆ウォンだ。 SKガスが目標とした市場シェアは2030年10%(50万トン)と2040年20%(200万トン)だ。事実上は国内トップ3の中に入るということだ。

SKガスは現在、蔚山に水素複合団地を建設中だ。 2020年のLNGターミナル着工を皮切りに、△2022年初めにLNG・LPG複合発電所の着工、 △2022~2025年には燃料電池発電所・液化水素プラント建設などが順次進行される。 LNGターミナルと複合発電所は2024年の商業稼働が目標だ。

最近ではLNGでも事業を拡大している。 SKガスはLNGターミナルから出てくる冷熱を活用し、液化水素工場を建設して水素車用の燃料市場も攻略する予定だ。 LNG・LPG複合発電所は総1.5ギガワット規模で、水素混合発電が可能な形態で造成される。

ユン代表はいまの国内の水素経済状況を、ドラマ『イカゲーム』の中で「橋ゲーム」に例えた。前に置かれた橋のうちどれを踏めば生き残れるのか分からない状況は、水素事業を育成する上では挑戦要素が大きいという意味だ。同氏は「いまは水素事業に参加するメンバーが力を集めて橋を一緒に渡り、水素の結実を分ける戦略が必要だ」と強調した。ユン代表は最近、このような次元で国内外の企業とジョイントベンチャー(JV)や投資などの多様な案を議論中だ。 SKガスは現在、水素第2段階事業に事実上進入したと分析される。ユン代表は「米ターコイズ水素企業と技術協力に対する議論を進めた」とし、「近いうちに具体化された結果物を出す」とした。
  • 毎日経済 | イ・ユンジェ記者/写真=イ・チョンウ記者
  • 入力 2021-11-11 08:57:53




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