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サムスン電子、6Gの商用化を強力に推進…米で実証実験


サムスン電子は第6世代(6G)移動通信の商用化を強力に推進し、次世代通信市場の覇権争いはさらに激しくなった。サムスン電子は11日(現地時間)、米国の連邦通信委員会(FCC)に6Gの新しい基本モデルであるプロトタイプを実験すると申請した。

6Gは5Gよりデータ転送速度が最大で50倍速く、遅延時間は10分の1に大幅に減らせることが長所だ。単に速度だけが速くなるわけではない。ひとつの基地局に接続できる機器の数も、今よりもはるかに多くなる。このためにすべての事物がインターネットにつながる「万物インターネット(IoE/Internet of Everything)」時代を開く尖端技術として評価されている。

米国の経済専門誌ブルームバーグは「6G技術を先取りする企業と国家が、次の第4次産業革命の勝者になるだろう」と明らかにした。 6Gが経済・産業はもちろん、政治と国防の領域でも強力な影響力を持っていると評価したものだ。国内外の通信業界では、2030年が6G商用化時代の元年になると見ている。 2010年にLTEという名前で4G時代が初めて開幕し、2019年に5Gが商用化されて以来、10年ぶりに再び新しい超高速通信時代が開かれることになるわけだ。

6G通信を実現するには、少なくとも100GHz(ギガヘルツ)以上の帯域である別名「テラヘルツ(㎔)」領域の周波数帯域が必要だ。現在、韓国で主に使われる5Gの周波数帯域が3.5GHzであることを勘案すればかなり高い水準だ。サムスン電子が去る11日に申請した実験周波数帯域も133~148GHzでKMの領域だ。周波数帯域が高いと、その分だけデータ転送速度は速くなる。しかし障害物による伝搬経路の損失が大きく、伝搬到達距離が短くなるという問題が生じ、高度な通信技術が求められる。けっきょく敏感な電波をどれだけ統制して管理できるかが技術的な覇権を握るカギとしてあげられる。

6G技術開発のスタートは中国が最初だ。中Huawei(ファーウェイ)社は主要な通信機器企業メーカーの中で、最初に2017年に6Gの研究開発に突入した。実際に中国の6G関連の特許は、すでに世界で最も多い数を占めている。去る8月、ファーウェイは中国宇宙科学企業CASCおよび中国最大の通信会社チャイナモバイルとともに2つの衛星を発射して、6Gネットワークの初期探索実験に乗り出した。

最近、中国の国家知識財産権局知識財産権発展研究センターが発表した「6G通信技術特許発展状況報告書」によると、世界の特許出願数量が増加しているなかで、中国の特許出願数が全体の35%を占めて先頭を走っている。韓国は3797社で10%水準だった。

中国の先制攻撃に対して、サムスンが本格的に反撃に乗り出したのは去る6月からだ。 6Gホワイトペーパーを出した後、1年ぶりに国際電気電子工学会(IEEE)の国際通信会ワークショップで140ギガヘルツ帯を活用し、送信機と受信機が15メートル離れた距離で6.2Gbpsのデータ転送速度をデモすることに成功した。サムスンのこの実験は学会で、基礎実験段階にとどまった6G開発を大きく進歩させた技術として評価された。

すぐさまLG電子も6G開発戦争に参加してパイを大きくした。 LG電子はサムスン電子が初めてデモンストレーションしてからまもなくの2ヶ月後、今度は屋外でより遠い距離での実験に成功した。ドイツのフラウンホーファー・ハインリッヒ・ヘルツ研究所で、155~175ギガヘルツの周波数帯域を活用して通信信号を伝送することに成功した。実験は電波干渉の激しい屋外環境で行われ、データの送受信距離は100メートルだった。 LG電子は2019年に韓国科学技術院とともに「LG-KAIST 6G研究センター」を設立したことに続き、今年3月には世界的無線通信テスト計測機器メーカーのキーサイト(Keysight)とのコラボレーションを強化するなど、6Gの核心源泉技術の確保に力を注いでいる。

今回、サムスンが電波使用許可を申請した距離は500メートルだ。周波数帯域もこれまでの実験台だった140ギガヘルツから、130ギガヘルツまでを含む領域に広がった。新しい環境でどれほど有意な成果を成し遂げるかによって、世界の6G商用化の時点も前倒しされる予定だ。

サムスン電子とLG電子が先に進むやいなや、欧NOKIA(ノキア)と米Apple(アップル)なども積極的に追いかけ始めた。ノキアとアップルそして日NTTドコモなどの世界的な情報通信技術(ICT)企業も6Gの研究支援プログラムに参加したり、6Gを担当するエンジニアを採用して関連業界と協力するなど、6G市場の主導権確保競争に参戦した。

ノキアは去る7月、米国国立科学財団(NSF)が主導する6G研究プログラム「RINGS」に創立メンバーとしてした。 RINGSは「弾力的でインテリジェントな次世代システム」を意味するプログラムであり、6G時代のための将来のネットワーク技術を開発するために主要学術機関に資金を支援する。

アップルは今年2月に求人広告を出し、6G無線通信システムの研究・設計を担当するエンジニアを採用し始めた。採用されたエンジニアは6Gシステムの概念定義、革新的なアイデアとアルゴリズムの提案・研究などを進める。今回の採用は5G分野で競合他社に比べ遅れたという評価を受けるアップルが、次世代ネットワーク開発の初期段階から積極的に市場を先取りするという覚悟として解釈される。

一方、サムスン電子が6Gを強く推進することで、ネットワーク事業部の売却に対する噂はおさまっていくものと見込まれる。最近、業界ではサムスン電子の大規模な構造調整の予定と関連して噂が出回った。サムスン電子がネットワーク事業部を売却し、無線事業部の構造調整に乗り出すという内容だ。
  • 毎日経済 | オ・チャンジョン記者/パク・チェヨン記者
  • 入力 2021-11-15 23:30:59




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