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現代重グループ、船体管理ロボットで金脈あてる

船体管理ロボソリューション開発 

  • 現代重グループ、船体管理ロボットで金脈あてる
  • タスグローバル社のロボットが水中で船の掃除をするようす。 [写真提供=タスグローバル]


現代重工業グループはデジタル技術を融合した、最尖端の船体管理市場に進出する。先月に昇進して経営の前面に乗り出した鄭基宣(チョン・ギソン)現代重工業持株社長(写真)が主導する新事業の一つだ。

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17日の財界によると、現代重工業持株系列会社である現代グローバルサービスは、ロボット船体清掃企業のタスグローバル(TAS GLOBAL)と「船体管理ロボソリューション」を開発し、来年から商用化に着手する。

タスグローバルは水中と水面上で船舶に付着して掃除するロボットを開発した、世界で唯一のメーカーだ。釜山にあるこれら両社は、1年以上も船体管理ロボソリューションを共に研究してきた。両社が手を組んだのは、世界的に炭素排出削減と環境保護が造船・海洋業界で最大の話題として浮上し、船体清掃市場が注目されているためだ。

船を運航してみると、船舶の下部にはフジツボや海藻類などがくっつく。これを「汚損生物」と呼ぶ。問題は汚損生物が摩擦抵抗を高めて船の速度を落とし、重量を加えて不要な燃料消費を招くという点だ。さらに船舶の大きさや汚損生物の厚さなどによって、温室効果ガスの排出量が数十%増えるなど、副作用も発生する。

造船業界では汚損生物による損失規模は、30万トン級の原油運搬船(VLCC)1隻を基準にして年間20億ウォンに達するものと推算する。大型船を複数保有する世界的な船社は、年間損失額が1兆ウォンを超えると推定される。さらに他の海域から移ってきた汚損生物が生態系を乱す危険性まで提起されたことから、国際海事機構(IMO)では2023年までに船に付いたすべての汚損生物を収集する案を推進中だ。

両社が開発した事業は、現代グローバルサービスが陸上管制センターで汚損生物による船舶汚染度をスマート・人工知能(AI)システムで測定して船主に知らせ、船主が望むならば入港と同時にカメラ8台を装着したロボットが船体の掃除を行うという方式だ。

これまで大型船舶は1回の清掃時に潜水夫5~6人を4~5日のあいだ投入してきたし、費用は5000万~6000万ウォンに達した。しかも清掃過程で事故が少なからず発生し、手作業であることから汚損生物の完全な回収も難しかった。

しかし両社のロボソリューションを使えば、大型コンテナ船でも短ければ一日で掃除を終えることができる。タスグローバルのキム・ユシク代表は毎日経済新聞との通話で、「同一の作業の質を基準にするならば、コストは従来よりも10分の1ほどに削減される」とし、「世界的なロボット船体清掃市場は現在1兆ウォン規模と推定され、数年内に最低5兆ウォンにまで拡大するだろう」と明らかにした。両社は実証作業を終え、来年に引き渡される船舶のうち30隻あまりに対してロボット船体清掃サービスを供給する計画だ。

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現代重工業グループが現代グローバルサービスを前面に出して世界の船体管理市場に進出し、チョン・ギソン社長の経営能力も照明を受けている。チョン社長は2017年から4年間、現代グローバルサービスの共同代表を務めた。この間、2017年に2400億ウォンだった同社の売上げは昨年は9600億ウォンに達するほど短期間で成長し、今年は1兆ウォンを突破する見通しだ。

チョン社長は先月、社長昇進とともに共同代表職を下りたが、本人の意志に従って設立した会社で主導した新事業であるだけに、持株でも積極的に取り組むものと見られる。権五甲(クォン・オガプ)現代重工業持株会長は2018年の記者懇談会で「現代グローバルサービスは、チョン副社長が船舶維持と保守事業を行うべきだと強く主張して作った会社」だと紹介したことがある。
  • 毎日経済 | イ・ユソプ記者
  • 入力 2021-11-17 18:04:10




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