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サムスン電子、人事制度を大幅改変…シリコンバレー式に移行


  • サムスン電子、人事制度を大幅改変…シリコンバレー式に移行

◆ サムスン、人事制度を革新 ◆

李在鎔(イ・ヂェヨン)サムスン電子副会長が「ニューサムスン」を宣言した後、初めて断行された今回のサムスン電子人事制度の改編は、年功序列をなくして水平的で柔軟な企業文化を造成することが核心だ。サムスン電子が製造業に総力を傾けていた時期に作られた企業文化を、世界的な情報通信技術(ICT)企業に合わせて新たに改編するものだ。

今回の人事制度革新の中で目立つのは、サムスン型ファストトラックだ。副社長と専務の職級を副社長に統合して役員職級の段階を縮小し、職級別の標準滞在期間や勤務年限をなくしたことが核心だ。ここには年齢に関係なく、若くて有能な人材を抜擢し、能力のある経営者を早期に輩出するという意志が込められている。去る9月末の時点で、サムスン電子の役員は総1080人だ。このうち副社長は67人で、専務は129人だ。副社長と専務の職級を統合すれば、サムスン電子には200人あまりに近い次期最高経営者(CEO)候補軍ができるようになる。

ソウル大学大学経営大学院のイ・ギョンムク教授は、「専務や副社長など特定の職級と年俸に限らず、破格的に外部人事をスカウトできる基盤を設けたもの」だとし、「人材スカウト戦争で有利な場を先取りできるようになった」と語った。

特に職級別の勤務年限を廃止する代わりに「昇格セッション」を導入し、若い役員誕生の可能性も高めた。サムスン電子の職級制度はCL(Career Level)4段階になっており、一段階ずつ上がるには8~10年かかる。今後は職級の年限がなくなることから、30代の役員や40代のCEO輩出も可能になる見通しだ。

サムスン電子は今回の人事で役員だけでなく、一般職員の評価体制も変更した。これまで実施された相対評価を絶対評価に変更することにした。絶対評価を原則とするが、5つの評価等級のうちで最上位等級であるEMを与えることができる限度は10%に制限することにした。絶対評価によってこれまでとは異なり、決められた上位考課を獲得するための部署内の過当競争は減り、協力が増える見通しだ。

サムスン電子はまた部署長1人が評価する体制を補完し、競争よりは社員協力を強化するために、同僚評価の「ピアレビュー」を導入する。ここからさらに一歩を進め、サムスンは職員間では尊敬語を使うことにした。また職級が分からないように内部職級表記を削除し、序列化を脱皮し、専門性だけで評価を受けることができるようにした。

サムスン電子は職員の昇進ハードルだけでなく部署間の移動を自由にすることで、勤務環境のフェンスも取り除くことにした。今回の改編を通じて導入される「社内FA(Free Agent)制度」は、同じ部署で5年以上勤務した職員に他の部署に移動できる資格を付与するものだ。ある分野でのみキャリアを積むのではなく、さまざまな職務経験の機会を与えることができる。

海外と国内法人間の人材交流も自由になる。「STEP(Samsung Talent Exchange Program)制度」を新たに導入し、国内と海外法人の若くて優秀な人材を選抜して交換勤務するシステムを作った。イ・ギョンムク教授は「最近のスタートアップ(創業初期企業)がストックオプションのような破格的な待遇を提示し、大企業から離脱する若い人材が多かった」とし、「今回の改編ですばやい内部昇進が可能になり、業務間の障壁もなくすことができるようになることから、人材流出を防ぐところに寄与するだろう」と評価した。

今回の改編はMZ世代(ミレニアル・Z世代)勤務環境改善にのみ焦点を合わせたものではない。定年が過ぎた熟練勤務者も引き続き会社で能力を発揮できるようにした。このために定年以外に「シニアトラック」を別途に作る。現在、サムスン電子は職群別にはやければ55歳から賃金を一部削減し、60歳を定年に引退するようになっている。しかし今後は役員でなくても60歳以上がシニアトラックを利用して勤務できるようになる。

このほか従業員が業務に没入できるように主要拠点に共有オフィスを設置し、社内に自律勤務ゾーンを設ける。サムスン電子は今回の人事制度革新案の導出のために、役職員のオンライン討論会と階層別意見を聴取してきた。今回の人事制度改編はサムスン電子とサムスンディスプレイが対象だ。役員職級の統合はサムスングループ内の他の関係会社も検討中だという。
  • 毎日経済 | オ・チャンジョン記者
  • 入力 2021-11-29 22:11:24