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韓KTと露ヤンデックス、自律走行配送ロボット市場を攻略


ロシアのグーグル(第1検索エンジン)と呼ばれるYandex(ヤンデックス)がKTと手を組んで、国内の「自律走行配達ロボット」市場に年内に進出する。自律走行配達ロボットはさまざまな規制のためにまだ国内では活性化していないが、今後の発展可能性をにらんで露ヤンデックスがあらかじめ市場を先取りしようと国内に上陸するものだ。情報技術(IT)企業のヤンデックスだけでなく、国内スタートアップや自動車業界も市場に飛び込む見通しで、今後は「自律走行配達ロボット」市場が大きく拡大すると見られる。

18日、KTとヤンデックスの自律走行子会社「ヤンデックスSDG(Yandex Self Driving Group)」は、今年末までに自律走行配達ロボットを国内に出荷することにした。すでにヤンデックスの自律走行ロボット「Rover(ローバー)」は2020年末からロシアの一部地域でサービスを開始し、昨年は米国ミシガン州アナーバーとイスラエルのテルアビブなどで公開配送を開始した。時速3~5マイル(5~8キロ)で移動するローバーは、舗装道路や歩行者区域と横断歩道を走行できる。

ヤンデックスは米ウーバーと自律走行の合弁法人を設立するなど、自律走行分野で先導技術を蓄積することに努めてきた。 KTの関係者は「ヤンデックスはローバーを提供し、KTはローバーが韓国でうまく走行できるように通信と韓国GPSをはじめとする、道路走行環境などを支援する次元」だとし、「年内にヤンデックスのローバーが国内に出荷できるようにするつもり」だと明らかにした。

「ロシアの大手」ヤンデックスが国内市場に上陸する理由は、「ラストマイル(last mile)」市場を掌握するためだ。物品を最終消費者に配達する最後の接点区間を意味する「ラストマイル」の世界市場規模は、2030年には現在との対比で7倍以上の約100兆ウォンに拡大すると見込まれる。

サムスン証券によれば、物流の全段階別の費用のうちでラストマイルが占める割合は53%で過半を超えるが、人が必ず必要だった最後の配送段階を自律走行に置き換える場合、莫大なコスト削減効果を出すことができる。ヤンデックスの「四角い箱」型ローバーが韓国上陸を準備する理由だ。

しかし越えなければならない山も多い。

現在、国内法上で自律走行ロボットは「車両」に分類され、人道と横断歩道の走行はできず、30キログラム以上を運ぶ場合は公園内の運行も禁止される。自律走行をする過程で撮影した写真は、個人情報保護法に抵触することがありうる。一部の走行は規制特例で許可されたが、「現場人員同行」という付加条件が付けられており、「半規制緩和」という批判も出ている。

配達大手のペダレ民族社からニュービリティやロボティズなどのスタートアップまでが関連市場に飛び込んでいるが、現行の国内法上での制約が多く、厳密な意味の「自律走行」とはほど遠い。業界関係者は「政府が規制緩和を準備していると聞いている」とし、「ヤンデックスの韓国進出は自律走行ロボット市場そのものを育てる役割を果たすことができるだろう」と見通した。ただし一部では、海外で自律走行力量を大きくした国系IT大企業が、規制緩和を壊して国内市場を独食するという懸念も出ている。

IT・スタートアップ業界が「四角い箱模型」を武器に自律走行配達ロボットに飛び込んでいるならば、自動車業界は異色のロボット犬型でこの市場に飛び込んでいる。最近、米国ラスベガスで開かれた「CES 2022」では鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車グループ会長が、基調演説の時に連れて出てきたロボット犬「スポット」がその代表的な例だ。ロボット犬のスポットはドアを開けたり物を集めることができる。独自動車部品会社のコンチネンタルも、同様のロボット犬「アニマル」を自律走行ロボットとして公開したことがある。
  • 毎日経済 | ナ・ヒョンジュン記者
  • 入力 2022-01-18 19:35:00




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