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韓国経済の時限爆弾は家計負債 史上最大の1900兆ウォン


  • 韓国経済の時限爆弾は家計負債 史上最大の1900兆ウォン
  • 韓国銀行

◆家計負債に警告した李昌鏞(イ・チャンヨン)◆

1日、李昌鏞韓国銀行総裁候補が、家計負債の鎮火の必要性に触れたのは、史上最大に膨らんだ家計負債に歯止めをかけなければ今後の国内経済にさらに大きな衝撃が吹きつけかねないという危機感が反映されたものと見られる。

韓国銀行によると、家計のローンにカード使用金額を合わせた家計負債は昨年末1862兆1000億ウォンと、1年間で7.8%急増し史上最高を記録した。コロナ19発生後、景気浮揚のため供給されたお金が株式や不動産など資産市場に流れ込み、借金をして投資する現象が強まったことによるものだ。問題は韓国の家計負債が増える速度が際立って速いという点だ。家計負債は昨年だけで134兆1400億ウォン増え、年間基準で歴代2位となる大きな増加幅を記録した。韓国の国内総生産(GDP)比の家計負債比率は、昨年上半期は104.2%と、コロナ19拡散前の2019年末に比べ10.8%伸びた。韓国の国内総生産(GDP)比の家計負債比率は米国(79.2%)、日本(63.9%)、フランス(65.8%)など主要国と比べてもずっと高い。ウクライナ戦争、世界のサプライチェーン(供給網)崩壊、米国の金利引き上げなどの波が押し寄せている中、家計負債が「韓国経済の時限爆弾」に挙げられる理由だ。

韓国銀行は増えた借金が資産市場に流れる中で急にバブルが崩壊する強い衝撃が発生すれば、家計や企業が66兆8000億ウォンに達する信用損失(借金を返せない事態)を負うと分析した。家計と企業の不健全化が他の部門に拡散すれば、韓国経済に全方位的な衝撃が吹きつけかねない状況だ。

延世(ヨンセ)大学経済学部のキム・ジョンシク名誉教授は「これ以上、お金が供給され不動産価格が上昇すれば国内経済は取り返しのつかない状態に陥る可能性がある」とし「新政権の序盤から資産価格の軟着陸に失敗すれば他の政策動力まで喪失する可能性がある」と分析した。

韓国国内の家計負債統計からチョンセ(伝貰)金(保証金一括前払い)が抜けて「死角地帯」が大きいのも問題だ。チョンセ金は、家主が賃借人からお金を受け取り、契約が終了すれば返済しなければならない負債だが、私的金融だという理由で当局の公式統計には含まれていない。銀行圏の融資は住宅価格の20~70%に制限されるが、チョンセ金は通常、住宅価格の50~80%と、これより高く限度もないため銀行からの融資よりも危険性が高いが政府のレーダーには映らないことになる。

ソウル大学経済学部のキム・セジク教授は最近「住宅のチョンウォルセ(保証金を払った後、月払いも同時進行)保証金の規模推定および潜在危険分析」と題する報告書を通じ2020年基準の賃貸借の保証金規模が850兆5700億ウォンに達すると推算した。これを合わせると国内家計負債の規模は2712兆6700億ウォンで3000兆ウォンに迫る。

物価高が当分続くものと見られることも、次期韓国銀行の金利引き上げの決定が説得力を得ている理由だ。この日、イ・オクウォン企画財政部第1次官は物価関係次官会議で「ウクライナ事態の影響が直接、影響を及ぼす3月の物価は石油類を中心に上昇幅がさらに大きくなるという見通しが提起されている」と言及した。来週、発表される3月の消費者物価上昇率が3%台後半を超え4%台に進入する可能性があることを示唆したものと解釈される。

イ・オクウォン次官は「対外環境の不確実性が、どれだけ持続するのか予測が難しく過去より相対的に高い水準の物価上昇率が当分続く可能性も排除できない」と伝えた。
  • 毎日経済 | キム・ジョンファン記者
  • 入力 2022-04-01 17:46:09




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