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SKバイオファーム・韓美薬品・セルトリオン、デジタル治療薬に参戦


バイオスタートアップが主導してきたデジタル治療薬の開発に大型製薬・バイオ企業が参入している。分野も従来の精神・神経系などを超え、糖尿・がんなどに領域が拡大する雰囲気だ。デジタル治療薬と既存薬物がシナジー効果を最大化できるという期待が高い。大手企業の参戦で同市場が大幅に拡大するだろうという予測も力を得ている。

業界が12日に明らかにしたところによるとSKバイオファーム、韓美薬品、セルトリオン、LG化学、大熊製薬、緑十字など韓国大手の製薬・バイオメーカーがデジタル治療薬市場への進出を準備しているか、積極的に検討していることが分かった。

デジタル治療薬とは、デジタル技術を基盤に疾病を予防・管理・治療する目的の新しい概念のデジタル機器を意味する。健康状態管理と医学的障害、疾病の管理・予防、服薬最適化、医学的疾病・障害治療などに使われる。今年は食品医薬品安全処の許可を経た韓国第1号デジタル治療薬が出るものと予想される。ニューナップス(視野障害)、ライフセマンティックス(呼吸リハビリ)、ウェルト(不眠症)、エイムメッド(不眠症)などが現在、食薬処の許可を目標に臨床中だ。

これらが一歩リードしている中、大手製薬・バイオ企業が従来の治療薬市場とのシナジー、事業多角化の側面からデジタル治療薬市場進出計画を立てている。

SKバイオファームは最近、オンライン記者懇談会で脳卒中関連のデジタル治療薬を開発すると発表した。センサーを利用して脳電症の発作を感知・予測できるウェアラブルデバイスを開発するため国内外の企業と協力を検討しており今年、国内臨床に入るという計画だ。また来年、米国CESに参加して発表する案も推進中だ。

業界ではデジタル治療薬が精神・神経系疾患はもちろん、腸の疾患や肥満、糖尿病、がん、認知症など多様な分野で活用されると予想している。糖尿病の新薬を開発中の企業関係者は「糖尿・肥満は飲食摂取の衝動を管理する方式の行動矯正用デジタル治療薬が効果を発揮できる」とし「今年3月、ベター・セラピューティクスの処方型糖尿病治療薬BT-001も糖尿病患者を対象にした従来の治療法との併用療法第3相臨床試験で肯定的な結果を発表した」と説明した。専門家たちもデジタル治療薬の薬物効果は低いが、行動矯正が必要な分野で効果を出すものと見ている。例えばアプリケーションで医師が食事療法を処方し機器で患者の血糖状態や日常生体記録など必要なデータを把握・分析して行動を修正したり処方を変更する方式だ。

バイオメーカーの関係者は「認知症治療薬の開発は容易ではないが、むしろデジタル治療薬が中枢神経系の方で強みを見せる可能性がある」と見通した。例えばアキリが開発した注意力欠乏・多行動障害(ADHD)のデジタル治療薬はアプリゲームで患者の感覚・認知調節に関与する前頭葉皮質を刺激・活性化して注意力を改善する。この原理を活用すれば認知症治療にもデジタル治療薬が十分活用されるという分析だ。 アキリのADHDデジタル治療薬は米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けナスダック上場手続きを進めている。

ただ、デジタル治療薬は薬物ではないだけに独立した治療薬ではなく、薬物とシナジーを出す補完材の性格が強い。韓国と米国の薬品関係者は「精密医療・患者適合型治療などでデジタルヘルスケアが重要と認識されているだけにデジタル治療薬も従来の治療薬と相互補完し治療効果を極大化する方式に発展するだろう」と展望した。

デジタル治療薬の最大の障害物として業界では実際に医師の処方と患者の使用が円滑かどうか不確実だという点を挙げた。デジタル治療薬に対する報酬の算定・補償が明確でないという点も超えるべき山だ。
  • チョン・スルギ記者
  • 入力 2022-04-12 17:24:48




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