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SKシグネット、電気自動車充電器で世界1位を狙う


  • SKシグネット、電気自動車充電器で世界1位を狙う
  • SKシグネットの霊光(ヨングァン)工場で最終出荷を控えた超急速電気自動車の充電器がソウルEVと連結され充電性能の点検を受けている。[写真提供=SK]



「タイカンを発売する2か月前にポルシェのエンジニアがドイツから車を運んできました。メルセデス・ベンツの最高級電気スポーツ・ユーティリティ・カー(SUV)EQSも最近、訪問しましたが、今日はサンヨン自動車が秘密裏に開発中の電気自動車3台を運転してきました」

ソウルから300キロ離れた全羅南道(チョルラナムド)霊光郡(ヨングァングン)の対馬(デマ)電気自動車産業団地。フォルクスワーゲンやBMW、トヨタ、現代自動車など世界的な完成車メーカーはもちろん、車両共有会社のウーバー(Uber)まで、ここを訪れる人々が後を絶たない。世界2位の電気自動車の充電器メーカー(累積販売4万2000台あまり)のSKシグネットとともに次世代電気自動車の性能を点検し充電事業の協力を議論するためだ。

今月20日、メディアに初めて公開されたSKシグネットの霊光工場は入口からケーブル、電力半導体、コネクトなど部品数十種がぎっしり置かれていた。全世界の供給網の不安などで経営難を訴える企業とは違って押し寄せる仕事に職員たちは忙しく動いていた。 現代自動車グループの電気自動車充電所ブランド「E-PIT」の充電器供給会社に選定されたのに続き米国の電気自動車充電1~2位の事業者であるエレクトリファイ・アメリカ(EA)、EVgoが最近発注した物量の70%、100%ずつを獲得したためだ。

生産ラインでは高さ1~2メートル、重さ100~280キロの大型電気自動車の充電器が次々と組み立てられていた。板金と溶接、コーティングなどは外部メーカーに任せたが、SKシグネットはライバル会社と違って独自のデザイン、設計能力を保有しているため充電器の形とデザインが少しずつ違っていた。

イ・チュンウ工場長は「ケーブルや配線固まりなど繊細に処理しなければならない部分が多く熟練した技術人材のノウハウが必要だ」とし「2~3人がグループを組んで全工程を1か所で処理するセルラインを設け、どの規格やタイプ注文にもオーダーメード型製品を供給できるよう少量生産体系を整えた」と伝えた。

生産ラインの向こうではSKシグネットが独自開発したシミュレーターを活用した集中検査と実際の電気自動車に充電器を連結して接地連続性と耐電圧などを最終点検する出庫検査が行われた。特に、ここでは充電器ケーブルを電気自動車に連結するやいなや自動的に登録された決済手段を通じて料金が決済される「プラグイン」機能に対する性能点検も行われた。

SKシグネットは霊光工場で毎年1万個あまりの電気自動車充電器を生産し、このうち70%ほどを釜山港でコンテナ船に積んで輸出している。

最近、アイルランド最大のガソリンスタンド運営会社であるアップルグリーンと電気自動車の充電器供給契約を締結したのに続きフェデックス、セブンイレブンとも事業協力の論議に突入しただけに輸出規模はさらに増える見通しだ。

SKシグネットのシン・ジョンホ代表は「世界電気自動車の充電器市場が年間35%ずつ成長しているが、これを2倍上回る成長率を維持し2025年には世界トップ企業に跳躍する」とし「充電器の製造・販売にとどまらず人工知能基盤の予知整備、ロボットを活用した移動型充電サービスなどを通じて革新的な顧客経験を伝える」と伝えた。

昨年、シグネットの持分53.4%を買収した投資専門会社SKは電気自動車が未来モビリティ市場のゲームチェンジャーになると予測し素材・インフラストラクチャー分野の価値鎖の構築に力を入れている。核心事業の領域別に世界トップ企業に投資し総合ソリューション体制を構築するというのがSKが打ち出している「キングピン(Kingpin・核心軸)」戦略だ。SKはグループが保有している半導体や情報通信の力量を融合させ今後、到来する自動運転車市場に先導的に備えるという構想だ。
  • 毎日経済 | 霊光=パク・ユング記者
  • 入力 2022-04-21 17:18:18




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